●回向【えこう】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
回向
えこう
pariṇāma
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
デジタル大辞泉
え‐こう〔ヱカウ〕【回向/×廻向】
1 死者の成仏を願って仏事供養をすること。「冥福を祈って―する」
2 自分の修めた功徳(くどく)を他にも差し向け、自他ともに悟りを得るための助けとすること。
3 浄土真宗で、阿弥陀仏が人々に救いの働きを差し向けて浄土に迎えること。
4 寺への寄進のこと。
「沙金錦絹を徳長寿院へ―し奉るべし」〈盛衰記・一〉
5 「回向文(えこうもん)」の略。
出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
世界大百科事典 第2版
えこう【回向】
出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.
日本大百科全書(ニッポニカ)
回向
えこう
仏教において、自己が仏道を修めた善い行為や功徳(くどく)を、すべての人々の悟りのために振り向けることをいう。一般に、サンスクリット語パリナーマナーpariāmanāの訳とし、廻向とも書く。大乗仏教では善行の結果が悟り(正覚(しょうがく))に向けられるためには、衆生(しゅじょう)に功徳を施し、ともに仏になることが強調された。とくに浄土教では、念仏を唱え、浄土に思いを巡らして、往生を願うことを意味した。回向には二つあり、自分の功徳を人々に振り向けて、ともに極楽浄土に往生しようと願うのを往相(おうそう)回向といい、ひとたび極楽浄土に生まれたものが、ふたたびこの世に還(かえ)って、人々を教化し、浄土を願うように振り向けることを還相(げんそう)回向という。また、施しなどの回向が自分の亡き親属血縁に及ぶことを記した経典の記述などがあり、仏事法要を営んだ結果、その功徳が死者のその後の安穏(あんのん)をもたらし、仏道に向かわしめることをいうようになった。
[石上善應]
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
「回向」の用語解説はコトバンクが提供しています。
●回向の関連情報