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咽頭結膜熱【イントウケツマクネツ】

デジタル大辞泉

いんとうけつまく‐ねつ【咽頭結膜熱】
アデノウイルス感染により、発熱のどはれと痛み、結膜炎の症状を呈する伝染性の病気。感染症予防法の5類感染症の一。学童プールで感染して集団発生するのでプール熱ともいう。

出典:小学館
監修:松村明
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編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

いんとうけつまくねつ【咽頭結膜熱】

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

いんとうけつまくねつ【咽頭結膜熱】

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

咽頭結膜熱
いんとうけつまくねつ
アデノウイルス感染症の一つで、発熱、咽頭炎、結膜炎を主症状とする急性熱性疾患。病原体はアデノウイルスで、とくにその3型と7型によるものが多い。プールの水を媒体として広がるところからプール熱ともよばれる。潜伏期は6~9日で、とくに小児に多く、急に38~40℃の熱が出て4~5日続く。目がごろごろして痛み、目やにがみられ、赤くなって涙が出る。のども赤くなって痛み、ときに軽い腹痛、嘔吐(おうと)、下痢、関節痛、筋肉痛などもみられる。約1週間で治癒し、予後は良好である。有効な抗ウイルス剤がなく、かぜと同様に暖かくして安静にし、対症療法を行う。病原は患者の気道、便、結膜(目やに)から排泄(はいせつ)されるが、症状がなくなってからでもかなり長期間排泄されるため、プールの水は汚染されやすい。流行時にはプールの使用禁止、学級閉鎖、休校などの措置をとり、患者の新発生を防ぐ。また、家族間の感染にも留意し、タオルなどは患者と別にして熱湯消毒を行う。日常的には水泳後の洗眼、うがいなどのほか、プールのクロール消毒の実施を心がける。[柳下徳雄]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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六訂版 家庭医学大全科

咽頭結膜熱(プール熱)
いんとうけつまくねつ(プールねつ)
Pharyngoconjunctival fever
(子どもの病気)

どんな病気か

 咽頭結膜熱は結膜炎のため、はやり眼と呼ばれることもあります。6月ごろから増え始め、7~8月に患者数のピークを迎えます。

原因は何か

 アデノウイルスと呼ばれるウイルスが原因になります。このウイルスは多くの血清型に分類され、多くはアデノウイルス3型で引き起こされますが、1995年以降、7型と呼ばれる新しい型が流行するようになりました。アデノウイルス7型は以前の型に比べて熱が長く続き、重症化することもあります。しかし、アデノウイルスが感染しても必ずしも咽頭結膜熱の症状を来すわけではありません。

 年間を通じて発生しますが、春、夏に比較的多いようです。幼小児期に多くが感染を受けます。

症状の現れ方

 潜伏期間は5~7日で、まず高熱で発症し、その後、のどの症状(咽頭炎)と、眼の症状(結膜炎)の両方が現れます。発熱は4~5日続きます。眼の症状は一般的には片方から始まりますが、多くの場合はもう一方にも広がります。また、頭痛や吐き気、腹痛や下痢が起こることもあります。夏、プールで流行することが多いので、プール熱とも呼ばれます。

検査と診断

 眼球結膜や咽頭ぬぐい液(のどを綿棒でぬぐい、採集する)中のウイルス抗原を検出する迅速診断キットがあります。

治療の方法

 アデノウイルスの特効薬はありません。治療はそれぞれの症状に対する対症療法が中心になります。経過中は水分や栄養の補給に注意が必要です。結膜炎が強い場合は眼科での治療が必要になります。

病気に気づいたらどうする

 うがいや手洗いが大切です。プールで感染しないようにするには、水泳前後のシャワーや洗眼、うがいも大切です。登園、登校については主治医とよく相談してください。学校保健法では症状がなくなったのち、2日を経過するまでは登校できません。

浅野 喜造

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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咽頭結膜熱(プール熱)
いんとうけつまくねつ(プールねつ)
Pharyngoconjunctival fever
(感染症)

どんな感染症か

 毎年夏季を中心に流行する急性のウイルス感染症で、発熱、咽頭炎(いんとうえん)結膜炎(けつまくえん)が主な症状です。プールで感染することもあるため、日本ではプール熱とも呼ばれていますが、多くは患者さんからの飛沫(ひまつ)による感染です。そのほかに、手指を介した接触感染、タオルなどを共用したことによる感染があります。2003年以降は、冬にも小流行がみられています。

 原因ウイルスはアデノウイルスです。アデノウイルスには51種類の血清型があり、そのなかでも咽頭結膜熱を起こすのは、3型が多いといわれています。そのほか、2型、1型、4型、5型、6型、7型などでもみられます。

 患者さんは1~5歳の各年齢がそれぞれ15%前後で、5歳以下が全体の約80%を占めています。成人での発症は多くありません。通常は数日の経過で治ります。

症状の現れ方

 5~7日の潜伏期ののち、発熱で発症します。高熱のために熱性けいれんを起こすことがあります。そのほかに、頭痛、食欲不振、全身倦怠感(けんたいかん)、咽頭痛、結膜充血、眼痛、羞明(しゅうめい)(まぶしさを感じる)、流涙(りゅうるい)眼脂(がんし)(目やに)が3~5日間程度続きます。頸部のリンパ節のはれと痛みを認めることがあります。

 7型による咽頭結膜熱の場合は、何か基礎に病気をもっている人や、乳幼児、高齢者では、重篤な症状となることがあります。

検査と診断

 通常、前述のような特徴的な症状から診断されます。

 病原ウイルスを特定するためには、鼻汁、唾液、喀痰(かくたん)糞便(ふんべん)、のどのぬぐい液などからウイルスを分離するか、ウイルス抗原を検出します。アデノウイルス抗原を検出するキットが市販されており、診断に用いられています。あるいはPCR法でウイルス遺伝子を検出します。

 血清学的診断では急性期と回復期の血清で、抗体陽転や抗体価上昇により診断されることもありますが、型の特定はできません。

治療・予防の方法

 特異的な治療をすることなく自然に治ることがほとんどですが、高熱や咽頭痛のために、水分不足になることがあるので、幼児では注意が必要です。眼の症状が強い時は、眼科の治療が必要になることがあります。

 予防としては、患者さんとの接触を避けること、流行時にはうがいや手洗いを励行することが大切です。また、治ってからしばらくの間は、便の中にウイルスが排泄されていますので、配膳前、食事前、排便後、おむつ取り替え後の手洗いの徹底が重要です。プールに入る前にはシャワーなどでおしりをよく洗うことも心がけます。プールの季節には、タオルの貸し借りをやめること、症状がある時にはプールに入らないことなど、一般的な予防法の励行が大切です。

 アデノウイルスはエンベロープ(外被となる膜)をもたないウイルスなので、消毒用エタノールの消毒効果は、エンベロープをもつウイルスに比べると弱いといわれています。消毒には煮沸や次亜塩素酸ナトリウムなどが用いられます。

 高熱が続く時や、飲食が不良で十分な水分摂取ができない場合は、早めにかかりつけ医を受診してください。

病気に気づいたらどうする

 かかりつけの小児科を受診します。水分補給を十分に行い、高熱が続いたり脱水を思わせる症状には注意します。

 学校保健安全法では、第二種の学校感染症に規定されており、主な症状が消えてから2日を過ぎるまでは、登校・登園停止です。

多屋 馨子

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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