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商業労働【しょうぎょうろうどう】

日本大百科全書(ニッポニカ)

商業労働
しょうぎょうろうどう
commercial labour 英語
kommerzielle (od. kaufmännische) Arbeit ドイツ語

資本が商品形態から貨幣に(販売)、貨幣形態から商品に(購買)移行する流通過程で機能するのに必要な労働をいう。商業労働は、産業資本のもとでも、また商人自身個人的にも行うが、資本主義のもとでは、大部分は商業資本に雇用される賃労働としての商業労働者によって行われる。

 商業労働力の価値である賃金は、産業資本のもとの賃労働者と同じく、労働力の再生産費で規定され、商業利潤獲得のために商業資本に充用され、必要労働時間(支払い労働)を超えて剰余労働時間(不払い労働)を搾取される。しかし、商業労働は流通過程で機能し、使用価値も価値も剰余価値も生産せず、ただそれを実現するだけだから、商業労働に支出された費用(=賃金)は、生産過程でつくられた剰余価値のなかから補填(ほてん)されなければならない流通空費である。したがって商業労働の不払い労働は、剰余価値を生産するのではなくて、商業資本に産業資本のつくりだした剰余価値をもたらすのである。さらに商業資本家は、この不払い労働分だけ剰余価値実現の流通費を節減し、投下資本量を増大しうる。だから商業労働は個々の資本家にますます多くの利潤をもたらすことになる。よって商業労働は商業資本にとり直接に生産的である。

 商業労働は、もともと熟練と教育を要する比較的高給部類の賃労働であったが、資本主義の発達に伴って事務所内の分業や商業実用教育が普及した結果、商業労働の賃金はしだいに低下する傾向を示すようになった。国民教育の普及はさらにこれを促進したのである。

[海道勝稔]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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