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和気清麻呂【わけのきよまろ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

和気清麻呂
わけのきよまろ
[生]天平5(733).備前
[没]延暦18(799).2.21. 京都
奈良時代末期~平安時代初期の廷臣。父は乎麻呂。本姓は磐梨別公 (いわなしのわけのきみ) 。孝謙天皇の頃京に上り,武官として右兵衛少尉,従六位上の官位を得,天平神護1 (765) 年勲六等を受け,吉備藤野和気真人の姓を賜わった。これらは恵美押勝 (→藤原仲麻呂 ) 追討のによるものと思われる。神護景雲3 (769) 年道鏡宇佐八幡神託と称して帝位につこうとしたとき,神託を聞くことを命じられた清麻呂は,道鏡が皇位を望むことは神霊もこれを震怒すとして道鏡の野心を退けた。そのため,道鏡の怒りを買って大隅に流された。宝亀1 (770) 年光仁天皇即位すると,京に召し返されて和気朝臣のを賜わり,天応1 (781) 年従四位下となった。その後,民部大輔,摂津大夫などを経て延暦 15 (796) 年従三位となった。彼は吏務に精通し,『民部省例』 (20巻) を撰し,『和氏譜』を奏上した。また長岡京の造営が停滞していることを憂え,天皇に葛野 (かどの。平安京 ) への遷都を進言したり,摂津大夫のとき治水工事を行なったり,延暦初年,神護寺の前身である神願寺を河内に建立したりした。死後,彼の遺志によって,備前国の彼の私墾田 100町を,百姓賑給田 (しんごうでん) として農民の厚生の料にあてた。

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デジタル大辞泉

わけ‐の‐きよまろ【和気清麻呂】
[733~799]奈良末期・平安初期の公卿備前の人。道鏡が皇位に就こうと企てたとき、宇佐八幡の神託によりこれを阻止して怒りを買い、大隅(おおすみ)に配流。道鏡の失脚後、光仁桓武天皇に仕え、平安遷都に尽力した。

出典:小学館
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus

和気清麻呂 わけの-きよまろ
733-799 奈良-平安時代前期の公卿(くぎょう)。
天平(てんぴょう)5年生まれ。和気乎麻呂(おまろ)の子。姉に和気広虫(ひろむし)。神護景雲(じんごけいうん)3年道鏡が皇位をのぞんだとき,宇佐八幡宮の神託をうけてこれを阻止した。そのため名を別部穢麻呂(わけべの-きたなまろ)とかえられ,大隅(おおすみ)(鹿児島県)に流された。光仁(こうにん)天皇の即位で召還され,のち桓武(かんむ)天皇にもつかえた。造宮大夫として平安遷都につくす。従三位,民部卿。延暦(えんりゃく)18年2月21日死去。67歳。備前(岡山県)藤野郡出身

出典:講談社
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書籍版「講談社 日本人名大辞典」をベースに、項目の追加・修正を加えたデジタルコンテンツです。この内容は2015年9月に更新作業を行った時点での情報です。時間の経過に伴い内容が異なっている場合がございます。

世界大百科事典 第2版

わけのきよまろ【和気清麻呂】
733‐799(天平5‐延暦18)
奈良中期より平安初期にかけての官人。本姓は磐梨別公(いわなすわけのきみ),また藤野別真人(ふじのわけのまひと)を称し,和気宿禰(すくね)さらに和気朝臣に改姓された。備前国藤野郡に生まれ,その後,孝謙(称徳)天皇に近侍していた姉和気広虫の引きによって,おそらく兵衛(とねり)として出仕したものと思われる。《続日本紀》にはじめて名が記録されるのは,765年(天平神護1)従六位上,右兵衛少尉のときで,広虫とともに称徳天皇に重用された。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

わけのきよまろ【和気清麻呂】
733~799 奈良末・平安初期の廷臣。和気氏の祖。藤原仲麻呂の乱に功を立て輔治能真人ふじののまひとの姓を受けた。道鏡が皇位簒奪さんだつを企てると、769年、宇佐八幡宮に使して神託を得、これを妨げた。774年、和気朝臣姓を賜る。平安遷都を建議。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

和気清麻呂
わけのきよまろ
(733―799)
奈良末から平安初期の公卿(くぎょう)。父は乎麻呂(おまろ)、姉は広虫(ひろむし)(法均(ほうきん))。長子広世(ひろよ)、5子真綱(まつな)、6子仲世(なかよ)らの父。備前(びぜん)国藤野郡(岡山県和気郡)の人。本姓は磐梨別公(いわなしわけのきみ)。淳仁(じゅんにん)朝に仕えたが、恵美押勝(えみのおしかつ)追討の功により765年(天平神護1)勲六等を授けられた。時に右兵衛少尉(うひょうえのしょうじょう)、従(じゅ)六位上。ついで藤野別真人(ふじののわけのまひと)を改めて吉備(きび)藤野和気(わけ)真人を賜った。翌年従五位下。769年(神護景雲3)輔治能(ふじの)真人。同年大宰主神習宜阿曽麻呂(だざいのかんづかさすげのあそまろ)は道鏡(どうきょう)に媚(こ)び宇佐八幡(うさはちまん)の神教と偽って道鏡を皇位に即(つ)ければ天下太平ならんと奏上した。称徳(しょうとく)女帝は大いに迷い、清麻呂を召し姉法均(ほうきん)にかわって神教を確かめるよう命じた。その出発にあたり道鏡は清麻呂に威嚇(厳罰)と懐柔(大臣)の二策を試み、道鏡の儒学の師路豊永(みちのとよなが)は、道鏡即位せば我は今日の伯夷(はくい)たらん(隠棲(いんせい)する)と哀訴した。意を決した清麻呂は宇佐から帰るとただちに「天(あま)つ日嗣(ひつぎ)は必ず皇儲(こうちょ)(皇統に連なる人)を立てよ。無道の人は宜(よろ)しく早(すみやか)に掃(はら)い除くべし」との神教を奏上した。激怒した道鏡は清麻呂の官爵を削り名も別部穢麻呂(わけべのきたなまろ)と改めて大隅(おおすみ)(鹿児島県)に配流した。翌年女帝が崩じ光仁(こうにん)天皇が即位するとただちに召還され、ついで本位従五位下に復し、和気公(わけのきみ)、和気宿禰(すくね)を経て774年(宝亀5)和気朝臣(あそん)を賜った。784年(延暦3)長岡造京の功により従四位上、796年平安京造営の功により従三位(じゅさんみ)に昇る。この間平安遷都を建議し、摂津大夫(せっつのだいぶ)としては大和(やまと)川を西に通じて難波(なにわ)の洪水を除かんとした。799年に没して正三位を贈られたが、降って1851年(嘉永4)正一位護王(ごおう)大明神の神階神号を授けられ、86年(明治19)京都市上京(かみぎょう)区の護王神社に祀(まつ)られた。[黛 弘道]

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精選版 日本国語大辞典

わけ‐の‐きよまろ【和気清麻呂】
奈良末・平安初期の官人。磐梨別公乎麻呂の子。姉広虫とともに孝謙天皇の信任を得、藤原仲麻呂の乱の功により藤野和気真人の姓を賜わり、その後、数度の改賜姓があり、和気朝臣となったのは宝亀五年(七七四)。この間、宇佐八幡宮の託宣をもって道鏡の野望をくじいた。そのため大隅に流されたが、道鏡失脚後、召還され、桓武天皇の信任を得て従三位に昇る。薨(こう)ずる時、正三位を贈られた。故事に精通し、また平安遷都や水利事業にも功があった。天平五~延暦一八年(七三三‐七九九

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旺文社日本史事典 三訂版

和気清麻呂
わけのきよまろ
733〜799
奈良末期・平安初期の官人
備前(岡山県)の出身。従三位。姉広虫とともに称徳天皇に仕え,769年皇位に就こうとした道鏡の計画に対し,宇佐八幡宮の神託を告げ,藤原氏勢力を背景として道鏡の野心を退けた。そのため大隅国(鹿児島県)に配流となったが,道鏡失脚後召還された。桓武天皇の信任厚く,平安遷都を進言した。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
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