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反転【はんてん】

デジタル大辞泉

はん‐てん【反転】
[名](スル)
ころぶこと。ひっくり返ること。また、ころがすこと。ひっくり返すこと。「マットの上でからだを反転する」「明暗が反転する」
位置・方向・順序などが反対になること。また、反対にすること。「台風が進路を反転する」
写真で、陰画を陽画に、また陽画を陰画にすること。「ポジをネガに反転する」
数学で、平面上に中心O、半径rの円があるとき、O以外の任意の点Pをとり、半直線OP上にあってOP・OQ=r2 となるような点QをPに対応させること。→鏡像2

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

はんてん【反転 inversion】
平面上にOを中心としrを半径とする円があるとき,この平面上のO以外の各点Pに対し,半直線OP上に点P′をOP・OP′=r2であるようにとって,PをP′にうつす対応を反転という(図)。このときOを反転の中心,rを反転の半径という。上では中心Oのは定義されていないが,PがOに近づくときP′はどんどん遠くへいくので,平面に一つの無限遠点をつけ加えて,Oは反転により無限遠点にうつるとすれば,反転は一つの無限遠点をつけ加えた平面からそれ自身の上への1対1対応となる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

くるべき【反転】
枠に糸を掛け、回転させて繰る道具。 我妹子わぎもこに恋ひて乱れば-に掛けて搓せむと我が恋ひそめし/万葉集 642

出典:三省堂
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はんてん【反転】
スル
ころがること。ひっくりかえること。 マットの上で-する
位置・動きの方向などが反対になること。また、反対にすること。 機首を-する
写真で、陰画を陽画に、またその逆にすること。

出典:三省堂
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

反転
はんてん
(1) reversal 輝線スペクトルが低温気体の存在によってスペクトル線の中心部で吸収を受け,暗くなること。反彩ともいう。ナトリウムD線による炎色反応スペクトルは反転することが多い。太陽スペクトルにおけるフラウンホーファー線もこの例である。 (2) reversal 写真の陽画を陰画に,また陰画を陽画に変えること。 (3) inversion ベクトル空間の元 (ベクトル) の成分の正負の符号をすべてにする変換。座標変換の場合は,座標成分の符号がすべて逆になる。座標軸を固定して考える場合は,原点に関して点対称な変換に相当する。物理学では,空間座標 xyz を -x,-y,-z に変え,時間座標 t を変えない変換を空間反転,時間座標だけ符号を変える変換を時間反転という。 (4) inversion ある立体配置が,それに対応する逆の立体配置に変化すること。 (→ワルデン反転 ) (5) inversion 半径 a の円の中心から r の距離にある点を,同じ半径上で rr'=a2 を満たす距離 r' に移すこと。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)

反転
はんてん
inversion
数学用語、物理学用語、化学用語の三義がある。[立花俊一]

数学

平面上で一つの円を考え、中心をO、半径をkとする。この円Oに関する反転とは、平面上の点Pに対して半直線OP上でOP・OP′=k2となる点P′を対応させる対応をいう。円Oを反転円、Oを反転の中心、P′をPの反点という。また、Pが動いて一つの図形Fを描くとき、P′の描く図形F′をFの反形という。反転によって反転円の周上の各点は動かない。また反転円の内部と外部は入れ換わる。反転によって、点Oを通らない円はOを通らない円に、Oを通る円はOを通らない直線に、Oを通る直線は自分自身に移る。直線を半径無限大の円と考えれば、反転は円円対応ということができる。さらに、反転は共形対応(等角写像)であり、かつ円周上の4点の非調和比を不変にする(図A)。空間で考える場合は反転円のかわりに反転球を用いる。[立花俊一]

物理学

対象Aのあらゆる点につき、それぞれの位置ベクトルri=(xi,yi,zi)を-ri=(-xi,-yi,-zi)に移してA′とする変換を能動的空間反転という(図B)。Aの各点の速度ViもA′に移ると符号を変えるが、角運動量miri×Viや角速度ωiは変わらない。空間反転で符号が変わるベクトルを単にベクトル(あるいは極性ベクトル)といい、符号が変わらない量を擬ベクトル(あるいは軸性ベクトル)とよぶ。能動的変換に対して、直角座標軸の向きを三軸とも逆転させる数式表現上の変換を受動的空間反転という。これに対してもベクトルの極性と軸性の区別は引き継がれる。時間についても、物理現象Aを映画にとり、それを逆回しに映写して得る新しい物理現象A′に移ることを能動的時間反転という。これに対して数式表現上で時間軸の向きを過去に向け変える変換を受動的時間反転という。空間反転と時間反転をともに行うことを時空の反転とよぶ。物理学の基本法則を表す数式は小さい補正項を除いて受動的空間反転、時間反転で形が変わらず、したがって、現象Aがおこれば、それに能動的空間反転、時間反転を施して得る現象も物理法則を満たし、原理的には実現可能である。しかし、それが人間の手で実際に可能かどうかは別の問題である。[江沢 洋]

化学

化学では、とくに有機立体化学の分野でよく使われ、(1)炭素原子Cの周りの立体配置が逆になる反転(インバージョンinversion)と、(2)シクロヘキサン環などの環反転(リングリバーサルring reversal)の2種類がある。
(1)炭素原子の立体配置の反転 脂肪族化合物の置換反応(SN2反応)では、図Cにみるように、外部から試薬B(求核試薬)が中心原子Cを攻撃してきて、化合物()の置換基Aと置き換わって化合物()を生成する経路で進行する。この際に、反応中心のC原子の周りの置換基(図Cのa、b、c)の配置に反転がおこることがある。この反転は、初めに試薬Bが中心炭素原子Cに接近してB…C結合が生成して5配位炭素遷移状態()になり、次にC…A結合が切れて、Bが接近してきたのと逆の方向にAが去っていくときに、他の置換基a、b、cは向きを変えないでとどまるので、結果として炭素原子Cの周りの立体配置は反転することになる。この反転はワルデン反転とよばれている。
 これに似た反転が常温において容易におこる場合がある。たとえば、図Dのアンモニア、アミン類の窒素の周りでは炭素の場合と同じような立体配置の反転がおこる。しかし、この反転では結合の切断はなく非共有電子対(図Dの「:」)の向きが変わるだけなので、常温で速やかに反転をおこしている。
 糖類などの不斉(ふせい)炭素原子を多数もつ化合物で、一つの不斉炭素原子だけの立体配置を反転させる反応をエピマー化(エピ化)という。
(2)シクロヘキサン環の反転 ある種の立体配座の変化を「反転」とよぶことがある。もっともよく知られている例は、シクロヘキサン環の反転で、図Eの一方のいす形()と他のいす形()との間で反転運動をしていることが知られている。この反転は、環を形成しているC-C結合の周りの回転によりおこり、環を構成するC-C結合の切断を必要としないので、常温で速やかにおこっている。この反転により環についている水素(H)や置換基(X)の向きが変わる。
 シクロヘキサン環のような飽和非平面構造の環炭素原子は、環の平面方向に伸びているエクアトリアル結合(赤道結合)と垂直方向に伸びているアキシアル結合(軸結合、極結合)をもっている。図Eの()ではC-X結合はエクアトリアル、()ではC-X結合はアキシアルである。シクロヘキサン環が()から()に反転すると、C-X結合はエクアトリアからアキシアルに、C-H結合はアキシアルからエクアトリアルに変わっている。
 図E)の下段はD-グルコースの構造式である。糖類の基本骨格であるピラノース環はシクロヘキサン環の一つの炭素原子を酸素に置き換えたピラノース環構造をもっている。ここでも環の反転がおこっていて、置換基の向きが生物活性などの性質に大きな影響を及ぼす例が知られている。[廣田 穰]
『坪井忠二他著『右と左――対称と非対称の世界』(1981・サイエンス社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

はん‐てん【反転】
〘名〙
① (形動タリ) ころがること。まろぶこと。また、ころがすこと。ころがすようにすること。また、そのさま。
※随筆・胆大小心録(1808)八八「杜子美が百舌の詩にいひしは、またくここのうぐいす也。声反転として曲多しとか云し」
② ひっくりかえること。また、ひっくりかえすこと。
※読本・忠臣水滸伝(1799‐1801)後「此酒を飲けるに、忽渾身麻木(しびれ)てのけさまに倒れ、翻顛(ハンテン)して凳(しゃうぎ)の下におちたり」
③ 物の位置・方向・順序等を反対にすること。また、反対になること。
※足利本論語抄(16C)八佾第三「先進は質朴の方ぞ。さあれば此句と反転するほどに従がふと読ぞ」
④ 数学で、中心がO、半径がrの円でO以外の任意の点をPとするとき、OPを結ぶ直線上に OP・OQ=r2 となるような点Qをとること。〔数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書(1889)〕
⑤ 写真で、陽画を陰画に、またはその逆にすること。
⑥ 高等飛行の一種。飛行機を迅速に半回転させ、さらに反回転させて反対の方向に飛行すること。

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

反転
ハンテン
inversion

原点Oに対して,ある図形A内のすべての点(xyz)を点(-x,-y,-z)に移して図形A′をつくる操作.その原点を反転中心,対称心または対称中心という.2回の反転によって図形が完全にもとの図形と重なるとき,その図形は対称心をもつという.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)

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