●反粒子【はんりゅうし】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
反粒子
はんりゅうし
antiparticle
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知恵蔵
反粒子
(尾関章 朝日新聞記者 / 2007年)
出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
デジタル大辞泉
はん‐りゅうし〔‐リフシ〕【反粒子】
出典:小学館
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世界大百科事典 第2版
はんりゅうし【反粒子 antiparticle】

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日本大百科全書(ニッポニカ)
反粒子
はんりゅうし
antiparticle
相対性理論の要請に従う量子論(場の量子論)においては、素粒子には質量が等しく、電荷などの素粒子を特徴づけている量子数が異符号である粒子の存在が予言される。これを反粒子という。たとえば電子に対し陽電子が、陽子に対し反陽子がこれにあたる。また電荷などの量子数がゼロの粒子は、それ自身が反粒子であってもよい。光子がこの例である。
相対性理論によれば、エネルギーE、運動量P、質量mの粒子にはE2-c2P2=m2c4の関係がある。ここでcは光速を表す。量子論によれば粒子は波動でもある。相対論的波動方程式を解くと、E=(c2P2+m2c4)1/2の解と同時に E=-(c2P2+m2c4)1/2の解が存在する。負エネルギーの解が存在すると、エネルギーを放出していくらでも低いエネルギーの状態に粒子は遷移していけるので、安定な物質世界が得られない。場の量子論においては、正エネルギーの解は粒子をつくる演算子、負エネルギーの解は反粒子を消す演算子と再解釈して矛盾のない理論を建設する。これからもわかるように、粒子をつくることと反粒子を消すことが同じ量子数の変化を与えるので、粒子と反粒子はまったく逆の量子数をもつことになる。したがって真空にエネルギーを集中すれば粒子・反粒子が対(つい)生成し、また逆に粒子と反粒子はエネルギーのみを残して対消滅できる。場の量子論の要請によれば、粒子・反粒子の質量は等しく、不安定な粒子であればその寿命も等しい。
[益川敏英]
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精選版 日本国語大辞典
はん‐りゅうし ‥リフシ【反粒子】
出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版
反粒子
ハンリュウシ
antiparticle
電荷と内部量子数(レプトン数,バリオン数,ストレンジネス,チャームなど),磁気モーメント(をもつ粒子の場合)が通常の粒子と反対符号の素粒子(たとえば反クオーク,陽電子,反ニュートリノ)と,それらからなる粒子(たとえば反陽子,反中性子)など.質量,電荷量はまったく同一である.一般に,反ニュートリノのようにそれぞれの粒子の記号にバーを付けて表す.ただし,陽電子は普通,e+ と表す.反粒子の存在はP.A.M. Dirac(ケンブリッジ大学)の相対論的量子論(1928年)によって予言されていた.粒子と反粒子が接触すれば対消滅して,質量mとエネルギーEは等価
(E = mc 2,cは光速)
であるから,mに相当するエネルギーの光子が2個放出される.逆に粒子-反粒子対分の質量にあたるエネルギーを供給すれば,対生成が起こる.β- 崩壊は
n → p + e- +
で,放出されるニュートリノは反ニュートリノである.バリオンの陽子,中性子は保存されているが,e- のレプトン数は1なので,放出されるニュートリノはレプトン数-1の反ニュートリノでなければならない.β+ 崩壊では,逆に陽電子のレプトン数が-1であるから,+1のニュートリノが放出される.
出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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