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反粒子【はんりゅうし】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

反粒子
はんりゅうし
antiparticle
ある素粒子と同じ質量スピン寿命をもち,加法的内部量子数符号が逆である粒子をその素粒子の反粒子という。ただし加法的内部量子数とは,電荷バリオン数,レプトン数,ストレンジネスアイソスピンの第三成分,チャームなどをさす。たとえば,電子,陽子,K+ 中間子,D+ 粒子の反粒子はそれぞれ,陽電子,反陽子,K- 中間子,D- 粒子である。光子,π0 中間子,ψ 粒子のようにそれ自身が反粒子に等しい素粒子は加法的内部量子数をもたない。反粒子の存在は,ディラック方程式の負エネルギー解の困難を除くため提案された空孔理論によって予言された。空孔理論では,真空はすべての負エネルギー準位が電子によって満たされている状態で,負エネルギー準位の電子が正エネルギーに遷移したあとに真空にできた空孔が電子の反粒子すなわち陽電子と解釈された。場の量子論では負エネルギー状態を問題にすることなく反粒子の存在を論じることができる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵

反粒子
ある粒子に対して、質量や寿命は同じだが、電など、内なる性質(内部量子数)の正負が逆の粒子をいう。電子に対する陽電子、陽子に対する反陽子、中性子に対する反中性子などがある。光から粒子と反粒子の対が生まれたり(対生成)、粒子と反粒子が合体して光になったり(対消滅)する。粒子と反粒子が同等かどうかはCP対称性の破れにつながる。
(尾関章 朝日新聞記者 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

はん‐りゅうし〔‐リフシ〕【反粒子】
ある素粒子と、質量などの物理量が同じで、電荷磁気モーメントの符号が逆の素粒子。陽電子反陽子反中性子など。

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

はんりゅうし【反粒子 antiparticle】
すべての粒子に対しその反粒子が存在する。電子の反粒子は陽電子であり,陽電子の反粒子が電子である。陽子の反粒子は反陽子であり,正電荷のπ中間子と負電荷のπとは互いに反粒子である。中性粒子の中には反粒子が自分自身であるものがあり,光子やπ0中間子はその例である。しかし中性K0中間子とその反粒子0は別のものである。クォークに対しても反クォークが存在する。 粒子と反粒子とは,質量,スピン,アイソスピン,寿命などの性質はまったく同じであり,電荷,粒子数(質量数),ストレンジネスなどの加算的量子数は,大きさが等しく逆符号である。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

はんりゅうし【反粒子】
ある素粒子に対して、質量・スピン・寿命は同じで、電荷や磁気モーメントの符号だけが逆である粒子。光子や中性のパイ中間子のように自身に等しい場合を含めて、すべての素粒子は反粒子をもつ。電子に対する陽電子、陽子に対する反陽子など。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

反粒子
はんりゅうし
antiparticle
相対性理論の要請に従う量子論(場の量子論)においては、素粒子には質量が等しく、電荷などの素粒子を特徴づけている量子数が異符号である粒子の存在が予言される。これを反粒子という。たとえば電子に対し陽電子が、陽子に対し反陽子がこれにあたる。また電荷などの量子数がゼロの粒子は、それ自身が反粒子であってもよい。光子がこの例である。
 相対性理論によれば、エネルギーE、運動量P、質量mの粒子にはE2c2P2m2c4の関係がある。ここでcは光速を表す。量子論によれば粒子は波動でもある。相対論的波動方程式を解くと、E=(c2P2m2c4)1/2の解と同時に E=-(c2P2m2c4)1/2の解が存在する。負エネルギーの解が存在すると、エネルギーを放出していくらでも低いエネルギーの状態に粒子は遷移していけるので、安定な物質世界が得られない。場の量子論においては、正エネルギーの解は粒子をつくる演算子、負エネルギーの解は反粒子を消す演算子と再解釈して矛盾のない理論を建設する。これからもわかるように、粒子をつくることと反粒子を消すことが同じ量子数の変化を与えるので、粒子と反粒子はまったく逆の量子数をもつことになる。したがって真空にエネルギーを集中すれば粒子・反粒子が対(つい)生成し、また逆に粒子と反粒子はエネルギーのみを残して対消滅できる。場の量子論の要請によれば、粒子・反粒子の質量は等しく、不安定な粒子であればその寿命も等しい。[益川敏英]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

はん‐りゅうし ‥リフシ【反粒子】
〘名〙 質量などの物理量は等しいが、電荷や磁気モーメントなどの符号が反対で、普通の素粒子と対をなす粒子。光子と中性π(パイ)中間子以外のすべての粒子に存在すると考えられている。粒子と衝突すると、両質量は瞬時に消滅してエネルギーに転化する。〔世界を変える現代物理(1963)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

反粒子
ハンリュウシ
antiparticle

電荷と内部量子数(レプトン数,バリオン数,ストレンジネス,チャームなど),磁気モーメント(をもつ粒子の場合)が通常の粒子と反対符号の素粒子(たとえば反クオーク,陽電子,反ニュートリノ)と,それらからなる粒子(たとえば反陽子,反中性子)など.質量,電荷量はまったく同一である.一般に,反ニュートリノのようにそれぞれの粒子の記号にバーを付けて表す.ただし,陽電子は普通,e と表す.反粒子の存在はP.A.M. Dirac(ケンブリッジ大学)の相対論的量子論(1928年)によって予言されていた.粒子と反粒子が接触すれば対消滅して,質量mとエネルギーEは等価

(Emc 2cは光速)
であるから,mに相当するエネルギーの光子が2個放出される.逆に粒子-反粒子対分の質量にあたるエネルギーを供給すれば,対生成が起こる.β 崩壊は

np + e

で,放出されるニュートリノは反ニュートリノである.バリオンの陽子,中性子は保存されているが,e のレプトン数は1なので,放出されるニュートリノはレプトン数-1の反ニュートリノでなければならない.β 崩壊では,逆に陽電子のレプトン数が-1であるから,+1のニュートリノが放出される.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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