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同位体効果【どういたいこうか】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

同位体効果
どういたいこうか
isotope effect
同位体 (アイソトープ ) の質量の違いによって生じる物理的,化学的効果。同位体の質量比が問題になるため,この効果は原子番号の小さい元素ほど著しく,水素において最大である。分子の化学的組成は変らないが,そのなかのいくつかの原子を同位体で置き換えると,気体の拡散,発光スペクトルの振動数や強度,超伝導への転移温度,化学反応速度など物理的,化学的性質が少し変化する。この効果は,物理・化学現象の機構の研究や同位体の分離などに利用される。最初の原子爆弾の製造では,天然ウランから主成分のウラン 238と微量成分のウラン 235を分離するのに,気体である六フッ化ウランの拡散速度が,含まれるウラン同位体によってわずかに違うことを利用した拡散法 (ガス拡散法 ) が用いられた。しかし,ウラン 238とウラン 235の質量比は小さいので,膨大な拡散装置が必要であった。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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法則の辞典

同位体効果【isotope effect】
アイソトープ効果」のページをご覧ください

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栄養・生化学辞典

同位体効果
 通常,同位体をトレーサーとして用いるときは,質量差など同位体であるがゆえの違いの影響はないものと仮定するが,この前提がくずれる例.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

どういたいこうか【同位体効果 isotope effect】
同位体の質量の相違によって起こる物理的・化学的効果。効果は原子番号の小さい元素が関与するほど著しい。たとえば結合の伸縮振動数は(kは結合伸縮の力の定数,mは質量)であるから,ν(C―H)は約3000cm-1であるのに対し,ν(C―D)は約2200cm-1である。同位体効果は気体の拡散,遠心分離,電磁場内でのイオンの移動などに現れる。235UF6238UF6の分離はこの最も重要な応用例である。同位体の分離・濃縮のほとんどは,この種の物理的同位体効果を利用している。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

同位体効果
どういたいこうか
同位核効果ともいう。原子や分子で、ある原子核がその同位体(アイソトープ)に置き換わったときに生じる物理的・化学的性質の変化のこと。
 同位体効果は一般に同位核間の質量の比が大きいほど大きい。たとえば重水素2個からできている水素分子の慣性モーメントは、通常の水素分子の2倍になり、それに伴って回転エネルギー準位の差は半分に減少する。振動エネルギー準位の間隔は重水素分子では、通常の分子の 1/ に減る。原子核を取り巻く電子の運動の状態はほとんど変わらず同位体効果は小さい。これは、もともと電子の質量が原子核の質量の数千分の1以下であり、電子の運動を考える際には近似的に原子核は静止していると考えられるからである。しかし、水素原子と重水素原子とでは、電子の換算質量が変わることがおもな原因になって、その電子スペクトルにもわずかながら差が生じる。
 そのほか、気体の拡散やイオンの易動度などにも同位体効果が現れ、これらは同位体の分離に利用されることがある。化学反応にも同位体効果が現れることがある。たとえば、
  Si+H2O→SiO+H2(または2H)
という反応は、相手がD2O(Dは重水素)だとおこりがたい。この原因はまだ明確にされていないが、ポテンシャル障壁をくぐり抜ける量子効果の大きさが質量によって大きく変化することが関係しているという説もある。[大野公男]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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化学辞典 第2版

同位体効果
ドウイタイコウカ
isotope effect

分子内の原子を同位体で置換したとき,同位体の質量数,核スピン,核の大きさや形が違うことが原因で,その分子が関与する物理的・化学的挙動に差が生じる現象.質量数の差に起因する同位体効果を質量効果といい,核の体積,形,電荷分布が異なるために核外電子に影響して生じる効果を体積効果あるいは場効果という.質量効果は原子番号の小さい元素ほど大きく現れ,水素の同位体でもっとも大きい.体積効果は逆にウランなど原子番号の大きな元素で大きく現れる.同位体効果は,気体の拡散,遠心分離,蒸留,気化,電磁場内でのイオンの運動などの物理的挙動に現れるが,錯体形成反応,イオン交換反応,加水分解,酸化還元,電気分解反応などの化学反応の速度定数や平衡定数にも現れる.また,分子分光が対象とする回転スペクトル振動スペクトル電子スペクトルにおける同位体効果は,同位体の存在比を知るのには便利である.同位体効果を利用して,いろいろな同位体分離が工業的にも行われている.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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