●団体交渉【だんたいこうしょう】
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団体交渉
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知恵蔵
団体交渉
(桑原靖夫 獨協大学名誉教授 / 2007年)
出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
デジタル大辞泉
だんたい‐こうしょう〔‐カウセフ〕【団体交渉】
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監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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世界大百科事典 第2版
だんたいこうしょう【団体交渉 collective bargaining】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
団体交渉
だんたいこうしょう
労働組合と使用者または使用者団体との間で、労働条件をはじめとする労使関係上の諸問題をめぐって行う交渉をいう。個別的な関係では使用者に対して弱い立場にある労働者は、労働組合を結成し、その力を背景とした団体交渉によって初めて使用者と対等の立場で交渉し、労働条件の維持・改善、その他労働者の地位の向上を図ることができる。
歴史的にみれば、使用者はつねに労働組合との団体交渉を拒否してきたし、あえて交渉を強要すれば、労働組合は面会強要罪、建造物侵入罪などの刑事責任を問われた。したがって、団結権が承認されたことは、使用者が労働組合を団体交渉の相手方として承認すること、また、交渉の実行行為者に対し刑事・民事責任を問わないことを意味していた。
今日では、団体交渉は労働組合が労使関係上のあらゆる問題を解決するためのもっとも中心的な手段であり、団結権の保障により、使用者は労働組合と誠実に交渉する義務があることから、団体交渉が自主的な労使関係のルールを形成するうえで果たす役割は大きい。
日本では、憲法第28条が労働者の団体交渉権保障を規定していることから、団体交渉権は規模の大小を問わずすべての労働組合に保障される。また、同条が「団体交渉その他の団体行動をする権利」を保障すると規定していることから、団体交渉に伴う一定の団体行動に対しては刑事・民事免責が認められる。
憲法の団体交渉権保障を受けて、労働組合法第1条は、「労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の団体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制する労働協約を締結するための団体交渉をすること及びその手続を助成することを目的」とし、第7条2号で使用者による団交拒否を不当労働行為の一つとして規定し、労働委員会による行政救済を設けている(27条)。団体交渉に誠実に応じようとしない使用者に団交応諾義務を課すことで、憲法の団交権保障を具体化しているのである。しかし、使用者の団交応諾義務はかならずしも妥結・協定締結義務までも含むものではなく、団体交渉がまとまらないときは争議行為を通じて問題の解決が図られることになる。
公務員の場合には団体交渉権が保障されているにもかかわらず、登録された職員団体しか団体交渉を行えない。そのうえ、交渉事項が限定されているばかりか、労働協約の締結権さえ否認されている(国家公務員法108条の5、地方公務員法55条)。さらに、公務員は団体交渉を支える争議権が全面的に剥奪(はくだつ)されているので、その団体交渉はいわば「陳情」に近い性格のものとなっている。
団体交渉が実際にどのような方式で行われるかは、労働組合の組織形態や労使関係のあり方に規定される。一般に西ヨーロッパにおいては、労働組合が企業の枠を超えた個人加盟の産業別組織形態をとっていることから、団体交渉も産業別団体交渉方式となっている。産業別交渉が制度化するにしたがい交渉機構の中央集権化と職場組織の空洞化が進み、職場の労働者の要求に立脚した職場レベルの交渉の構築・強化が、各国の労働組合運動の大きな課題となってきた。
これに対し日本の団体交渉は、労働組合が企業別組織形態であることから、個別企業と企業別組合による企業内交渉が支配的であった。この企業別交渉の弱点を克服する方向として、統一交渉、対角線交渉、共同交渉、集団交渉などの産業別組織が関与した交渉方式もとられてきた。近年、「地域ユニオン」や「管理職ユニオン」などの合同労組は、非正規労働者などをひとり組合員として組織し、その労働者が雇用されている企業と交渉をすることで、個別・具体的な問題解決を図っているが、こうした交渉形態は従来の企業内交渉の枠を超えるものとして注目される。
[寺田 博]
『石井照久著『労働法実務大系4 団体交渉・労使協議制』(1972・総合労働研究所)』▽『『野村平爾著作集3 団体交渉と協約闘争』(1978・労働旬報社)』▽『日本労働法学会編『現代労働法講座4 団体交渉』(1981・総合労働研究所)』▽『光岡正博著『団体交渉権の研究』新訂版(1986・法律文化社)』▽『青木宗也ほか著『労働判例大系12 団体交渉』(1992・労働旬報社)』▽『初岡昌一訳・解説『結社の自由と団体交渉――ILO条約勧告適用専門委員会報告』(1994・日本評論社)』▽『坂本重雄著『団体交渉権論』(1994・日本評論社)』▽『日本労働法学会編『講座21世紀の労働法第8巻 利益代表システムと団結権』(2000・有斐閣)』
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精選版 日本国語大辞典
だんたい‐こうしょう ‥カウセフ【団体交渉】
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