●呪文【じゅもん】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
呪文
じゅもん
spells
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デジタル大辞泉
じゅ‐もん【呪文】
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世界大百科事典 第2版
じゅもん【呪文】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
呪文
じゅもん
神秘的、呪術的な効果をもつと信じられていることば。たいてい定型化されており、これを唱えることによって幸運、幸福を招いたり、災禍を防ぐことができると考えられている。ときには敵に病気や死などの不幸を与えるために使われる。メラネシアでは呪文が呪術行為の中心をなしており、たとえばトロブリアンド島では、メグワという語は呪文であるとともに呪術一般をもさし、なにかをしようとするときは、ほとんどかならず呪文が唱えられる。戦争に行くときには槍(やり)の穂先に呪文をかけて切れをよくし、盾には敵の槍が突き入らないように呪文をかける。主作物であるヤムイモは呪文によって大きくりっぱなものになると考えている。彼らにとって重要な意味をもつ遠洋航海に使うカヌーをつくるときも、呪文を唱えなければならない。呪文はそれぞれの目的によって数多くの種類があり、人々はそれらを正確に覚えなければならない。一語でも誤って唱えると、効力を失うとされている。
一般に呪文を唱えることは呪術的行為の一部であり、呪文は単独では効果がなく、呪的儀礼全体のなかで、ときには呪具を併用することによって、効力を生じると考えられている。しかし、呪文、儀礼全体、呪具のどれがもっとも重視されるかは、社会によって異なり、トロブリアンド島のようにメラネシアの多くでは呪文が重視され、一語一句正確に唱えることが要求される。アフリカではむしろ儀礼全体、あるいは呪具が強調されることが多く、呪文もたいてい唱えられるが、ことばの一部を変えてもよいとされることが少なくない。呪文に対する信仰は、ことばのもつ力に対する信仰に基づいている。また呪文は、神秘的であればあるほど効力をもつと考えられるので、呪文を秘密にしたり、呪文のことばも、日常では使わない古いことばであったり、難解なことばであったりする。日本の民間信仰でしばしば使われる呪文の「アビラウンケンソワカ」は本来仏教のことば「阿卑羅吽欠莎婆訶」であるが、ほとんどの人はその意味を知らずに使っているのであり、むしろ「ちちんぷいぷい」と同じように、ことばの意味が不明であるということが、このことばに神秘性を与え、効力があると考えるのである。
[板橋作美]
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精選版 日本国語大辞典
じ‐もん【呪文】
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