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吉祥天(きちじょうてん)【きちじょうてん】

日本大百科全書(ニッポニカ)

吉祥天(きちじょうてん)
きちじょうてん

仏教の福徳の女神。「きっしょうてん」とも読む。サンスクリット語シュリーマハーデービーŚrīmahādevīの訳。功徳天(くどくてん)ともいう。ヒンドゥー教のラクシュミーLaksmī(別名シュリーŚrī。吉祥の意)が仏教に取り入れられたもので、ヒンドゥー神話においてはビシュヌ神の妃(きさき)であり、「大海から生まれたもの」の異名をもち、愛欲神カーマの母である。キューピッドを息子にもつ美の女神ビーナスに似る点で、ギリシア・ローマ神話との交渉が考えられる。仏教ではバールフトやサーンチーにその美術的表現が現れる。女神は蓮華(れんげ)の上にいて、片手に何物かを持ち、左右のゾウ(象)の降り注ぐ水を頭に受けている。このモチーフは、諸神の乳海攪拌(かくはん)によって彼女が出現したとき、天のゾウが浄水を金瓶(きんびょう)にくんで彼女に浴びせたというヒンドゥー神話に対応する。仏教では毘沙門天(びしゃもんてん)の妃とされる。日本では古代に、彼女を本尊として福徳を祈願する吉祥天女法(てんにょほう)(吉祥悔過(けか)法)が大極殿(だいごくでん)や国分寺で行われたが、後世には、彼女への信仰は庶民的な福徳の神、弁才天の人気の陰に隠れたようである。薬師寺の画像や浄瑠璃寺(じょうるりじ)の彫像が有名で、左手に如意宝珠(にょいほうじゅ)をのせている。

[定方 晟]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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