●名子【ナゴ】
デジタル大辞泉
な‐ご【名子】
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世界大百科事典 第2版
なご【名子】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
名子
なご
中世~近世の下層農民の呼称。鎌倉末期に初見し、この場合は脇名(わきみょう)百姓、脇住(わきじゅう)、間人(もうど)、小百姓とよばれる階層と同様に、名主(みょうしゅ)層以下の弱小農民(小百姓層という)をさした。名主のように名田(みょうでん)を給付されることがなく、荘園(しょうえん)領主の直営地(一色田(いっしきでん)・間田(かんでん))や名田の一部を請作しており、安定的な経営を行えず、荘園領主や名主に隷属する側面が大きい。近世にかけてより隷属度を強め、江戸時代には地方によって家抱(けほう)、分附(ぶんつけ)、譜代(ふだい)、被官(ひかん)などとよばれた。主家より家地、耕地、山林などを借り受けて生活するかわりに、主家の求めに応じて労力を提供する義務があり、宗門に至るまで主家に隷属した。しかし、その存在形態は家内奴隷的なものから中世の小百姓のようなものまで多様であった。農村経済の発展、名子の自立闘争などによってしだいに解放され本百姓化していったが、生産力の停滞した地方では近代まで名子制度が残存し、第二次世界大戦後の農地改革によって完全に解放・消滅した。
[木村茂光]
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精選版 日本国語大辞典
な‐ご【名子】
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旺文社日本史事典 三訂版
名子
なご
所従・下人・被官・わきの者などと身分的に同じもの。地域により呼称が異なる。中世には土豪や領主の支配下にあり,中世後期,農民の階層分化が進むと,上昇して独立する者とともに,近世まで残った者もあった。本百姓に隷属し,のちしだいに独立した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
名子
なご
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