●厭世観【えんせいかん】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
厭世観
えんせいかん
pessimism
厭世主義,ペシミズムともいう。ラテン語の pessimus (最悪の意) に由来する。人生あるいは社会は善よりも悪が多く,不幸に満ちているとする態度,世界観をいい,楽天主義 optimismに対するもの。古代ではヘラクレイトス,ソフィスト,ディオゲネスなどにその萌芽がみられる。近代ではショーペンハウアーの思想がその典型。現代では実存哲学の一傾向にも,変形された厭世主義が指摘できる。
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デジタル大辞泉
えんせい‐かん〔‐クワン〕【×厭世観】
1 この世の中では幸福や満足を得られず、積極的な価値は認めがたいとする人生観。また、そのような人生観に基づく哲学上の立場。厭世主義。ペシミズム。⇔楽天観。
2 物事の成り行きを悪い方向にばかり考えやすい傾向。悲観主義。
2 物事の成り行きを悪い方向にばかり考えやすい傾向。悲観主義。
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精選版 日本国語大辞典
えんせい‐かん ‥クヮン【厭世観】
〘名〙 (pessimism の訳語)
① この世界は悪と苦痛とが優勢を占めているとして、結局、人生は生きるに値しないものだという絶望的な考え方。また、そのような人生観に基づく哲学上の立場。厭世主義。ペシミズム。⇔楽天観。
※社会百面相(1902)〈内田魯庵〉新詩人「詩人や哲学者の厭世観は勿論空言である」
② 物事の悪い方面ばかりを見、また、物事を悪い方向へばかり考えようとする精神の傾向。悲観主義。⇔楽天観。
[語誌]「哲学字彙(初版)」(一八八一)では「厭世教」と訳しており、「厭世観」が定着したのは明治三〇年(一八九七)前後か。
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