@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

労働価値説【ろうどうかちせつ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

労働価値説
ろうどうかちせつ
labour theory of value
商品の価値は,その商品の生産に費やされる社会的必要労働量により決定されるとする学説。等価交換の説明もこれを基礎にしてなされる。労働をの父であるとした W.ペティに始り,A.スミス,D.リカードらにより発展させられ,K.マルクスによってそれまでの理論的欠陥が克服されて完成をみた。彼は労働と労働力を明確に区別して剰余価値源泉である剰余労働を抽出し,利潤は剰余価値が転化したものにほかならず,商品の生産価格は商品の価値が転化したものにほかならないことを原理的に解明した。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

ろうどうかち‐せつ〔ラウドウカチ‐〕【労働価値説】
商品の価値は、その商品を生産するための社会的必要労働時間によって決定されるとする価値理論。英国のペティに始まり、スミスリカードを経て、マルクスによって完成された。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

ろうどうかちせつ【労働価値説 labor theory of value】
価値について論じられることは,経済学で価値が問題になるはるか以前から多かった。しかし価値を文化的なあるいは哲学的な次元で問題にするかぎり,それは主観的な判断に属する。ところがあるいは貨物(かぶつ)についてその価値が論じられることになれば,それはなんらかの形で客観的な評価をめざすものとならざるをえない。すでにギリシアアリストテレスはそれを問題にしていたが,財の価値の客観的な根拠を求めても得られるものではない,として探求中途で放棄している。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

ろうどうかちせつ【労働価値説】
生産に要する労働の量によって商品の価値は決定されるとする学説。一七世紀末ペティーによって主張され、スミス・リカードが受け継ぎ、マルクスに至って完成された。 ⇔ 効用価値説

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

労働価値説
ろうどうかちせつ
labour theory of value英語
Arbeitswerttheorieドイツ語
thorie de la valeur de travailフランス語
商品の価値はその商品を生産するために社会的に必要な労働時間によって決定されるという理論をいう。労働時間による商品価値の規定を商品交換の基準とし客観化するので、欲望・効用を基準に商品価値を説明する主観価値説に対して客観価値説ともいう。労働価値説は、ウィリアム・ペティによって初めて着目され、古典派経済学――イギリスではペティのほかA・スミス、D・リカードに代表され、フランスではボワギルベールに始まり、F・ケネーを経て、シスモンディに代表される――によって発展させられたのち、さらにK・マルクスによってこの古典派経済学が批判的に検討克服されて完成された。
 経済学を体系化したスミスは、一方で商品の価値の量をその商品の生産に必要な労働によって規定し、分業と交換の行われる社会ではその商品の交換を通して私的労働が社会的労働に結合し、価値の実体を労働ととらえる投下労働価値説を展開したが、他方で、「資財が特定の人々に蓄積される」資本主義社会では、商品の価値の量は、その商品で交換される労働の量、すなわち支配または購買しうる労働の量によって規定されるという支配労働価値説を説く。両者は単純な商品生産では一致するが、前者は生産における労働からの規定であるのに対し、後者は流通からの規定であって、両者はまったく異なり、スミスは両者を混同していた。またスミスは、一方で投下労働からの商品の自然価格が賃金、利潤、地代に分解する(価値分解説)とし、他方でこれら賃金、利潤、地代の三所得から構成される(価値構成説)と説くが、後者は各所得であるから、各所得の需給関係から規定され、投下労働による規定と異なる。これは流通により、支配労働説に基づくことになる。このようにスミスでは、一方で社会の本質的内的連関から規定するが、他方でその現象形態から規定する二元論となっている。
 リカードは、この二元論のうち投下労働価値説・価値分解説を正しく継承発展させ、スミスの支配労働価値説・価値構成説の誤りを厳格に批判し、労働価値説を純化した。だが彼も価値の量のみに分析を向け、価値の実体をなす労働の質的規定を等閑にし、価値で表される労働(=抽象的人間労働)を使用価値で示される限りの労働(=具体的有用労働)から明確に区別できなかった。また、商品の価値形態を商品価値の本性にとってはどうでもよい外的なものとみなし、価値と交換価値との内的連関を問題にしなかった。さらに、利潤の源泉、平均利潤の形成、生産価格の成立という事実を投下労働の価値に基づいて説明することができず、労働価値説を修正せざるをえなかった。
 マルクスは、これらの欠陥を根本的に批判し、古典派経済学研究の批判的最終成果として得た労働の二重性(具体的有用労働と抽象的人間労働)から労働価値説を厳密に打ち立てる。まず、商品の価値の実体として、商品の使用価値を生産する具体的有用労働とはべつに抽象的人間労働をとらえ、労働力、その支出=労働、労働の対象化を区別して価値の形成を明らかにする。その場合の労働も質的差異をなくし、抽象的人間労働としてその度量単位に単純労働を基準とする。それゆえ複雑労働が単純労働に還元される。次に、商品の価値量は、この抽象的人間労働の量、すなわち労働時間によって決まる。この労働時間は個々の生産者が費やすそれではなく、社会的必要労働時間である。それは、現在の社会的に正常な生産条件と、労働の熟練および強度の社会的平均度とをもってある商品を生産するのに必要とされる労働時間のことである。この労働時間の規定がマルクスの価値法則である。
 マルクスは、労働の二重性に基づいて価値と交換価値との関連、貨幣の本質と機能、労働過程と価値増殖過程を明らかにし、価値法則に基づいて資本と賃労働の交換、労働と労働力商品の区別による剰余価値の生産を解明し、さらに総平均利潤が総剰余価値に等しく、全商品生産価格の総計がその価値総計に等しいことによって生産価格(費用価格+平均利潤)を価値の転化された形態として明らかにして労働価値説を完成させ、自己の全経済学説を展開した。ここに経済学の諸概念、その運動、およびそこに貫徹する法則が労働価値説によって基礎づけられた。[海道勝稔]
『K・マルクス著『資本論』(向坂逸郎訳・岩波文庫/岡崎次郎訳・大月書店・国民文庫) ▽K・マルクス著『経済学批判』(武田隆夫他訳・岩波文庫/杉本俊朗訳・大月書店・国民文庫) ▽K・マルクス著、岡崎次郎・時永淑訳『剰余価値学説史』(大月書店・国民文庫)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

ろうどうかち‐せつ ラウドウ‥【労働価値説】
〘名〙 経済学で、商品の価値は、その生産に費やされた労働量すなわち労働時間によって決定されるという理論。イギリスの経済学者W=ペティがはじめて論じ、A=スミスとP=リカードによって体系的に展開され、マルクスによって完成された。
※学生と読書(1938)〈河合栄治郎編〉読書の回顧〈高橋健二〉三「マックス・アドラーに関心をもったのは労働価値説と理想主義との結びつきと云ふことからであった」

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

労働価値説」の用語解説はコトバンクが提供しています。

労働価値説の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation