●取締役【とりしまりやく】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
取締役
とりしまりやく
director
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デジタル大辞泉
とりしまり‐やく【取締役】
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株式公開用語辞典
取締役
世界大百科事典 第2版
とりしまりやく【取締役】
[株式会社の取締役]
株式会社においては,業務執行機関が取締役会という合議体になっているため,その構成員である取締役は3名以上必要である(商法255条)。
出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)
取締役
とりしまりやく
会社法では、株式会社形態を採用する会社の実情を踏まえ、また、従来の有限会社規律との一本化を図るために、すべての株式会社に株主総会と1人以上の取締役という最低限の機関設計を義務づけ(会社法295条、326条1項)、公開会社、監査役会設置会社、委員会設置会社を除いて、取締役会の設置を任意とした(同法326条2項、327条1項)。したがって、取締役の地位と権限は、機関設計によって異なる。取締役会非設置会社の取締役は、各取締役自体が会社の業務執行権と代表権を有する会社の機関である。取締役会設置会社の取締役は、取締役会を構成する一員であって、各取締役自体はただちに会社の機関となるわけではない。取締役会非設置会社では、原則的に各取締役が会社の業務執行を行い(同法348条)、単独で会社を代表する(同法349条1項本文・2項)。委員会設置会社以外の取締役会設置会社では、取締役全員で取締役会を構成し、取締役会が会社の業務執行を決定する(同法362条2項1号)。取締役会では代表取締役を選定し(同法362条2項・3項)、代表取締役が会社の業務執行を行い(同法363条1項)、会社を代表する。委員会設置会社では、原則的に取締役会の権限は会社の基本的事項の決定と業務執行の監督(同法416条)が中心となり、業務執行を行うのは執行役である(同法418条)。
[戸田修三・福原紀彦]
選任・終任
取締役は株主総会の普通決議によって選任する(会社法329条1項)。2人以上の取締役を選任する際には、定款で排除されない限り、株主は累積投票によって取締役を選任するように請求できる(同法342条)。なお、累積投票について説明しておく。通常は取締役を複数選任する際には1人ずつ決議がなされるが、累積投票制度を導入すると、1議決権につき取締役を選任する人数分だけ票を与え、いちどきに取締役全員に対して選任決議が行われる。このようにすると、少数派株主の候補者であっても、取締役として選任される可能性が高くなる。通常の株主総会決議は、定款によって定足数を排除しているのであるが(同法309条1項)、取締役の地位の重要性にかんがみ、あまりにも少数の人間によって選任される危険を排除するため、議決権の3分の1以上までは定足数を必要とするものとした(同法341条)。取締役と会社とは委任関係である(同法330条)ため、通常の委任関係の終了事由によって終任する。他方、会社はなんどきでも、事由のいかんを問わず、株主総会普通決議によって取締役を解任することができる(同法339条、347条、341条)。ただし、累積投票によって選任された取締役の解任には特別決議が必要である(同法309条2項7号)。定足数の加重については選任決議と同様である(同法341条)。
[戸田修三・福原紀彦]
資格
公開会社では定款によっても取締役の資格を株主に限定することができない(会社法331条2項本文)。取締役の人材を幅広く集めるためである。ただし、非公開会社では定款で取締役の資格を株主に限定することが認められている(同法331条2項但書)。閉鎖性を確保するためである。また、会社法は取締役の欠格事由を定めており(同法331条1項)、法人・成年被後見人・被保佐人・一定の犯罪者は取締役とはなれない。
[戸田修三・福原紀彦]
員数
取締役会非設置会社では取締役は1人で足りるが(会社法326条1項)、取締役会設置会社では取締役は3人以上でなければならない(同法331条4項)。
[戸田修三・福原紀彦]
任期
取締役の任期は原則として選任後2年である(会社法332条1項)。非公開会社(委員会設置会社を除く)では定款によって、任期を選任後10年に伸張することができる(同法332条2項)。委員会設置会社の取締役の任期は、選任後1年である(同法332条3項)。会計監査人設置会社および監査役会設置会社で、剰余金配当等の権限を取締役会に与えた場合も、取締役の任期は選任後1年である(同法459条1項)。
[戸田修三・福原紀彦]
義務
会社と取締役の間は委任関係である(会社法330条)ので、取締役は職務を行うにあたり、会社に対して善良な管理者の注意を遂行する義務を負う(民法644条)。それとともに、会社のために忠実にその職務を遂行する義務(忠実義務)を負う(会社法355条)。一般に両者は同一の義務であると解されている。このような一般的義務を受け、会社法では具体的に、競業取引、利益相反取引における義務が規定されている(同法356条、365条1項)。
[戸田修三・福原紀彦]
責任
会社法では会社に対する責任(会社法423条1項)と第三者に対する責任(同法429条)とが規定されている。
[戸田修三・福原紀彦]
取締役会
取締役の全員で構成される合議制の会議体であり、業務執行につき会社の意思を決定するとともに、取締役の職務の執行を監督する機関である(会社法362条1項・2項)。公開会社、監査役会設置会社、委員会設置会社では取締役会の設置が義務づけられる(同法327条1項)。取締役会は、会社法または定款により株主総会の決議事項とされた事項を除き、会社の業務執行すべてにつき決定する権限を有し、代表取締役の選定・解職(同法362条2項3号)など法の各所に取締役会の権限と明示された事項のほか、重要な財産の処分または譲受け、多額の借財、支配人その他の重要な使用人の選解任、支店その他重要な組織の設置・変更・廃止、社債の募集、内部統制システム(取締役の職務の執行が法令および定款に適合すること、その他会社の業務の適正を確保するための体制)整備に関する決定、取締役等の責任の一部免除など、重要な決定を行い、これらは取締役にゆだねることができない(同法362条4項)。
[戸田修三・福原紀彦]
『あずさ監査法人著『新会社法による取締役・執行役・監査役実務のすべて』(2006・清文社)』▽『経営法友会会社法問題研究会編『会社法対応 取締役ガイドブック』全訂版(2006・商事法務)』
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精選版 日本国語大辞典
とりしまり‐やく【取締役】
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