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別当【べっとう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

別当
べっとう
もと号。本官のほか,別にその職にあたることの検非違使 (けびいし) 別当,蔵人 (くろうど) 所別当はその代表的なもので,特に別当とだけいえば検非違使別当をさすことが多い。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

べっ‐とう〔‐タウ〕【別当】
《元来は本官のある者が別の役を兼ねて当たる意》
検非違使(けびいし)庁蔵人所(くろうどどころ)など、令外(りょうげ)の官長官
平安時代以降、親王家摂関家などの政所(まんどころ)の長官。
鎌倉幕府政所侍所(さむらいどころ)などの長官。
僧官の一。東大寺興福寺などの大寺に置かれた長官で、一山の寺務を統轄した。のちには、熊野石清水北野などの諸社にも置かれた。
盲人の官名の一。検校(けんぎょう)下位
《院の厩(うまや)司の別当から転じて》馬丁

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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べ‐とう〔‐タウ〕【別当】
「べっとう」の促音の無表記。
「さぶらひの―なる右京大夫召して」〈・宿木〉

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世界大百科事典 第2版

べっとう【別当】
律令官制に正官をもつ官人が本来の職務とは〈別〉に特定官司の職務全体の轄・監督に〈当〉たるときに任される職名。9世紀以降寺院令外官(りようげのかん),家政機関などの統轄責任者の称として一般化した。(1)造東大寺司 奈良時代,造東大寺司管下の所(ところ)(写経所,造仏所など)の別当。造寺司の判官,主典らが補任され,工人,役夫を指揮して事業を分担した。(2)寺院 諸大寺で三綱(さんごう)を指揮して大衆統制,寺領管理,伽藍修造などの寺院運営を行った最高責任者。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

別当
べっとう

令外官(りょうげのかん)の一つ。その称は、本官(ほんかん)のある者が別にそのことを専当することに由来する。奈良時代には、東大寺をはじめとする諸大寺に別当が置かれた。平安時代になると、中央の諸官司はもとより、諸院、摂関公卿(くぎょう)家の政所(まんどころ)や畿内(きない)にも、長官の上または長官として別当を任命した。とくに蔵人所(くろうどどころ)や検非違使(けびいし)庁の別当は著名で、前者は多く左大臣をもって補し、後者は衛門府(えもんふ)、兵衛(ひょうえ)府などの外衛(とのえ)の督(かみ)が兼ねた。一般に別当といえば検非違使別当をさす。五畿内諸国別当については、895年(寛平7)に源能有(よしあり)が補せられている。また、鎌倉幕府の公文所(くもんじょ)、政所、侍所(さむらいどころ)の長官も別当という。

[渡辺直彦]

寺院の別当

一山の寺務を統轄する長官。8世紀の造東大寺司の判官(じょう)・主典(さかん)などが、所管の山作所(やまつくりどころ)・造瓦所・木工(もく)所など統轄責任者を兼職した場合とか、僧綱(そうごう)の一員でありながら官大寺の長官を兼ねた場合には某寺別当と称せられ、その寺の三綱(さんごう)(上座(じょうざ)、寺主(じしゅ)、都維那(ついな))などを統轄指揮して寺院の経営などにあたった。752年(天平勝宝4)に良弁(ろうべん)が東大寺別当に補任(ぶにん)されたのが最初で、以後、興福寺、大安寺、薬師寺、法隆寺、四天王寺など諸大寺や神宮寺などにも別当が置かれるに至った。またこれら諸大寺には公卿、弁官、史などの本官をもった律令(りつりょう)官人が俗別当として任命され、政府との折衝・管理運営に僧侶(そうりょ)の別当とともに関与するに至った。

[堀池春峰]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

べっ‐とう ‥タウ【別当】
〘名〙
① 古代中国で、一官庁の長官。〔新唐書‐儀衛志上〕
② 元来は本官のある人が他の役所の長官を兼務するの意だが、ひろく長官の称として用いられた。
※正倉院文書‐天平宝字六年(762)三月一日・造東大寺司告朔解「造瓦所別当弐人」
③ 特に、検非違使庁の長官。検非違使の別当。
※狭衣物語(1069‐77頃か)一「この門開けさせんなど、いひける気色、別当殿の御子の蔵人の少将とぞ、思はせたりければ」
④ 平安時代以降、院・親王家・摂関家・大臣家などの家政機関の長官。ふつう複数の人を任命するが、特に院の庁には多く置かれる。また、家政機関の下部組織である文殿・厩などの長官も別当と称する。
※落窪(10C後)三「政所のへっ当なる衛門の佐」
⑤ 鎌倉幕府の政所・侍所(さむらいどころ)・公文所(くもんじょ)などの長官。
※吾妻鏡‐元暦元年(1184)一〇月六日「新造公文所吉書始也。安芸介中原広元為別当着座」
⑥ 僧官の一つ。東大寺・興福寺・法隆寺・仁和寺・四天王寺などの大寺に置かれ、三綱の上位にあり、一山の寺務を総裁したもの。また、その人。
※万葉(8C後)三・三九一・題詞「造筑紫観世音寺別当沙彌満誓歌一首」
⑦ 神宮寺(じんぐうじ)の僧官の一つ。宇佐・鶴岡・祇園・気比・石清水などの神社に置かれ、庶務をつかさどるもの。また、その人。検校(けんぎょう)の下位にあり、大別当・少別当・修理別当・別当代などの区別があった。
※権記‐長保二年(1000)六月二八日「定救申気比神宮寺別当国解、付允政、送国平朝臣許
⑧ 荘官の一種。平安時代以降、荘園の事務をつかさどったもの。また、その人。
※朝野群載‐二二・長和四年(1015)一一月一六日・播磨国符「国符 赤穂郡司〈略〉検校内舎人播磨香名 別当播磨興昌」
⑨ 盲人の官位の一つ。四階級のうちの第二にあたり、検校の下に位する。総別当・正別当・権別当の三等に分かれる。
※当道要集(18C中か)「官位の次第〈略〉別当成三階
⑩ (遊女の別当の意から) 遊女を取り締まるもの。
※吾妻鏡‐建久四年(1193)五月一五日「手越黄瀬河已下近辺遊女令群参、列候御前、而召里見冠者義成、向後可遊君別当、只今即彼等群集、頗物忩也」
⑪ 明治初年、大学校の事務を統轄した勅任官。
⑫ 明治二三年(一八九〇)一月一六日に定められた親王家の職員の一つ。親王を補佐し、家政・会計などをつかさどり、家令以下の職員を監督した。高等官の身分をもっていたが、同四〇年一一月一日廃止。
⑬ (院の厩(うまや)の別当から転じて) 馬を飼育したり、乗馬の口取りをしたりする人。馬飼い。馬丁。
※寛永刊本蒙求抄(1529頃)七「舎人は、馬屋の別当のやうな者ぞ」
⑭ 町役人。
※相良氏法度(1493‐1555)三九条「一 爰元外城町におゐて、なしか何かしの被官なとと申候而、別当へなし不申候、くせ事に候」
⑮ 庄屋。村役人。
※地方凡例録(1794)七「西国筋にては庄屋を別当といふ所もあり」
⑯ あるじ。亭主。
※滑稽本・続膝栗毛(1810‐22)二「身どもに対して失礼ぢゃなかばいか。別当(ベッタウ)(〈注〉テイシュ)よべ」

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べ‐とう ‥タウ【別当】
〘名〙 (「べっとう」の促音の無表記) =べっとう(別当)
※大和(947‐957頃)一四七「絲所のへたう、かちまけもなくてやはてむ君により思ひくらぶの山は越ゆとも」

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旺文社日本史事典 三訂版

別当
べっとう
本官のある者が別に職を担当する意であるが,のちには専任の長官をもさした
蔵人所 (くろうどどころ) ・検非違使 (けびいし) などの令外官 (りようげのかん) や,院庁の長官,鎌倉幕府の侍所 (さむらいどころ) ・政所 (まんどころ) の長官がその例。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
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