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原子力基本法【げんしりょくきほんほう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

原子力基本法
げんしりょくきほんほう
昭和30年法律186号。日本の原子力研究開発,利用は平和目的のみにかぎられること,それも民主自主,公開の三つの原則に基づいて進められることを明記した法律。原子力規制委員会,原子力防災会議および原子力委員会,開発機関として日本原子力研究開発機構を設けることをはじめ,核燃料原子炉の管理,放射線による障害防止など原子力に関する基本を定めている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵

原子力基本法
日本の原子力政策基本方針を示した法律。原子力開発に取り組み始めた1955年に制定された。原子力の研究・開発・利用を推進することで将来にわたるエネルギー資源確保するとともに、学術進歩産業振興に寄与することが狙い。平和利用に徹することを明確にするため、「民主」「自主」「公開」の三原則を掲げた。「民主」は、政府が独占せず、国民意思に基づいて民主的に政策決定すること。「自主」は、外国から強制されたり、軍事技術が入り込む余地をつくらないよう自主的な運営をすること。「公開」は、成果を公開して疑惑を招くような秘密はつくらず、国際貢献を果たすこと。78年、原子力基本法などの一部改正法が施行され、旧原子力委員会の役割のうち安全規制にかかわる機能が分離独立し、総理府(現・内閣府)に新設された原子力安全委員会が担当することになった。
(渥美好司 朝日新聞記者 / 2008年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

原子力基本法
原子力基本法は日本の原子力開発利用の基本方針を定めるものとして、また原子力に関する諸施策の根拠法として扱われ、「原子力の憲法」という見方をされてきた。この原子力基本法が、2012年6月27日に公布された「原子力規制委員会設置法」の附則によって、部分的に改正される。このうち、原子力の安全の確保について「我が国の安全保障に資することを目的」とする項が追加され、様々な臆測と論議を呼んだ。湯川秀樹らが創設した「世界平和アピール七人委員会」は「実質的な軍事利用に道を開く可能性を否定できない」「国益を損ない、禍根を残す」と改正案の撤回を求め、報道各社も様々な角度から疑義を呈している。
原子力基本法は、原子力の研究、開発と利用について定めるものとして、1955年12月に制定。原子力の研究、開発及び利用を推進することによって、将来におけるエネルギー資源を確保し、学術の進歩と産業の振興とを図り、もって人類社会の福祉と国民生活の水準向上とに寄与することが目的。根幹には54年に日本学術会議が掲げた原子力平和利用三原則である「公開・民主・自主」を取り入れている。原子力基本法に基づいて、原子力利用の目的や基本方針のほか、原子力委員会及び原子力安全委員会、原子力の開発機関、原子力に関する鉱物の開発取得、核燃料物質の管理、原子炉の管理、放射線による障害の防止、補償などの事柄が根拠付けられる。2011年の福島第一原子力発電所事故を巡り、原子力における縦割り行政を排するものとして、経済産業省の原子力安全・保安院や内閣府の原子力安全委員会などの統合・改編が課題となった。政府・民主党は、環境省の外局として「原子力規制庁」を新設することを提唱。野党自民党、公明党は、対案として「原子力規制委員会」の設置を求めた。12年6月の3党協議を経て、「原子力規制委員会設置法」が国会で可決。この結果、後者の案に沿って、内閣から一定の独立性をもつ行政委員会として「原子力規制委員会」の発足が決まり、その事務局である「原子力規制庁」が設置される。これに伴う諸法の改正で、新設される「原子力規制委員会」などの語句について原子力基本法を改めるばかりでなく、原子力の基本方針である平和利用を謳う条文に、原子力の安全の確保について「安全保障に資することを目的」とするなどの文言が追加された。福島第一原子力発電所の極めて重大な事故にかこつけて、意図的な条文を盛り込むことへの懸念や、3党だけの修正協議だけで国会審議も尽くさず短時間で一気に成立させるという過程などへの批判が相次いでいる。
(金谷俊秀  ライター / 2012年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

げんしりょく‐きほんほう〔‐キホンハフ〕【原子力基本法】
日本の原子力平和利用に関する基本方針を定めた法律。昭和31年(1956)施行。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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世界大百科事典 第2版

げんしりょくきほんほう【原子力基本法】
日本の原子力の研究,開発,利用の基本方針を宣明した法律。1955年12月公布。第2条に基本方針が次のとおり規定されている。〈原子力の研究,開発及び利用は,平和の目的に限り,安全の確保をとして,民主的な運営の下に,自主的にこれを行うものとし,その成果を公開し,進んで国際協力に資するものとする〉。いわゆる原子力三原則を明記したもので,これは諸外国の原子力法には見られぬ大きな特徴である。以下,原子力研究・開発・利用に関する行政の民主的な運営を図るため総理府に原子力委員会および原子力安全委員会を設置すること,原子力開発機関として,政府の監督の下に,日本原子力研究所および動力炉・核燃料開発事業団を置くこと,さらに,核燃料物質および原子炉の管理,放射線による障害の防止措置などについての大綱が定められている。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

原子力基本法
げんしりょくきほんほう

原子力の研究、開発、利用を推進することによって、将来におけるエネルギー資源を確保し、学術の進歩と産業の振興を図り、もって人類社会の福祉と国民生活の水準向上とに寄与することを目的とした法律。1955年公布された(昭和30年法律第186号)。「基本方針」として、「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする」と規定し、いわゆる「原子力三原則」(民主、自主、公開)を明確にし、世界唯一の原爆被害国として、原子力を核兵器などの軍事目的に利用することを禁止した。原子力基本法では、原子力・核燃料物質・核原料物質・原子炉・放射線等の用語の定義、原子力委員会及び原子力規制委員会、原子力の開発機関、原子力に関する鉱物の開発取得、核燃料物質の管理、原子炉の建設等の規制、特許発明等に対する措置、放射線による障害の防止、損失補償についての基本的な事項などを定めている。

[宮田三郎]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

げんしりょく‐きほんほう ‥キホンハフ【原子力基本法】
〘名〙 わが国の原子力の研究、開発、利用の基本方針を示す法律。昭和三〇年(一九五五)制定。公開、民主、自主のいわゆる原子力三原則を定めるとともに、原子力委員会、原子力の開発機関、原子力に関する鉱物の開発取得、核燃料物質の管理、原子炉の管理、放射線による障害の防止・補償などを規定する。

出典:精選版 日本国語大辞典
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