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化学療法に伴う悪心・嘔吐

内科学 第10版

化学療法に伴う悪心・嘔吐(造血器腫瘍治療とその補助療法)
(4)化学療法に伴う悪心・嘔吐(chemotherapy-induced nausea and vomiting:CINV)(日本癌治療学会,2010)
 化学療法には強力な抗腫瘍効果とともに,患者が最も嫌う副作用の1つ悪心・嘔吐を伴う.化学療法の実施時には,抗癌薬の催吐リスクに応じて制吐療法を行い悪心・嘔吐を予防することが不可欠である.CINVは,大きく急性,遅発性,予期性の3種類に分けられる(図14-7-7).
a.急性悪心・嘔吐
 抗癌薬投与後数時間して悪心・嘔吐が始まり,24時間以内におさまってくる急性期の悪心・嘔吐は,抗癌薬によって小腸エンテロクロマフィン(enterochromaffin)細胞が刺激されて放出されたセロトニンが,腸管の5-HT3受容体に結合し,迷走神経を上行し延髄にある嘔吐中枢を刺激して誘発される.予防的に5-HT3受容体拮抗薬とコルチコステロイドを使用する.
b.遅発性悪心・嘔吐
 急性の悪心・嘔吐がいったんおさまった後,あるいは引き続いて化学療法施行24時間以降に出現するものを遅発性の悪心・嘔吐という.これは,神経末端から産生・放出されるサブスタンスPが,嘔吐中枢,その周辺にあるNK1受容体に結合することによって嘔吐が惹起される.NK1受容体拮抗薬が有効である.
c.予期性悪心・嘔吐
 以前に受けた化学療法において強い嘔吐を経験した症例の中には,次治療前より吐き気や嘔吐が出現する例が20~30%にみられる.これは,精神的な要素がきわめて強い予期性の症状であり,制吐薬は無効で,抗不安薬(アプレゾラム,ロラゼパム),心理療法,行動療法で対応する.しかしその効果は限定的で,初回化学療法時より悪心・嘔吐を起こさせないよう予防することが最も重要である.[田村和夫]
■文献
Coiffier B, Altman A, et al: Guidelines for the management of pediatric and adult tumor lysis syndrome: an evidence-based review. J Clin Oncol, 26: 2767-2778, 2008.
日本癌治療学会編:制吐薬適正使用ガイドライン,第1版,金原出版,東京,
2010.日本臨床腫瘍学会編:発熱性好中球減少症(FN)診療ガイドライン,南江堂,東京,2012.

出典:内科学 第10版
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それぞれの用語は原書刊行時(2013年)の時点での最新のものです.常に最新の内容であることを保証するものではありません。また,権利関係の都合で一部表示できない図や画像があります。

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