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問屋制家内工業【とんやせいかないこうぎょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

問屋制家内工業
とんやせいかないこうぎょう
中世的手工業から近代的工業への移行期の初期資本主義において,最も多くみられた小商品生産形態問屋制度は,一般的には原材料を前貸しし,生産物を買占めるというのが普通である。問屋制家内工業は,小商品生産者の自立性が失われつつも,彼らが生産用具を所有することによって形式的な自立性をなお保っているような状態に成立する。これは初期資本主義の過程において最も多く存在したもので,マニュファクチュアとも共存していた。このような商人資本産業革命を経た機械制大工業の登場によって,基本的には消滅することになったが,マニュファクチュアは完全に消滅しても,問屋制家内工業は部分的に下請制 (→下請制度 ) という形態で残存している。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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世界大百科事典 第2版

といやせいかないこうぎょう【問屋制家内工業】
封建社会の末期から機械制大工業成立以前に多くみられる,商人による生産支配の工業経営形態。商人たる問屋が手工業者や農民などの小生産者に原料や時には道具をも前貸しして加工させ,加工賃を支払って製品を買い占める。この場合,小生産者は実質的に独立性を失って賃金労働者と同じ地位におちる。日本において問屋制家内工業の形態が出現してくるのは19世紀初頭である。江戸時代中期以降,農民による農産物加工業の商品生産は各地特産物という形で発展して製品を遠隔地に販売し,原料も遠隔地から買い集めることが多かった。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

とんやせいかないこうぎょう【問屋制家内工業】

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

問屋制家内工業
といやせいかないこうぎょう
putting-out system 英語
Verlagssystem ドイツ語
commandite industrielle フランス語

問屋とは物品の買入れ、販売の取次ぎをする企業家のことをいう。その企業家が市場における大量の需要を目当てに、自らが生産に乗り出すのではなく、多くの零細な家内労務者に生産を委託する企業体制を問屋制家内工業という。問屋が、単に製品の直接間接の買占め人である場合、高利貸をも兼ねて、生産者に貸しをつくり負債と引き換えに製品を買いたたく場合、原料や生産用具を前貸しして、生産者をいっそう従属させる場合などがある。生産者は自宅内に仕事場をもち、多くの場合、生産用具は自分のものであるから、形のうえでは独立した小生産である。だが、資本力が弱く商人企業家に頼らざるをえないこと、商人企業家の市場支配力に依存して製品を販売しなくてはならないこと、このような経済事情から、実質的には賃金労働者に似た従属関係に置かれる。

 問屋制家内工業は、前近代の自営的手工業と、近代の機械制大工業の中間にある過渡的な企業形態である。技術の面では手工業の水準にありながら、市場が拡大し、流通面の有力者が経済活動の指導者でありえた時代だったからである。ただし、家内工業の生産者が、封建制社会のなかでどのような位置にいるのか、その社会での都市手工業者の勢力がどの程度か、市場関係が遠隔のものか近隣のものか、などの社会的、経済的事情により、問屋制家内工業の強弱や、そこから機械制大工業への移行の速度が決められた。

[寺尾 誠]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

とんやせい‐かないこうぎょう ‥カナイコウゲフ【問屋制家内工業】
〘名〙 初期資本主義で、小生産者が商業資本家から生産手段や資金を前借りし、自分の住居で生産を行なう形態。

出典:精選版 日本国語大辞典
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といやせい‐かないこうぎょう とひやセイカナイコウゲフ【問屋制家内工業】

出典:精選版 日本国語大辞典
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旺文社日本史事典 三訂版

問屋制家内工業
といやせいかないこうぎょう
江戸時代,商業資本の前貸しをうけ,これに従属して生産を営む家内工業
江戸後期から出現。製品の買受人である問屋が生産者に生産用の資金・原料・器具を貸付け,製品の買付・販売を独占。生産者の独立性は失われ,問屋から工賃を得て生産する賃労働者の地位に置かれた。18世紀初期の生糸・絹織物生産に早く現れ,幕末,各部門に拡大した。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
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