●原子価【げんしか】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
原子価
げんしか
valence
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デジタル大辞泉
げんし‐か【原子価】
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世界大百科事典 第2版
げんしか【原子価 valence】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
原子価
げんしか
valence
ある元素の原子がほかの元素の原子と結合する能力を表す数、すなわち原子量を当量で割った値である。基準には水素をとり、水素原子を1価とする。たとえば、塩化水素HClは塩素原子一つが水素原子一つと結合しているので、塩素原子の原子価は1価であり、水分子H2Oの結合からわかるように、酸素原子の原子価は2価である。同様に、窒素原子の原子価は、アンモニアNH3の結合からわかるように3価である。このようにみると、元素の周期表における族の数がそのまま原子価の値に対応するようにみえる。実際、第2周期の元素についてはおおむねこの考え方が対応する。
すべての元素は水素と直接結合するとは限らないので、そのような場合には、塩素の原子価を1価、酸素のそれを2価として、それらとの化合物の原子数の比を求め、その元素の原子価を算出する。
各元素の原子価には電気的な正負の区別をつけたほうが便利であり、元素の電気陰性度が正負の区別の目安となる。たとえば、水素原子の原子価を正の1価とすれば、酸素、塩素の原子価はそれぞれ負の2価、1価である。しかし、多くの元素は同時に正負の両原子価を示すことがある。たとえば、塩素の負原子価は塩化水素の結合から1価のみであるが、過塩素酸HClO4では塩素の原子価は正原子価7となる。このように、各元素の原子価はかならずしも一定の値をもたない。
硫黄(いおう)の場合も同様で、硫化水素H2Sから負原子価は2価であるが、正原子価は2価、4価、6価をとりうる。
原子価は原子の結合する能力であるが、原子が結合するその数のように考えてはならず、あくまでも単なる結合する割合である。しかし、炭素化合物(有機化学)を学習する際には原子価の概念がきわめて便利である。炭素の原子価を4、水素、酸素、窒素の原子価をそれぞれ1、2、3価とするとき、メタンはCH4であり、メタノール(メチルアルコールCH3OH)はメタンの水素の一つがヒドロキシ基-OHと置換したことが原子価の概念で容易に理解できるし、またメチルアミンCH3NH2はメチル基-CH3とアミノ基-NH2の結合からなることも官能基ごとの原子価を用いて容易に理解できる。
[下沢 隆]
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精選版 日本国語大辞典
げんし‐か【原子価】
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化学辞典 第2版
原子価
ゲンシカ
valence
分子のなかで,ある元素の原子が形成しうる結合の数を,その元素の原子価という.水素の原子価を一価と定める.水素と化合する元素の原子価の価数は,この原子と結合している水素原子の数と同じになる.水素と化合しない元素の原子価は,化合する相手元素の原子価から間接的に定められる.原子価は,その元素の原子量を化学当量で割った値に等しい.
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