●利益衡量【りえきこうりょう】
世界大百科事典 第2版
りえきこうりょう【利益衡量 Interessenabwägung[ドイツ]】
法律学上の用語。裁判ないし法の解釈にあたって,現実に対立している諸利益を探究し,比較衡量していずれをとるかを決すること。今日では,概念法学(法規をそれ自体として完結的かつ欠缺(けんけつ)のないものと想定し,したがって,法規上の概念を抽象的・論理的に操作するだけで,すべての問題について具体的に妥当な判断を引き出すことができると考える立場)を信奉する者はほとんどいない。それは,現実には,必ずしもすべての結論が法規の条文から一義的に引き出せるとはいえないことが一般的に認識されるようになったからである。
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