●半済【はんぜい】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
半済
はんぜい
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デジタル大辞泉
はん‐さい【半済】
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はん‐ぜい【半▽済】
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世界大百科事典 第2版
はんぜい【半済】
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はんさい【半済】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
半済
はんぜい
室町幕府が南北朝内乱に際して、特定の国に対し、守護を通じて荘園(しょうえん)年貢の半分を、その配下の武士の兵粮料(ひょうろうりょう)や恩賞として、1年に限って給与した制度。本来半済とは年貢などの半分を納済することをいい、いわば年貢などの減免・未進を意味するものである。早い例では1197年(建久8)香取(かとり)社遷宮作料を課せられた下総(しもうさ)国印東(いんとう)荘(千葉県印旛(いんば)郡)などで、その作料米を対捍(たいかん)して半済にしたという記録(『鎌倉遺文』960号)があり、13世紀以後各地の荘園でもその事例がある。制度的に一般化するのは、戦時に兵粮米を徴収する慣行と結び付いて行われた室町幕府の半済制度である。すなわち、南北朝内乱が始まると、各地の守護が戦費調達や恩賞給与のため、兵粮料所(りょうしょ)を濫設し、南朝側でも、朝用分(ちょうようぶん)と称して臨時の徴発を行った。これによって打撃を受けた荘園領主らは、幕府にその禁止を求めたが、幕府は引き続き軍費や恩賞地を求めざるをえず、窮地にたった。そこで1352年(正平7・文和1)幕府は半済法を公布し、当時戦略上の要地であった近江(おうみ)(滋賀県)、美濃(みの)(岐阜県)、尾張(おわり)(愛知県西半部)の3か国の本所領半分について、当年作に限り兵粮料所とし、これを守護を通じて国内の配下武士に給与した。翌年には施行範囲を8か国に拡大した。初め兵粮料所の濫設を制約するねらいをもったこの半済法も、内乱が長引くにつれて恩賞地化し、さらに1368年(正平23・応安1)の半済令にみられるように、下地を分割して荘園領主と給人武士が半分ずつ領有するに至った。その後応仁(おうにん)・文明(ぶんめい)の乱(1467~77)でも、東西両軍は広範に半済を実施したが、半済地の給与管理権を握る守護は、この制度をてことして恩賞地的給与を行い、荘園制を解体に導くとともに、大名領国体制を推進していったのである。
[島田次郎]
『宮川満著『荘園制の解体』(『岩波講座 日本歴史7』所収・1963・岩波書店)』▽『小川信著『南北朝内乱』(『岩波講座 日本歴史6 中世2』所収・1975・岩波書店)』
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精選版 日本国語大辞典
はん‐さい【半済】
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はん‐せい【半済】
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旺文社日本史事典 三訂版
半済
はんぜい
1352年,足利尊氏が近江・美濃・尾張3国の荘園半分を兵粮料所とし,1年の期間で武士に管理させたのが始まり。1年間だけ年貢の半分を武士に与え,半分を荘園領主・国主に納入するのを原則としたが実際は下地の分割が行われた。武士は半済を口実として荘園・国衙 (こくが) 領を侵略し守護大名の領国一円支配を進めた。
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