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可鍛鋳鉄【かたんちゅうてつ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

可鍛鋳鉄
かたんちゅうてつ
malleable cast iron
マリアブル鋳物ともいう。白鋳鉄に特殊な処理を施して可鍛性をもたせたもので,2種ある。 (1) 白心可鍛鋳鉄 白鋳酸化鉄粉,ミルスケール (熱間圧延時にできる鋼材表面酸化物) で包んで鉄箱に詰め,炉中で 900~1000℃にゆっくり加熱し,数日そのままおいたあと炉中で徐冷する。その間に鋳鉄内部は脱炭され,フェライトまたはパーライト地になって可鍛性となる。中心部にセメンタイトが白く残るので白心といわれる。薄肉の小物の処理に適し,自転車や紡織機の部品に使われる。 (2) 黒心可鍛鋳鉄 白鋳鉄を 850~950℃で 40時間保持後,さらに 680~720℃で数十時間保つ。この処理で鋳鉄内の炭化物は黒鉛粒となって結晶粒間に分散析出し,地のフェライトが増して可鍛性が得られる。後段の加熱保持時間が短いとパーライトが十分分解せずに残って,少し硬く強いパーライト可鍛鋳鉄になるので,目的により保持時間を調整する。析出する黒鉛 (焼戻し黒鉛という) のため断面が黒く見えるので黒心の名がある。パイプ継手,自動車のフレーム,歯車,建築金物,家庭用品,工具などに用途が広い。可鍛鋳鉄の引張り強さは,普通品では白心も黒心もほぼ同じで 30~40 kg/mm2 程度であるが,黒心パーライト鋳鉄では 40~60 kg/mm2 である。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

かたん‐ちゅうてつ〔‐チウテツ〕【可鍛鋳鉄】
白鋳鉄を加熱処理して、炭素を除いたりセメンタイト黒鉛化させたりし、可鍛性をもつようにした鋳鉄

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

かたんちゅうてつ【可鍛鋳鉄】

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

かたんちゅうてつ【可鍛鋳鉄】
白銑鋳物として鋳造したのち、熱処理により含有炭素を脱炭または黒鉛化した鋳鉄。白心・パーライト・黒心の三種類がある。肉薄で強い鋳物ができるため、各種車両部品・電送部品などに利用される。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

可鍛鋳鉄
かたんちゅうてつ
malleable cast iron
鋳鉄の一種で、とくに粘さを大きくしたもの。鋳鉄鋳物は薄片状の黒鉛結晶を10%程度含むので、もろいという欠点がある。そこで、鋳鉄が凝固するときに、黒鉛結晶のかわりにセメンタイト結晶(鉄と炭素との化合物)を生ずるように鋳鉄の化学組成を調節し、いわゆる白鋳鉄鋳物をつくる。その後これを酸化性雰囲気で数日間900℃前後で加熱して炭素を除いたり、あるいは非酸化性雰囲気で950℃前後で数日間加熱後750℃前後でとくに徐冷することによってセメンタイト結晶を鉄と黒鉛結晶に分解し、このときの黒鉛は塊状の形態をとるので鋳鉄はもろくならないのを利用して延性のある鋳物をつくりうる。その破面の色により、炭素を除いてつくったものを白心可鍛鋳鉄、炭素を塊状黒鉛にしてつくったものを黒心可鍛鋳鉄という。また後者を750℃付近の徐冷を加えずに空冷すると高強度のパーライト可鍛鋳鉄が得られる。[井川克也]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

かたん‐ちゅうてつ ‥チウテツ【可鍛鋳鉄】
〘名〙 熱処理などによって可鍛性を与えた鋳鉄。鋳鉄中の炭素分を高温で酸化除去した白心可鍛鋳鉄と、炭素分を高温で黒鉛化した黒心可鍛鋳鉄とがある。ふつうの鋳鉄より粘り強く衝撃に耐えるので、自動車部品、鉄管継手などに広く用いられる。マリアブル。

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

可鍛鋳鉄
カタンチュウテツ
malleable cast iron

鋳鉄の一種.鋳造によってまず白鋳鉄の組織としたのち,可鍛化焼なましをほどこし,普通鋳鉄に比べて強度と靭性を大きく改善したもの.
(1)黒心可鍛鋳鉄,
(2)白心可鍛鋳鉄,
(3)パーライト可鍛鋳鉄,
(4)合金可鍛鋳鉄,
の4種類に大別される.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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