●国字【こくじ】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
国字
こくじ
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デジタル大辞泉
こく‐じ【国字】
2 漢字に対して仮名をいう。
3 漢字の字体にならって日本で作られた文字。ふつう訓だけで音読みがない。「峠(とうげ)」「辻(つじ)」「躾(しつけ)」の類。
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世界大百科事典 第2版
こくじ【国字】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
国字
こくじ
種々の意味に用いられる語で、大略次の用法がある。
(1)国語を書き表すのに用いる文字の総称。現代日本語では、漢字、平仮名、片仮名、ローマ字、算用数字などである。「国字問題」「国字改良」というときの「国字」はこの意味である。
(2)漢字に対して仮名をさす。和字ともいう。この用法は江戸時代が中心で、現在はあまり用いられない。
(3)中国でつくられた漢字に倣って、日本で新たに案出された文字。和製漢字ともいう。
以上のうち、普通には(3)の意味で用いられることがもっとも多い。これは、中国に存在しない事物や、通常の漢字では表現しにくい観念を示すためにつくられたものであり、「峠(とうげ)」「畑(はたけ)」「辻(つじ)」「凩(こがらし)」「凪(なぎ)」「躾(しつけ)」「鰯(いわし)」などがその例である。新井白石(あらいはくせき)は『同文通考』で81字を取り上げて国字とし、伴直方(ばんなおかた)(1789―1842)の『国字考』では126字をあげているが、国字であるか否かの認定がまだ不明確なものもある。
国字には、原則として「音」がなく「訓」のみが存在する(ただし、「働(はたらき)」には音「ドウ」があり、「鱇(コウ)」「腺(セン)」「鋲(ビョウ)」などのように「音」のみのものもある)。その構成法は、許慎(きょしん)の六書(りくしょ)でいえば、会意(構成要素を組み合わせて新しい観念を示す)によるものが大部分で、「神前に供える木」が「榊(さかき)」、「雨が下に落ちる」のが「雫(しずく)」、「山の上りと下りの境界」が「峠」、「木を枯らす風(几)」が「凩」になるのがその例である。
[月本雅幸]
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精選版 日本国語大辞典
こく‐じ【国字】
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