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因果律【いんがりつ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

因果律
いんがりつ
causality
(1) 原因と結果の間には一定の関係が存在するという原理。 (→因果性 ) (2) 物理現象で結果は原因より時間的に先行することがないと主張する原理を巨視的因果という。たとえば散乱波は入射波が散乱体に到達する前には現れない。 (3) 特殊相対性理論によれば,物理状態を変化させる作用光速度より速くは搬できない。したがって,光の信号を交換できないような時空世界の2点は因果的に無関係であり,そのような2点の物理量は互いに独立である。この特殊相対性理論の命題を微視的因果律という。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

いんが‐りつ〔イングワ‐〕【因果律】
哲学で、すべての事象は、必ずある原因によって起こり、原因なしには何ごとも起こらないという原理。物理学では、どの形式で事象を記述するかによって意味が異なる。古典物理学では、哲学と同じくすべての事象の原因と結果の間に一定の関係が存在し、原因は結果より時間的に必ず先行すると考え、ある時刻の系の状態が与えられれば、それ以後あるいは以前の系の状態が必然的かつ一意的に決定する。一方、量子力学においては、系の状態に因果性はあるが確率的に記述されるため、系の物理量の測定値を古典物理学のように確定的に予測することはできない。また、相対性理論においては、事象の時間的な前後関係が観測者によって異なる場合があるため、物体や場の変動(情報を伝える信号など)は光速度を超えて伝播しないという制限を課すことで因果律とする。→因果律の破れ

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

いんがりつ【因果律 causality】
物理学においては因果律は次のような意味に用いられている。古典物理学では,原因があって結果が生ずるという因果関係が認められている。したがって現在の状態を完全に指定すればそれ以後の状態はすべて一義的に決まり,また逆に現在の状態が分かれば過去の状態も分かるという決定論が成り立つ。古典物理学の法則は,ニュートンの運動法則とマクスウェルの電磁気学が基本であるが,いずれも時間に関する微分方程式である。これらの方程式を解き,ある時刻での初期条件を与えれば,すべての時刻における状態は一義的に決定される。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

いんがりつ【因果律】
どのような事象もすべて何らかの原因の結果として生起するのであり、原因のない事象は存在しないという考え方。因果法則。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

因果律
いんがりつ
ある時刻における事象(原因)から、それより未来の時刻における別の事象(結果)が必然的に生じる場合、そのことを因果律という。たとえば、A地点で、ある方向に決まった速度で弾丸を発射すれば、一定の時間ののちにB地点に弾丸が落下する。このように古典物理学では、考える過程の初めの状態を指定し、そこに働く力がわかっていれば、それよりあとの時刻の状態は一意的に決まる。したがって、ある時刻において宇宙を構成するすべての物体の位置と速度を定め、それらの間の力がわかっていれば、それ以後の宇宙のできごとはすべて決定されることになる。しかし、古典物理学が成り立たず、量子力学が支配するような微視的対象が問題になる場合には事情が異なる。対象の量子力学的状態は量子力学の法則により因果的に記述され、初期条件によって一意的に決まるにもかかわらず、観測にかかる事象については、一般には一意性は失われ、確率的な予言しかできない。これは、因果律が成立しないのではなく、古典論的因果律と量子論的因果律との違いを示すものである。
 因果律はまた、ある時刻のできごとは、それより過去のできごとの影響しか受けないという原理が自然を支配していることを意味する。相対性理論によれば、真空中の光速度よりも速く伝わる作用は存在しえないから、離れた場所の間のできごとが互いに影響を受けるのは、一定の有限の時間よりあとに限られる。
 1990年ころから、「絡まった状態」とよばれる量子力学特有の状態を利用する量子通信の研究が盛んに行われるようになった。この「絡まった状態」は因果律の破れに結び付いているという議論が、アインシュタイン、ポドルスキーBoris Podolsky(1896―1966)、ローゼンNathan Rosen(1909―95)によるアインシュタイン・ポドルスキー・ローゼンの思考実験以来行われていたが、これも古典論的および量子論的な因果律の違いに帰せられるものであって、因果律そのものを破っているわけではないことが、1980年ころから理論的にも実験的にも明らかにされている。[町田 茂]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

いんが‐りつ イングヮ‥【因果律】
〘名〙 (law of causality訳語)
① 哲学で、すべての出来事は、ある原因から生じた結果のすがたで、その間には一定の必然的関係があり、原因がなくては何ごとも起こらない、という原理。また、同一条件下ではつねに同一の現象が起こるという法則。
※不自然は果して美か(1902)〈長谷川天渓〉「現実は因果律に束縛せられ」
② 物理学で、ある時点の系の状態が与えられると、それ以後あるいは以前の系の状態が決定するという法則。

出典:精選版 日本国語大辞典
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