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化学肥料【かがくひりょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

化学肥料
かがくひりょう
chemical fertilizer
植物の生育を助ける窒素,リン酸,カリウムなどを含み,化学的操作で大規模に工場で生産される人造肥料肥料成分1種類を含む窒素肥料リン酸肥料カリ肥料,また肥料成分2種類以上を含む複合肥料がある。植物質肥料,動物質肥料に比べて肥料成分の含有量が多いので効果が大きく,製造コストも低いので,現在では肥料の大半を占める。窒素肥料には硫安尿素,塩安,硝安石灰窒素,リン酸肥料には過リン酸石灰重過リン酸石灰,溶成リン肥,焼成リン肥,カリ肥料には輸入カリ,国産カリ肥料がある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

かがく‐ひりょう〔クワガクヒレウ〕【化学肥料】
化学的処理によって作られる肥料。硫安硝安尿素過燐酸(かりんさん)石灰硝酸カリなどの無機化合物が用いられる。人造肥料。無機質肥料

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

かがくひりょう【化学肥料 chemical fertilizer】
無機質の原料に化学的操作を加えて製造された人造肥料で,一般に化学工業の生産物である。動植物質を原料とする油かす,骨粉などの有機質肥料に対する無機質肥料の主体をなしている。
[歴史]
 1843年イギリスにおいて工業的に過リン酸石灰が製造されはじめたが,20世紀初めに空気中の窒素からアンモニアを合成することが工業的に成功して以来,生産量が急激に増加し,現在では肥料といえば,ただちに化学肥料を意味するほど一般化している。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

かがくひりょう【化学肥料】
工場で化学的処理により製造される肥料。窒素・リン酸・カリウムの一種以上を水溶性の化合物として含む。硫酸アンモニウム・尿素・過リン酸石灰など。人造肥料。 ⇔ 天然肥料有機肥料

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

化学肥料
かがくひりょう
chemical fertilizer
化学的手法により製造された肥料のことで、古くは人造肥料ともよばれた。堆厩肥(たいきゅうひ)などの自給肥料や油かす、骨粉などの動植物を原料とした有機質肥料に対応した呼び名である。
 化学肥料の始まりは、1839年にドイツのリービヒが、骨粉に硫酸を作用させ水溶性リン酸をつくり、これが肥料として有効であることを確かめたときと考えられる。日本では、1875年(明治8)リン酸アンモニウムと過リン酸石灰がつくられ試用されたのが初めである。化学工業が発達した現在、日本で消費されている肥料の大部分は化学肥料によって占められる。高生産、高能率な現代の農業技術の進歩は、化学肥料なしにはとうてい考えられない。
 日本の化学肥料の施用・消費量の推移を主作物の水稲と、それ以外の他作物とに分けてみてみると、水稲ではオイル・ショックの影響をあまり受けずに1987年(昭和62)まで毎年増加した。こうした傾向は窒素の多肥で高い収量をあげる品種の開発普及と、政府による高米価政策が実施されたことなどによる。しかし、1987年米価が引き下げられると同時に化学肥料の施用量も急激に減少した。これを窒素、リン酸、カリ(カリウム)の成分別にみると、以前は窒素がもっとも多く、ついでカリ、リン酸の順であった。しかし1969年以降はリン酸、窒素、カリの順になっている。これは冷害の軽減対策にリン酸が多く施用されたことなどによる。水稲を除く他作物では1973年まで施用量は毎年増加した。しかし、1973年、1978年に発生したオイル・ショックは化学肥料の消費量に強く影響し、その都度激減したが、その後は回復し、増減を繰り返しながらおおむね横ばいの傾向で推移している。[小山雄生]

種類

化学肥料は、組成、形態、施肥法など種々の観点から分類される。肥料三要素のうちの1種類のみを含むものは、その主成分によって窒素肥料、リン酸肥料、カリ肥料に分類され、2種類以上を含有するものは複合肥料に分類される。そのほか、作物に有効な石灰、ケイ酸、苦土(酸化マグネシウム)、マンガンを主成分とするものや、数種の微量要素を混合した肥料、農薬を混入した肥料、肥効を調節した緩効性肥料やコーティング肥料など多くの種類がある。
 肥料成分は、単独に施用するよりも適切な割合で複合して与えたほうが作物にとっていっそう効果があることと、取扱いが便利であることから、単肥で使用される割合は少なく、化成肥料や配合肥料が施用量の大部分を占めている。また、粉末での使用から、粒状に成形されたものへと主体はかわってきている。さらにこのような固形のものばかりでなく、家庭園芸用や農家施設栽培用に種々の成分を好都合に調合した液肥の使用が増えつつある。[小山雄生]

化学肥料の特徴と問題点

化学肥料の使用量が飛躍的に増大した理由としては次のような点があげられる。
(1)化学工業として大量生産されるので、品質が均一で、供給も安定しており、また価格も安い。
(2)堆厩肥、下肥、緑肥などに比べて衛生的であり、使いやすい。
(3)窒素、リンなど有効成分含量が著しく高く、また一定している。
(4)輸送コストが低く、貯蔵しやすい。
(5)目的に沿った施肥ができ、むだも少ない。
 化学肥料は以上のような特長を備えているが、欠点としては以下の点があげられる。
(1)肥料のやりすぎや濃度障害による肥(こえ)焼けをおこしやすい。
(2)混合の仕方を誤ると、成分が逃げたり吸湿性を増したりするので注意が必要である。
(3)化学肥料のみを大量に長期間にわたって使用し続けると土壌が悪化する。
(4)農作物が軟弱となり病害虫にかかりやすくなる。
(5)川や湖沼、地下水を汚染し、富栄養化を招くなど環境を悪化するおそれがある。
 化学肥料の欠点を取り除くためには、堆厩肥、稲藁(いねわら)、コンポスト(有機質肥料)などの有機資材との併用がとくに望まれている。さらに肥効を調整した被覆肥料、発酵廃液などの有機物や微量要素を含有し、一般の化学肥料の欠点を補った肥料も製造、販売され、普及し始めてきている。しかし現在でも化学肥料の主体は、まだ硫安、塩安、過リン酸石灰、硫酸カリ(硫酸カリウム)などを原料とした無機質のもので占められている。
 高い生産効率のみを目的とした第二次世界大戦後の日本農業は、化学肥料と農薬の多投という弊害を招き、土壌を悪化し、また環境、資源の面からも持続的な農業生産が脅かされるようになった。このような状況への対応から、1992年(平成4)農業基本法にかわり「新しい食料・農業・農村政策の方向」が新しく打ち出され、化学肥料などによる環境への負荷の軽減に配慮した持続的農業の確立がうたわれた。また、1999年には21世紀の農業政策の指針となる食料・農業・農村基本法が成立し、いわゆる「環境保全型農業」への転換がいっそう推進されることになった。今後はさらに安心・安全・健康への配慮も必要となってきている。[小山雄生]
『早瀬達郎・安藤淳平・越野正義編『肥料と環境保全――化学肥料の影響と廃棄物の肥料化』(1976・ソフトサイエンス社) ▽久保輝一郎・荒井康夫著『化学肥料』新版(1977・大日本図書) ▽伊達昇・塩崎尚郎編著『肥料便覧』第5版(1997・農山漁村文化協会) ▽ヴァンダナ・シヴァ著、浜谷喜美子訳『緑の革命とその暴力』(1997・日本経済評論社) ▽全国農業協同組合連合会・全国農業協同組合中央会編『環境保全型農業――10年の取り組みとめざすもの』(2002・家の光協会) ▽肥料協会新聞部編『肥料年鑑』各年版(肥料協会)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

かがく‐ひりょう クヮガクヒレウ【化学肥料】
〘名〙 化学的処理によって工業的に生産される肥料。窒素肥料、燐酸肥料、カリ肥料、調合肥料、合成肥料など。人造肥料。化肥。
※中外商業新報‐明治三六年(1903)七月二六日「尚ほ化学肥料を製造すべきを決したり」

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

化学肥料
カガクヒリョウ
chemical fertilizer

人造肥料ともいう.化学工場で製造,加工工程を経てつくられる肥料.化学肥料は,窒素,リン酸,カリ(炭酸カリウム),石灰(炭酸カルシウム),ケイ酸,苦土(酸化マグネシウム),マンガン,そのほかの肥料要素の2種類以上の成分を含む.なかでも肥料3要素N,P,Kをいろいろの割合で含む肥料がもっとも大量に生産されている.化学肥料は次の五つに分類される.窒素肥料(硫安,塩安,硝安,尿素,石灰窒素),リン酸肥料(過リン酸石灰,溶成リン肥,焼成リン肥,トーマスリン肥),カリ肥料(硫酸カリ塩化カリ),化成肥料(普通化成,尿素化成,塩基性化成,リン硝安系化成,硫リン安系化成),そのほかの肥料(ケイカル肥料,鉱さい類,硫酸マグネシウム硫酸マンガンホウ砂).わが国での化学肥料の需要は,近年減少傾向にあり,2000年度(2000年7月~2001年6月)は,窒素,リン酸,カリの3成分合計量で1.45×106 t である.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)

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