@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

吸着【きゅうちゃく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

吸着
きゅうちゃく
adsorption
2,たとえば気相と液相,液相と固相,気相と固相,あるいは不溶の2液体が相接しているとき,物質濃度または密度が相の界面とその内部で異なって平衡状態にある現象をいう。界面の濃度が内部よりも大きいのを正吸着といい,また逆を負吸着と呼ぶ。原因としては化学結合力が作用する化学吸着と,ファン・デル・ワールス力による物理吸着とがある。活性炭による脱臭,飲料水のろ過,シリカゲル活性炭による吸着減湿法,ソープションポンプによる高真空,吸着型クロマトグラフィー,吸着試薬など広く応用される。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

きゅう‐ちゃく〔キフ‐〕【吸着】
[名](スル)
吸いつくこと。
二つの異なる物質相が接するとき、その界面で、それぞれを構成している成分が濃縮される現象。活性炭がその表面に着色溶液色素をくっつけて脱色するなど。正吸着ともいい、逆に界面で希薄になる場合を負吸着という。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

栄養・生化学辞典

吸着
 一般に気体や液体が固体の表面に一定の力を介してとどまること.

出典:朝倉書店
Copyright (C) 2009 Asakura Publishing Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

きゅうちゃく【吸着 adsorption】
一般に,二つの相,すなわち気相と固相,液相と固相,気相と液相,あるいは互いに不溶の液相どうしが接しているとき,流体(気体または液体)相中の特定成分がその接触界面において,相内部と異なる濃度を示す現象。通常は,とくに固体表面において,それに接する気相または液相中の特定成分が濃縮される現象,すなわち正吸着を単に吸着と呼ぶ。吸着される成分が固体表面と化学的な強い結合をする場合を化学吸着と呼び,金属上の酸素水素等の吸着が例としてあげられる。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

きゅうちゃく【吸着】
スル
吸い付くこと。
一般に、二つの相が接していて、一方の相の構成成分の界面における濃度が、その相の内部における濃度と異なった状態で平衡に達する現象。界面で濃度が大きくなるときを正吸着、小さくなるときを負吸着という。吸着の多くは正吸着である。活性炭による脱色・脱臭はこの例。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

吸着
きゅうちゃく
adsorption
2相が平衡にあるとき、ある成分の濃度が界面付近と相内部とで異なることがある。この現象を吸着という。界面付近の濃度が相内部より大きいとき正吸着、逆の場合を負吸着という。負吸着は無機塩類水溶液における溶液表面への吸着の例を除けば、ほとんど実際に問題となることはなく、一般には正吸着を吸着という。また、吸着物が脱離することを脱着という。[吉田俊久]

吸着熱

吸着に伴う発熱量で、吸着熱はつねに正であるので、温度の低いほうが吸着量は多くなる。金属に対する水素ガスの吸着などでは低温域で確かに温度の上昇とともに吸着量は減少する。しかし常温以上では、ふたたび別種の吸着がおこる。低温域の吸着は吸着熱が小さく(約20キロジュール以下)、金属やガスの種類が異なっても存在する。ガス分子と固体表面の間の物理的引力に起因するといわれ、これを物理吸着という。高温域の吸着は吸着熱が大きく(約40キロジュール以上)、吸着速度もきわめて遅く、かなりの活性化熱を示す。金属とガスの組合せしだいでおこらないこともあるので、これを化学吸着という。物理吸着は固体表面に気体が凝縮する現象に近いものと理解できるが、化学吸着は金属と気体分子間に通常の化学結合に近いものができるためと考えてもよい。[吉田俊久]

吸着の利用

固相と気相の間の吸着のほかに、固相と液相、液相と気相、互いに溶解しない二つの液相などからなる界面でも吸着は観察できる。身近な例として、冷蔵庫内の脱臭、飲料水の濾過(ろか)などに活性炭が用いられている。乾燥剤としてはシリカゲル(ケイ酸のゲル)などがある。工業的にも大いに使われており、吸着剤(炭素系多孔体、ゼオライトなど)を用いて、圧力変動式吸脱着法(PSA法。高圧で吸着を行い、減圧で脱着を行う方法)という、吸着物質の回収を行う操作法が多くの分野で利用されている。この方法を用いれば、吸着物質としての窒素、酸素の分離などや、またアセトンのような有機溶剤の回収なども容易である。[吉田俊久]

分離技術・分析

化学分析ではガスおよび液体クロマトグラフィーなどの分離技術に応用され、これは現代の化学分析法に大きく寄与している。[吉田俊久]
『慶伊富長著『吸着』(1965・共立出版) ▽清水博監修『吸着技術ハンドブック』(1993・エヌ・ティー・エス) ▽日本化学会編『コロイド科学1 基礎および分散・吸着』(1995・東京化学同人) ▽竹内節著『吸着の化学――表面・界面制御のキーテクノロジー』(1995・産業図書) ▽近藤精一・石川達雄・安部郁夫著『吸着の科学』第2版(2001・丸善) ▽小野嘉夫・鈴木勲著『吸着の科学と応用』(2003・講談社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

きゅう‐ちゃく キフ‥【吸着】
〘名〙
① 吸い着くこと。
※舎密開宗(1837‐47)内「若し硫烟壜内に薫し充るときは腹を以て壜口を塞き壜を撼動すれば硫烟尽く消して水に和し腹壜口に吸著す」
② 液体または気体が、他の固体または液体の表面に吸いつけられる現象。臭気や飲料水中の不純物が木炭に吸いとられるなど。場合によっては他の物体の表面から追い出されることもあり、これを負吸着、これに対して前者を正吸着という。

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

化学辞典 第2版

吸着
キュウチャク
adsorption

気相,溶液などの均一相から,気体分子あるいは溶質分子が固体表面や液相の界面に取り込まれる現象.吸着物質が逆に均一相に戻る現象を脱離という.また吸着される物質および吸着を生じる物質を,それぞれ吸着質および吸着媒とよんでいる.吸着により界面上の濃度は均一相中の値より増加するが,逆に低下する場合は負吸着として区別する.吸着に際して,一般に自由エネルギーは減少し熱が放出される.したがって,吸着量は高温になるにつれて減少するが,圧の増大とともに増加する.吸着量は界面単位面積当たりの吸着分子数,物質量あるいは標準状態での気体の体積で表されるが,固体では単位質量当たりの吸着物質量をとることがある.吸着量の温度および圧による変化は,実験的に吸着等温線吸着等圧線,あるいは吸着等量線で表され,これらの関係を解析的に与えるものとして,いろいろな吸着式が提案されている.化学吸着におけるラングミュア吸着等温式物理吸着に対するBET吸着等温式は有名であり,また実験値の整理にフロイントリッヒ吸着等温式がしばしば利用される.吸着はその結合の性質から,ファンデルワールス力による物理吸着と化学結合が形成される化学吸着に区別されるが,化学吸着は界面上で進行する触媒反応中の重要な過程である.液相の界面における吸着分子の濃度Γはギブズ吸着等温式(ギブズの吸着式),

で表される.ここで,γは溶液の表面張力aは溶質の活量である.応用上は古くから活性炭による脱臭,脱色,シリカゲル,アルミナによる乾燥などが行われてきたが,最近では大気中の公害物質の除去にも用いられており,また物質の分離に有力なクロマトグラフィーは,分子による吸着力の差を利用するものである.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)

Copyright © MORIKITA PUBLISHING Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

吸着」の用語解説はコトバンクが提供しています。

吸着の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation