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咽頭炎【いんとうえん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

咽頭炎
いんとうえん
pharyngitis
咽頭の粘膜リンパ組織炎症で,急性慢性があり,急性の多くは感冒の一症状である。咽頭粘膜の発赤,腫脹があり,扁桃炎を合併すると発熱,嚥下が著しくなる。慢性咽頭炎の原因は種々あるが,最近は大気汚染の影響で増加の傾向がみられる。咽頭の異物感,乾燥感,軽い嚥下痛などが訴えられるが,一般に自覚症状は軽微である。原因を究明して取除くほか,刺激物を避けて,根気よく治療を続ける必要がある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

いんとう‐えん【咽頭炎】
咽頭の粘膜の炎症。多くは細菌感染による。のどが赤くはれ、痛み・発熱をみることが多い。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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栄養・生化学辞典

咽頭炎
 咽頭粘膜と咽頭リンパ組織の炎症.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

いんとうえん【咽頭炎】

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

いんとうえん【咽頭炎】
咽頭の炎症。風邪の症状の一。細菌の感染によることもある。咽頭カタル。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

咽頭炎
いんとうえん
咽頭の炎症で、急性と慢性に分けられる。急性咽頭炎は、かぜなどのウイルスや細菌の感染によっておこるものがもっとも多く、ほかに咽頭の外傷、やけど、刺激の強いガスの吸入などによるものもある。症状は一般に突然始まり、発熱は軽度のものから高度のものまで、原因と年齢によって多様である。のどの不快感や痛み、分泌物の増加、全身の違和感や倦怠(けんたい)感などもみられる。症状は乳幼児や高齢者が成人に比べて強く現れることが多い。ときには、あごの下や頸部(けいぶ)のリンパ節が腫(は)れて痛む。咽頭の粘膜は赤くはれ、ときには口蓋垂(こうがいすい)や咽頭側索までも腫れ上がることがある。しかし、このような状態が、しょうこう熱、はしか(麻疹)、インフルエンザなどの急性感染症の初期症状としておこることもあるので、注意する必要がある。治療は、安静を守り、発汗療法が基本となる。細菌の感染には抗生物質を使い、局所治療としてはルゴール液などの塗布、口内錠、吸入療法、うがいなどを行う。
 慢性咽頭炎は、急性咽頭炎を繰り返して慢性化したものや、酒やたばこの連用、持続的なほこりや刺激性ガスの吸入、慢性鼻炎や扁桃(へんとう)炎などが原因となっておこる。症状は、のどの不快感、刺激性の咳(せき)、喀痰(かくたん)の増加で、咽頭粘膜が赤く腫れる。ときには粘膜が萎縮(いしゅく)して乾燥し、ねばっこい粘液やかさぶたが付着する。治療は、原因となっている疾患や刺激性物質を除くことが先決で、うがい、吸入療法、口内錠なども行う。[河村正三]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

いんとう‐えん【咽頭炎】
〘名〙 咽頭の粘膜に炎症が起こって、赤く腫(は)れをきたす疾患。嚥下(えんげ)痛、発熱、粘液分泌の増加などをもたらす。咽喉炎。咽頭カタル。咽喉カタル。

出典:精選版 日本国語大辞典
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六訂版 家庭医学大全科

咽頭炎
いんとうえん
Pharyngitis
(のどの病気)

どんな病気か

 咽頭は鼻腔や口腔の奥にある部分で、ここには咽頭扁桃(へんとう)口蓋(こうがい)扁桃、口蓋垂(こうがいすい)などが存在しています(図10)。咽頭炎とは咽頭に起こった炎症のことです。ただし、口蓋扁桃に強い炎症のある場合には、扁桃炎という別の病名で呼んでいます。

 さまざまな咽頭炎がありますが、大きく急性咽頭炎(きゅうせいいんとうえん)慢性咽頭炎(まんせいいんとうえん)咽頭特殊感染症(いんとうとくしゅかんせんしょう)に分けて解説します。

原因は何か

 急性咽頭炎は、アデノウイルス、コクサッキーウイルスなどのウイルス感染や、A群β溶血性連鎖球菌(ベータようけつせいれんさきゅうきん)(溶連菌)、インフルエンザ菌などの細菌の感染によるものが一般的です。刺激性ガスの吸入などによる物理化学的な刺激が原因になることもあります。

 慢性咽頭炎は、急性咽頭炎が治りきらなかったり、たばこの煙、お酒などが慢性的に咽頭を刺激したりすることによって起こります。

 咽頭特殊感染症は、クラミジア、梅毒(ばいどく)トレポネーマ、結核(けっかく)菌、ジフテリア菌などの特殊な病原体が原因です。これらの感染症は社会環境の変化などにより近年増加の傾向にあり、問題になっています。

症状の現れ方

 急性咽頭炎では咽頭の痛みが急激に現れ、そのほか全身倦怠感(けんたいかん)、頭痛、発熱などを伴うこともあります。溶連菌感染の場合、全身に発疹の現れることがあり、猩紅熱(しょうこうねつ)と呼ばれます。慢性咽頭炎では咽頭の不快感、異物感などが慢性的にあり、それに伴って咳払いも増えます。咽頭特殊感染症では、症状は普通の急性・慢性咽頭炎に似ているので、症状だけで鑑別するのは困難です。

検査と診断

 多くの場合、咽頭は発赤し、症状の経過からも、通常の咽頭炎は比較的簡単に診断されます。

 時に、咽頭の発赤とともに小さな水ぶくれや、その破れたような病変がみられることがありますが、これはヘルパンギーナと呼ばれ、コクサッキーウイルスの感染によるものです。咽頭の発赤が著しく、全身症状を伴う場合は溶連菌感染を疑い、分泌物を取って検査します。また、白色の病変や、粘膜のただれたような所見のあることもありますが、この場合には特殊感染症やがんとの鑑別が問題になるため、組織を一部採取して調べることもあります。

治療の方法

 よくうがいをして咽頭を清潔に保ち、喫煙、飲酒などもひかえ、刺激を与えないようにします。痛みや発熱に対しては解熱鎮痛剤を用います。抗生剤は、細菌感染が明らかな場合以外には用いる意義は少ないと考えられますが、溶連菌感染の場合には合併症を防止するために、十分に使用する必要があります。

 咽頭特殊感染症では、それぞれの原因微生物に対する治療をします。

病気に気づいたらどうする

 がまんできる程度の痛みの場合には、うがいなどをして様子をみてもよいと思います。しかし、唾液(だえき)が飲み込めないほどの痛みであったり、発熱を伴う場合には医師の診察が必要です。扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)急性喉頭蓋炎(こうとうがいえん)など、緊急処置が必要な病気との鑑別も必要になりますので、耳鼻咽喉科を受診するべきでしょう。

 咽頭特殊感染症は、一般的な診察や検査では普通の咽頭炎との鑑別が難しいことも少なくありません。咽頭の症状がなかなか改善しない場合には、特殊感染症に対する検査が必要になることもあります。病原体保有者と接触した可能性がある場合には、その旨を医師に伝えておくことも大切です。

一宮 一成

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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