●固定【こてい】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
固定
こてい
fixation
心理学用語。 (1) 生体のある行動や反応が,高い安定性をもって確定されること。所要時間の短縮や誤りの減少などをもって,その指標とする。 (2) 新しい学習を獲得することができず,問題解決が不可能な状況にさらされたり,強いストレスが加えられて,情緒的混乱に陥ったりした場合に行う無効な習慣的行動の反復,ないし固執の現象。こうした反応の固定は,人間の場合特にフラストレーションの事態でよく観察される。何度も無効な反応を繰返すという意味で,常同的反応ともいわれる。 (3) ある人物,対象に対して強い愛着を示すこと。特に感情的固着といい,幼児期に形成されたまま,未熟な神経症的な形で持続することがある。 (4) S.フロイトは,リビドーが発達のある段階から抜け出せず,その結果,人がその段階特有の快感追求の傾向に固執するようになることをさして,リビドーの固定 (または固着) と呼んだ。たとえば,母親への愛が固定して,ほかの女性への愛に移行できない場合などはこれにあたる。
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デジタル大辞泉
こ‐てい【固定】
[名](スル)
1 一定の位置に止まって動かないこと。また、動かないようにすること。「支柱を固定 する」「ねじで固定 する」
2 一定していて変化しないこと。「客が固定 する」「固定 給」
3 生物の組織や細胞を顕微鏡で観察するとき、生きているときに近い状態で保つために、原形質をアルコール・ホルマリンなどで凝固させること。固定法。
4 遺伝子がホモ(同型)の状態になり、子孫で形質が分離しなくなること。
1 一定の位置に止まって動かないこと。また、動かないようにすること。「支柱を
2 一定していて変化しないこと。「客が
3 生物の組織や細胞を顕微鏡で観察するとき、生きているときに近い状態で保つために、原形質をアルコール・ホルマリンなどで凝固させること。固定法。
4 遺伝子がホモ(同型)の状態になり、子孫で形質が分離しなくなること。
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精選版 日本国語大辞典
こ‐てい【固定】
〘名〙
① 一つの場所や一定の状態から動かないこと。また、動かないようにすること。変化しないこと。
※舎密開宗(1837‐47)内「其嘴を受器に挿し殆んど加里の滷面に触れしめ装置を固定し」
※海辺の光景(1959)〈安岡章太郎〉「織物会社の嘱託として月月固定の収入を得ながら」
② 生物学用語。
(イ) 個体や細胞、組織をなるべく生きているときに近い状態で保存・観察するため、原形質を凝固させること。また、その方法。固定法。
(ロ) 遺伝子がホモ(同型)になること。
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