●北条氏規【ほうじょううじのり】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
北条氏規
ほうじょううじのり
[没]慶長5(1600).2.8. 大坂
戦国時代,伊豆韮山の城主。美濃守。氏康の子。法号一睡院勝誉早円。武田氏としばしば戦い,天正 10 (1582) 年には後北条氏と徳川家康の講和に使者の役目を果し,また秀吉の関東統一に際しては,後北条氏のために大坂におもむき和解に活躍。同 18年和が破れて小田原の陣が始ると,居城韮山に拠って福島正則らを相手に戦ったが,家康のすすめで城を開き降伏 (→小田原征伐 ) 。秀吉は後北条家の末路をあわれみ,小田原落城後,北条氏直を高野山に配流したが,氏規もこれに従い剃髪,一睡と号し,氏直に与えられた河内領の管理などにあたった。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus
北条氏規 ほうじょう-うじのり
天文(てんぶん)14年生まれ。北条氏康(うじやす)の4男。伊豆(いず)韮山(にらやま)城(静岡県)城主。天正(てんしょう)16年豊臣秀吉との講和の使者をつとめる。秀吉の小田原攻めでは韮山城をまもったが,徳川家康の勧めで開城。小田原落城後,高野山にはいったが,19年秀吉から河内(かわち)(大阪府)に所領をあたえられた。慶長5年2月8日死去。56歳。通称は助五郎。
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世界大百科事典 第2版
ほうじょううじのり【北条氏規】
安土桃山時代の武将。氏康の四男。伊豆国韮山(にらやま)城主。1570年(元亀1)同城に拠って武田氏を撃退。82年(天正10)甥氏直と徳川家康との講和の使者となり,88年豊臣秀吉との講和の使者も務めた。90年秀吉の小田原征伐では,韮山城に拠ってよく防いだが,6月家康の勧告で開城。小田原落城後高野山に赴いたが,秀吉に召し出され,河内国で6980石余を宛て行われた。【下村 信博】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
北条氏規
ほうじょううじのり
(1545―1600)
1545年(天文14)に戦国大名北条氏康(うじやす)の五男として誕生。母今川氏親(いまがわうじちか)娘。通称助五郎。官途左馬助、受領名美濃守。少年期、人質として今川氏のもと駿府に滞在、同じく人質であった松平竹千代(のちの徳川家康)と知己をえるという。1567年(永禄10)には、相模国玉縄(たまなわ)城主で同国三浦郡などを支配していた北条為昌(ためまさ)の女婿として、同郡の支配を継承し三崎城主となる。その立場で梶原氏などの海賊衆を支配下に置き、江戸湾の海上防備にあたるとともに、里見氏などの房総方面の諸氏に対処した。1569年以降北条氏滅亡の1590年まで、伊豆国韮山城(にらやまじょう)に城将として断続的に在城し、対武田氏や豊臣氏の侵攻に対応した。また、天正年間中期には一時的に上野国(こうずけのくに)館林城(たてばやしじょう)の城代でもあった。外交的には少年期の関係で徳川氏や、また豊臣氏との折衝の任にあたった。北条氏滅亡後、河内国に所領を与えられ、嫡男氏盛が狭山藩(さやまはん)北条氏を継承している。没年は1600年(慶長5)で56歳であった。現在、印文「真実」の朱印状をはじめ書状、判物など80通ほどの発給文書を残している。
[有光友學]
『杉山博著「北条氏規の発給文書について」(東国戦国史研究会編『戦国史論集 関東中心』所収・1980・名著出版)』▽『黒田基樹著「北条氏規の三浦郡支配の成立」(『戦国大名北条氏の領国支配』所収・1995・岩田書院)』▽『黒田基樹著「北条氏規文書の考察」(『戦国大名領国の支配構造』所収・1997・岩田書院)』▽『黒田基樹著「北条氏の上野館林領支配」(『戦国期東国の大名と国衆』所収・2001・岩田書院)』
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