●噴水【ふんすい】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
噴水
ふんすい
fountain
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デジタル大辞泉
ふん‐すい【噴水】
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リフォーム用語集
噴水
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世界大百科事典 第2版
ふんすい【噴水 fountain】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
噴水
ふんすい
fountain 英語
fontaine フランス語
fontana イタリア語
Brunnen ドイツ語
池や泉水に水を噴出させる装置。「噴泉」ともいう。欧米語では「泉」の意をも兼ねるように、古くから庭園、公園、都市の広場などに設けられ、市民のオアシスとして親しまれてきた。
泉や噴水を庭園や広場のデザインの構成要素とすることは早くから行われており、古代メソポタミアやアッシリアの遺跡からは、噴水を設ける水盤や、階段上の噴水跡が発見されている。古代ギリシアでは泉そのものを神聖視していたので、そこに水盤を設けて噴水をつくり、その周囲に神殿や公共建造物を建てた。泉は神々やニンフ、英雄に捧(ささ)げられたが、同時に市民への水の供給という実用面も兼ねていた。西欧の造園事業が種々の建築と組み合わされて高度化するのはローマ帝国時代であるが、この時代になると、公共の噴水に加えて浴場や貴族の邸宅の中庭などにも噴水が設けられるようになり、建築装飾の要素も多くなる。ベスビオ大噴火の灰礫(かいれき)の下から発掘されたヘラクラネウムとポンペイからは、当時の遺構がいくつか発見されている。
中世には一時、装飾的な噴水は影を潜めるが、主としてイベリア半島に残るイスラム系の宮殿では、ビザンティン文明に特有の、王侯貴族の日常生活の現世的悦楽を豊かに表現した庭園がつくられた。グラナダのアルハンブラ宮殿のライオンのパティオ(小内庭)の水盤や、噴水をモチーフにしたヘネラリーフェ離宮のアセキアのパティオが知られる。
ルネサンスを迎えたイタリアでは、広場のデザインの一つとして噴水に大きな比重がかけられるようになる。レオナルド・ダ・ビンチも噴水の設計図を残しているが、このころから彫刻が噴水の構成要素として前面に押し出され、噴水そのものも装飾的になっていった。この傾向は次のバロック期に入るとさらに複雑化して、芸術的にも優れたものが数多くつくられた。「ローマの泉」あるいは「ローマの噴水」とよばれて今日残るものの多くは、ほとんどがこのバロック期のもので、とくに17世紀中期から後期に活躍したベルニーニ制作のものが名高い(ナボナ広場の四つの川の噴水とムーア人の噴水、バルベリーニ広場のトリトンの噴水など)。有名なトレビの噴水はニコラ・サルビの設計、ブラッチの彫刻により1762年に完成している。この時代には個人の邸宅にも噴水が設けられたが、そのなかではローマ郊外チボリにあるビラ・デステのものが名高い。ここでは山の斜面を利用して水をふんだんに用い、卵形の噴水、オルガンの噴水、百の噴水などが設けられている。
フランスでは庭園の噴水が発展したが、なかでもルイ14世の命で名造園家ル・ノートルが設計したベルサイユ宮殿の噴水群(ネプチューンの噴水、竜の池の噴水、アポロンの噴水など)が有名である。ベルサイユの造園は宮廷庭園の規範となって全ヨーロッパに広まり、これに倣った庭園や噴水を数多く生み出した。また、装飾的なバロック噴水の形態は都市デザインの要素の一つとして引き継がれ、パリの数次にわたる都市改造に際しても、そのつど公共広場に噴水が設置された。
古代から近世にかけての噴水は水の落差を利用したものであったが、19世紀以降は、ポンプや自動操作機を使用したものがつくられるようになり、水そのものの姿を変化させることが行われるようになった。博覧会のたびに大掛りで照明などにも技巧を凝らした噴水がつくられて話題をよび、その傾向は今日まで続いている。
日本の庭園では自然を生かすことが主体となっていたので、人工的な噴水は発達していない。金沢の兼六園に設置されたものはまれな例といえよう。明治以降の洋風建築の導入、西洋式公園の設置に伴って各地に新奇なものとして設置されたが、都市のデザインとして定着したとはいえなかった。上野公園、日比谷(ひびや)公園、中之島公園の噴水などは、公共の憩いの場として市民生活に欠かせないものになっている。本格的な大規模な噴水がつくられるのは第二次世界大戦以降のことで、遊園地をはじめ、ホテル、公共建造物、オフィスビルの入口など、さまざまのところにもつくられるようになり、壁面から水平に水を噴出させる壁泉や、大掛りな人工滝とともに、現代庭園の重要な要素になっている。
[重森完途]
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精選版 日本国語大辞典
ふん‐すい【噴水】
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