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加硫【かりゅう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

加硫
かりゅう
vulcanization
ゴム硫黄などを加えて熱し,ゴム分子を強固に結合させ,温度変化による塑性流れや,弾性,強度などゴムの性状を改善する操作広義には硫黄を用いないでも同様の変化を与える場合を含める。油に硫黄または塩化硫黄を反応させて架橋させることをさす場合もある。加硫工程には通常,鋼鉄性の筒状でゴム製品を蒸気,加熱ガスなどで加硫する加硫缶や,蒸気,熱湯,電気で加熱した熱板を所要形状に加圧し加硫する加硫プレスなどの加硫機が利用される。加硫剤としては,硫黄のほか,セレンテルル,塩化硫黄,チウラム多硫化物,有機過酸化物なども特殊の加硫目的に使う。また,このほかに加硫促進剤がある。これは加硫剤とともに作用して加硫作用を増進または抑制させ,時間や温度を低下,短縮させる物質で,一般にゴムの物理的性質や老化性などの性状を向上させる働きを有する。酸性促進剤としてチアゾール系,チラウム系,アルデヒトアンモニア系,グアニジン系などがある。また促進過剰の場合の抑制剤 (スコーチ剤) としてフタル酸マレイン酸などが利用される。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

か‐りゅう〔‐リウ〕【加硫】
生ゴム硫黄または塩化硫黄などを混ぜて加熱し、ゴムの弾性を増加させる操作。分子間に橋かけ結合を作るもの。和硫。硫化。
水に対して不溶性の色素に、硫化ナトリウムを加えて硫化染料を作る操作。和硫。硫化。

出典:小学館
監修:松村明
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編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

かりゅう【加硫 vulcanization】
原料ゴムに硫黄を加え,加熱することにより三次元網目構造化し,弾性や引張強さを大きくし,実用に耐える諸性質をゴムに与える反応をいう。原理的には,ゴム分子鎖中に存在する炭素‐炭素二重結合を利用して,硫黄によりゴム分子鎖間に橋架け結合(橋架け)をつくる反応で,ラジカル反応機構によるものと考えられている(イオン反応説もある)。加硫という現象は1839年にアメリカのC.グッドイヤーによって偶然に発見されたもので,今日のゴム工業発展の基礎となった,きわめて重要な発見である。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

加硫
かりゅう
vulcanization

熱可塑性のある原料の生ゴムに硫黄(いおう)あるいは他の架橋剤と配合剤を加え、加熱または他の方法で生ゴム分子間に化学結合をつくる架橋反応をいう。一般の加硫は、生ゴム100に対して硫黄2~3.5、補強充填(じゅうてん)剤40~50、その他加硫促進剤、軟化剤、老化防止剤などを加え、素練り、混合、成形工程に続いて加熱蒸気により直接あるいは間接に加熱して行う。生ゴムの加硫法は1839年アメリカのグッドイヤーが発明した。熱可塑性と流動性をもった生ゴムは、加硫によってそれらの欠点が改良され、弾性、耐久性、強度などが実用に供しうるようになった。加硫という語は硫黄を加えて生ゴム分子中の炭素間二重結合と反応させ、橋架けをつくる反応に由来して名づけられた。しかし、1930年代より各種の合成ゴムが製造されるようになって、クロロプレン系合成ゴムのように、亜鉛華や酸化マグネシウムによって架橋が行われ硫黄を必要としない場合や、分子内に炭素間二重結合をもたない合成ゴムでは、シリコーンゴムのように有機過酸化物で架橋が行われる場合もある。そこで、硫黄を使わない場合はとくに無硫黄加硫とよぶこともある。

[福田和吉]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

か‐りゅう ‥リウ【加硫】
〘名〙
① 生ゴムに硫黄(いおう)を加えて加熱すること。伸張性、弾性を増す。現在では硫黄を用いなくても、広く可塑性物質を加えて弾性物質に変える操作をいう。
② 菜種油、あまに油、ひまし油、綿実油、魚油などの油脂に、硫黄または塩化硫黄を加え加熱処理を行なう操作。硫黄の含量によって粘りけのある油状からゴム状の固体までいろいろになる。
③ 硫化染料を作ることで、有機化合物に硫黄と硫化ナトリウムを加え、融解または煮沸する操作。硫化。キュアリング。

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

加硫
カリュウ
vulcanization

可塑性のあるゴムの原料(鎖状高分子)に架橋剤をまぜて,分子間に架橋反応を起こさせ(加硫),三次元的な網目状高分子をつくり,流動性をなくしたゴム状物質を製造する操作をいう.歴史的には天然ゴムに硫黄を添加して架橋反応を行い,ゴムを製造したことから加硫といい,架橋と同じ意味で用いられる.加硫は,硫黄加硫と非(無)硫黄加硫に大別できる.天然ゴムや多くの合成ゴム(SBR,NBR,IR,BRなど)では,加硫剤(架橋剤)として硫黄が用いられ,クロロプレン系合成ゴムでは,マグネシウムなどの金属酸化物(非硫黄系)が使用される.このほかにも加硫剤として,セレンテルル,無機,有機の硫黄化合物などが使用されている.ゴムの加硫は一般には,配合ゴム(ゴムの原料,加硫剤,補強剤,加硫促進剤,老化防止剤など)を蒸気や熱湯により加熱(110~170 ℃),加圧して行い,生成したものを加硫ゴムとよぶ.ゴムの架橋反応は,ゴム分子中に含まれる二重結合と硫黄(反応前の硫黄は環状八量体から構築されている)との間で化学反応が起こり,硫黄分子が架橋点を構築する.この架橋点では,硫黄分子は複数個(1~8個)連なっている.一般の硫黄架橋では,硫黄が1~2個のものが多い.加硫促進剤は加硫温度の低下,時間の短縮をもたらす効果があり,加硫ゴムの品質向上に役立つ.代表的促進剤として,グアニジン類,アルデヒド類,アミン類,チアゾール類,チウラム類があり,ステアリン酸や亜鉛華などの促進助剤と一緒に用いられる.ゴムの材料的性質を改良するために,カーボンブラックなどの補強剤が加えられる.一般に硫黄の添加量は,ゴム100に対し2~3程度加えて通常の加硫ゴムが製造されている.加硫ゴム製造時に,製品の表面に未反応の加硫剤(配合剤を含む)が析出する(花模様状に析出することによりブルーミングとよばれている)のを嫌う製品では,硫黄添加量を0.5以下(低硫黄加硫)にして軟質加硫ゴムを製造している.このような製品として,透明ゴム,耐熱ゴム,電線被覆用ゴムなどがある.硫黄を30% 前後含んだものを硬質ゴム(エボナイト)とよぶ.加硫するのに最低限必要な加硫剤,配合剤を用いて製造した加硫ゴムを純ゴム配合とよび,カーボンブラックを配合した加硫ゴムと対比される.このほかに,加硫剤(架橋剤)を一切使用しないで,ゴム状物質を作成する方法として,放射線により高分子鎖を架橋する放射線架橋(加硫)や,硬い分子鎖と軟らかい分子鎖から構成されているセグメントウレタンにおける硬い分子鎖の凝集力を利用した物理加硫(物理架橋)がある.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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