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否認権【ひにんけん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

否認権
ひにんけん
Anfechtungsrecht
(1) 破産者破産財団に属する財産に関して破産宣告前に行なわれた行為破産債権者の利益を害する場合に,その行為を失効させ,逸出した財産を破産財団に回復することを目的とする権利債権者取消権と同趣旨のもの。否認権は破産管財人 (→管財人 ) が訴えまたは抗弁によって行使する。破産宣告の日から2年間行使しないと時効で消滅する。これを,(a) 故意否認 破産者が破産債権者を害することを知って行なった行為の否認,(b) 危機否認 破産者の財産状態危機に陥ったのちに行なわれた行為の効力の否認,(c) 無償否認 危機的財産状態の前後において破産者の無償行為 (贈与など) の否認,および (d) 登記の否認に類別する。 (2) 会社更生法上の否認権は,更生管財人がこれを行使する場合,訴えまたは抗弁によるほか,否認の請求を更生裁判所に申し立て,簡易に裁判を求める方法があり,その点で破産法上の否認権と異なる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ひにん‐けん【否認権】
破産法上、破産手続開始(旧法の破産宣告)前に破産者のなした行為が破産債権者に損害を与える場合に、破産管財人がその行為の効力を失わせ、逸出した財産を破産財団に回復させる権利。会社更生法上でも同様の権利が認められている。

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

ひにんけん【否認権】
倒産処理手続(破産,会社更生,和議)で行使される権利の一つ。
[破産法上の否認権]
 破産者の財産について,破産宣告前になされた,破産債権者を害するような行為の効力を失わせ,逸出した財産を破産財団に回復する権利。破産宣告があると,破産者は破産財団の管理処分権を失うが(破産法7条),それまでは自己の財産を自由に処分できるのが原則である。しかし,財産状態が悪化して破産の危機にした場合にも,破産宣告を受けていないというだけの理由で,自由な処分を許すと,債務者は当座運転資金などを得ようとして,財産を投売りしたり,債権者の追及をのがれるために財産を隠したり,特定の債権者だけに弁済したりすることがある。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ひにんけん【否認権】
破産法上、破産者が破産宣告を受ける前にその財産についてなした行為が破産債権者に損害を与える場合、破産管財人がその行為を否認し無効にする権利。会社更生法上でも更生手続き開始前の会社の行為について認められる。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

否認権
ひにんけん
破産法上、破産手続開始前に、破産者がなし、または破産者に対してなされた行為が、破産債権者を害する場合に、その行為の効力を破産財団に対する関係で失わせ、その行為によって破産者のもとから失われた財産を破産財団に回復させる、破産管財人の権利をいう。経済状態の悪化した債務者が、その財産を無償で譲渡し、安く売却し、あるいは隠匿(いんとく)し(詐害行為)、または一部の債権者にのみ債務を弁済する(偏頗行為(へんぱこうい))などして、債権者全体の利益を害することがありうるが、否認権はこれを防止せんとする制度である。破産手続開始後は、破産者の財産は破産財団を構成し、その管理処分権は破産管財人の手に委ねられるから、このようなことは起こらない。否認権は、債権者の利益を害する行為を取り消すという点で、民法上の詐害行為取消権に似る(歴史的には同一の起源をもつといわれる)が、総債権者の利益、総債権者間の平等・公平を図るとの視点が重視される点が異なる。
 破産法上の否認権のおもなものとして、次のものがある。
(1)詐害行為否認(同法160条1項) 破産者が破産債権者を害することを知ってした行為、および破産者が支払いの停止等があった後にした破産債権者を害する行為の否認
(2)詐害的債務消滅行為(同法160条2項) 破産者がした債務消滅行為であるが、過大な給付を内容とするものの否認
(3)無償行為否認(同法160条3項) 破産者が支払いの停止等があった後またはその前6か月以内にした無償行為およびこれと同視すべき有償行為の否認
(4)相当の対価を得てした財産の処分行為の否認(同法161条)
(5)偏頗行為否認(同法162条) 既存の債務についてされた担保の供与または債務の消滅に関する行為の否認
(6)支払不能になる30日以内の非義務的偏頗行為の否認(同法162条1項2号本文)
(7)権利変動の対抗要件の否認(同法164条1項本文)
(8)執行行為の否認(同法165条)
 否認権の行使は、破産管財人が受益者(破産者がなした詐害行為の相手方)または転得者(受益者からさらに受け取った者)を相手方として、訴え、否認の請求または抗弁の方法によって行う(同法173条)。否認権行使の結果として、破産者のもとから逸出した財産は、破産財団に復する(同法167条1項)。
 民事再生法においても、同様の規定が置かれている(民事再生法127条以下)。ここでは、否認権の行使は、否認権限を有する監督委員または管財人が行う(同法135条1項)
 会社更生法においても、同様の規定が置かれている(会社更生法86条以下)。[本間義信]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ひにん‐けん【否認権】
〘名〙
① ある事実、行為を認めない権利。承認しない権利。〔英和外交商業字彙(1900)〕
② 破産法上、破産者が破産宣告前に、その財産に関して破産債権者に損害を与える行為をした場合、破産管財人がこれを否認して、その効力を失わせる権利。〔破産法(1922)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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