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別役実【べつやくみのる】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

別役実
べつやくみのる
[生]1937.4.6. 満州,新京
劇作家。早稲田大学政経学部在学中,学生劇団自由舞台に参加。 1960年中退後,『ABと一人の女』 (1961) ,『』 (62) などを書き,66年,鈴木忠志らと早稲田小劇場結成。 68年『マッチ売りの少女』 (66) と『赤い鳥の居る風景』 (68) で岸田国士戯曲賞受賞。 72年,山崎正和と「手の会」を結成。おもな作品に『あーぶくたった,にいたった』 (76) ,『マザー,マザー,マザー』 (79) ,『諸国を遍歴する二人の騎士の物語』 (87) など。静けさをたたえた硬質な文体で不条理を描き出している。夫人は女優の榎侑子。

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デジタル大辞泉

べつやく‐みのる【別役実】
[1937~2020]劇作家。満州の生まれ。広島の被爆者を描いた「象」で注目され、昭和43年(1968)には「マッチ売りの少女」「赤い鳥の居る風景」で岸田国士戯曲賞を受賞。その後も、日本の不条理演劇第一人者として活躍した。作「諸国を遍歴する二人の騎士の物語」「やってきたゴドー」など。

出典:小学館
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus

別役実 べつやく-みのる
1937- 昭和後期-平成時代の劇作家。
昭和12年4月6日満州(中国東北部)新京(現長春)生まれ。37年鈴木忠志らと新劇団自由舞台(41年から早稲田小劇場)を結成し,「象」や「マッチ売りの少女」(「新劇」岸田戯曲賞)などの不条理劇を発表。のち退団し,山崎正和らと手の会を結成。63年「諸国を遍歴する二人の騎士の物語」で読売文学賞,「ジョバンニの父への旅」ほかで芸術選奨。20年「やってきたゴドー」で紀伊国屋演劇賞,鶴屋南北戯曲賞。童話も手がける。21年朝日賞。24年読売演劇大賞芸術栄誉賞。25年芸術院会員。早大中退。本名は別役(べつちゃく)実。

出典:講談社
(C)Kodansha 2015.
書籍版「講談社 日本人名大辞典」をベースに、項目の追加・修正を加えたデジタルコンテンツです。この内容は2015年9月に更新作業を行った時点での情報です。時間の経過に伴い内容が異なっている場合がございます。

世界大百科事典 第2版

べつやくみのる【別役実】

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

知恵蔵mini

別役実
劇作家。1937年4月6日旧満州(中国東北部)生まれ。58年に早稲田大学政治経済学部に入学後、演出家の鈴木忠志らとともに劇団「自由舞台」(後の早稲田小劇場)を結成。カフカやベケットに影響を受けた不条理劇を書き始め、62年に発表した「象」で注目を集めた。68年に「マッチ売りの少女」「赤い鳥の居る風景」で岸田國士戯曲賞を受賞。68年に早稲田小劇場を離れたあとも旺盛な作家活動を続け、不条理劇という新しい分野を定着させた。70年には「街と飛行船」「不思議の国のアリス」で紀伊國屋演劇賞個人賞、「ジョバンニの父への旅」で87年度芸術選奨文部大臣賞を受賞するなど、多数の受賞歴をもつ。戯曲のほかに童話やエッセー、犯罪評論なども数多く手がける傍ら、日本劇作家協会会長や兵庫県立ピッコロ劇団の代表も歴任した。2020年3月3日、82歳で死去した。

(2020-3-12)

出典:朝日新聞出版
(C)Asahi Shimbun Publications Inc
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日本大百科全書(ニッポニカ)

別役実
べつやくみのる
(1937―2020)

劇作家。満州(現、中国東北地方)新京(現、長春)に生まれる。1946年(昭和21)引揚げ。早稲田(わせだ)大学政経学部中退。安保闘争や新島闘争にかかわる一方、学生劇団自由舞台に参加。初期の代表作『象』(1962)は、自由舞台の出身者たちが創立した新劇団自由舞台が初演。1966年演出家の鈴木忠志(ただし)(1939― )らと劇団早稲田小劇場を結成して座付き作者として活躍するが、『マッチ売りの少女』(1966)、『赤い鳥の居る風景』(1967)で岸田国士戯曲賞を受賞したのを一つの機に退団し、劇作家として独立する。以後、別役は『移動』(1971)で作風を確立、これは翌1972年に劇作家の山崎正和(まさかず)(1934―2020)や演出家の末木利文(すえきとしふみ)(1939―2017)らと結成した手の会が1973年に初演、ただし、手の会はその後自然消滅した。ベケットの影響下に編み出した独特の文体とユーモアを駆使し、人間の存在を凝視してさりげない人間関係のなかから非日常性をあぶり出した。とりわけ1970年代は文学座のアトリエの会に定期的に新作を提供、演出家藤原新平(1928― )とのコンビで高い評価を得るとともに、別役ブームを招来した。この時期の代表作に『あーぶくたった、にいたった』(1976)があり、このころの戯曲はすでにベケットの傘の下から抜け出して、小市民の不安や孤独を日常生活に根差した独自の感覚で描くようになった。さらには特定の俳優を想定して筆をとるようにもなり、『諸国を遍歴する二人の騎士の物語』(1987)は三津田健(みつだけん)(1902―1997)と中村伸郎(のぶお)(1908―1991)のために、『はるなつあきふゆ』(1993)は三木のり平(1924―1999)のために書いて成果をあげた。1997年(平成9)に文学座のアトリエの会に書き下ろした『金襴緞子(きんらんどんす)の帯しめながら』で劇作100本に達し、以後も精力的に書きつづけた。童話や児童のための戯曲も多い。また、『電信柱のある宇宙』(1980)その他のエッセイの書き手としても、さらには『別役実の犯罪症候群』(1981)なる著書もあるように、新聞や雑誌で独特の視点から事件を解明する犯罪評論家としても活躍し、2002年に辞任するまで日本劇作家協会の会長としても、新人の発掘や後進の指導にあたった。女優の楠侑子(くすのきゆうこ)(1933― )は妻。

[大笹吉雄 2018年1月19日]

『『別役実戯曲集』25冊(1970~1998・三一書房)』『『別役実童話集』6冊(1973~1988・三一書房)』『『あーぶくたった、にいたった』(1976・三一書房)』『『別役実の世界』(1982・新評社)』『『作家の方法ベケットと「いじめ」――ドラマツルギーの現在』(1987・岩波書店)』『『シリーズ「物語の誕生」 現代犯罪図鑑』(1992・岩波書店)』『『電信柱のある宇宙』(1997・白水社)』『『「母性」の叛乱――平成犯罪事件簿』(2002・中央公論新社)』『『犯罪症候群』(ちくま学芸文庫)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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