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名題【なだい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

名題
なだい
(1) 歌舞伎浄瑠璃題名のこと。京坂では外題 (げだい) ,芸題 (げいだい) ともいう。1日の興行に一種の名題を原則とするが,世話狂言 (→世話物 ) 独立以後は一番目狂言,二番目狂言と別名題を据える二本立形式をとるようになった。その後さらに細かく構成されるようになり,全体を大名題,各幕を小名題などと分けてつけられる。また字数字配り,言葉の選択には縁起が守られ,元禄 (1688~1704) 以後,特に春狂言には「曾我」 (江戸) ,「傾城」「けいせい」「契情」 (上方) の文字を入れた。 (2) 名題役者のことをしていう。紋看板に名を連ねる上級役者

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

な‐だい【名題/名代】
歌舞伎狂言浄瑠璃などの題名。元禄(1688~1704)ごろから縁起上、字数を奇数に定め、特殊な読み方をするようになった。上方では外題(げだい)・芸題という。
名題看板」の略。
名題役者」の略。

出典:小学館
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とっさの日本語便利帳

名題
名題役者のこと。名題看板に名前が載るような幹部級の役者。明治までは大名題、名題、名題下間中上分(あいちゅうかみぶん)、間中、下立役の五階級に分かれていた。

出典:(株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」

世界大百科事典 第2版

なだい【名題】
(1)歌舞伎や人形浄瑠璃の題名。江戸の用語で,上方では外題(げだい)(芸題)という。名題は作品の顔とでもいうべきものであったから,作者たちはそれに心を遣った。17世紀後半,縁起を重んじて字数を奇数に整える習慣を生じ,七五三の文字数が好んで用いられたが,その結果,無理な造字が行われることもあった。名題の上に添えて内容を示唆する短い対句を〈角書〉,また,看板や番付で,名題の上に,作品の概要を美文調で記したものを〈語り〉と呼ぶ。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

名題
なだい

(1)歌舞伎(かぶき)・浄瑠璃(じょうるり)用語。狂言の題名のことで、上方(かみがた)では「外題(げだい)」(芸題とも表記)と称した。狂言全体につける題名を大(おお)名題(上方は「大外題」)、各幕の内容を暗示するものを小(こ)名題といった。大名題は縁起上、奇数(陽の数)の文字にする慣習があり、ほとんどが五字か七字である。したがって、特殊な文字をつくったり、無理な読み方をする例が多い。長くてよびにくいため、略称(通称・俗称)が一般に用いられる。『仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)』を「忠臣蔵」、『絵本太功記』の十段目を「太十(たいじゅう)」、『与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)』を「切られ与三(よさ)」などとよぶのが、その例である。これに対する正式の題名を「本(ほん)名題」ということも行われている。「浄瑠璃名題」の語も用いられた。

(2)歌舞伎用語。名題役者、名題俳優の略。江戸時代に、興行のつど劇場の正面に掲げたいろいろな看板のうち、名題に関係のあるものをとくに「名題看板」といった。それらのうち、格別に大形でりっぱにこしらえるのが、一日の狂言全体の題名である大名題を記した「大名題看板」であり、その上方に一座の主要な俳優たちの舞台姿を絵組みや人形にして飾ることが約束になっていた。ここに選ばれる、ごく限られた俳優のことを「名題役者」とよび、略して「名題」と称した。幕末には、やや概念の枠が広がり、とくに看板とはかかわりなく俳優の階級区分の最高位として、立者(たてもの)の称となっていた。現代では、さらに概念の範囲が広がり、俳優の身分上の二区分(名題と名題下(した))の上位を示す用語になった。歌舞伎俳優は原則として2年に一度行われる名題試験に合格すると「名題」に昇進できる。「名題」は一人前の歌舞伎俳優として認められたことを示す称号であり、その待遇にも差が生じる。

[服部幸雄]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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