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国家神道【こっかしんとう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

国家神道
こっかしんとう
明治維新後,天皇統治体制のもとに,国家によって形成され,振興された国民宗教。伊勢神宮を本宗として,その下に全国の神社を階層的に組織編成し,宮中祭祀を基準にして祭祀を行うものであった。政府は国家神道宗教としての神道諸教派,仏教キリスト教を超越する非宗教として位置づけ,信教の自由も国家神道と抵触しない限度内で認めた。国家神道では政治的元首である天皇が最高祭祀者として祖神を祀るので,天皇と祖神の崇拝,国家主義思想がその重要な思想となるが,1889年に制定された「大日本帝国憲法」は天皇の神聖不可侵の地位を明文化し,翌年渙発された「教育勅語」は忠孝を強調し,国家神道をよりどころとする国民道徳は学校で盛んに教えられた。満州事変から第2次世界大戦にかけて国家神道は強化され,超国家主義思想と聖戦思想の根拠とされた。大戦終了後,占領政策の一つとして政教分離が行われ,国家神道は解体した。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵

国家神道
国家神道とは、国家が法令によって他の神道と区別して管理しようした、戦前神社神道(神社を中心とする神道)のことで、天皇家の祖先神とされる天照大神を祀る伊勢神宮が全国の神社の頂点に立つ本宗(総本山)とされた。国家神道という言葉は、第2次大戦後GHQ(連合国軍総司令部)による神道指令(1945年)で使用され一般化。明治政府は神道を中心とする政府主導の国民教化を目指し、神祇官(神社行政を司った古代官庁)を復興させ、神社から仏教色を取り除くように命じた神仏判然令(神仏分離令)を1868(明治元)年に出した。神仏判然令は地域によっては曲解され、貴重な仏教的文化財が破壊される事態も生じた(廃仏毀釈)。その後、政府主導の神道国民教化策が不振に終わる。そこで政府は、「神社は宗教にあらず」という論理で、神社を「国家の宗祀」(国家が祀るべき公的施設)と位置づけ、神社神道を他の諸宗教とは異なる扱いにした。ここに国家神道が成立し、神社神道は祭りにかかわり、黒住教(くろずみきょう)、金光教(こんこうきょう)、天理教などを始めとする教派神道が教化にかかわるというように、役割が分担されることになった。
(岩井洋 関西国際大学教授 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

こっか‐しんとう〔コクカシンタウ〕【国家神道】
明治新政府が、神社神道皇室神道を結びつけてつくり出した神道。宗教としての神道を国家本位の立場に立って利用したもので、神道を国民精神のよりどころとし、行政的措置によって保護・監督を国家が行い、国民に天皇拝と神社信仰を義務づけた。第二次大戦後、占領軍神道指令によって解体。

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世界大百科事典 第2版

こっかしんとう【国家神道】
近代天皇制国家がつくりだした一種の国教制度。国家神道の思想的源流は,仏教と民俗信仰を抑圧して,記紀神話と皇室崇拝にかかわる神々を崇敬することで宗教生活の統合をはかろうとした,江戸時代後期の水戸学や国学系の復古神道説や国体思想にある。明治維新にさいして,こうした立場の国学者や神道家が宗教政策の担当者として登用され,古代の律令制にならって神祇官が設けられて,祭政一致が維新政府のイデオロギーとなった。1868年(明治1)3月には神仏分離に関する一連の法令がだされ,それ以後全国的に神仏分離廃仏毀釈が行われた。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

こっかしんとう【国家神道】
明治維新期に国家権力の保護により、神社神道と皇室神道が結合して成立した神道。幕末の復古神道、特に平田派の国学者の思想の影響を受けて形成された。天皇制イデオロギー・国家主義思想の理念的背景となり、第二次大戦終了まで続いた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

国家神道
こっかしんとう
神道の一形態で、近代天皇制国家が政策的につくりだした事実上の国家宗教。神社神道を一元的に再編成し、皇室神道と結び付けた祭祀(さいし)中心の宗教である。王政復古を実現した新政府は、1868年(明治1)祭政一致、神祇官(じんぎかん)再興を布告して神道の国教化を進め、神仏判然令で神社から仏教的要素を除去して、全神社を政府の直接の支配下に置いた。71年、政府は全神社を国家の宗祀とし、社格を制定して、神社の公的地位を確立した。皇室の祖先神天照大神(あまてらすおおみかみ)を祀(まつ)る神宮(伊勢(いせ)神宮)は、全神社の本宗(ほんそう)と定められた。82年、祭祀と宗教の分離が行われ、国家神道は、非宗教、超宗教の国家祭祀とされた。
 明治中期には、教派神道、仏教、キリスト教の3教が、国家神道に従属する事実上の公認宗教となり、国家神道体制が成立した。1889年大日本帝国憲法が制定され、その第28条は「信教ノ自由」を定めたが、それは、国家神道の枠内での宗教活動の容認にすぎなかった。天皇は神聖不可侵の現人神(あらひとがみ)とされ、国家神道の最高祭司として祭祀大権を保持する存在となった。翌年出された「教育勅語」は、国民に天皇制国家への忠誠を命じるとともに祖先崇拝を強調し、国家神道の事実上の教典となった。また各学校へ配布された天皇・皇后の「御真影(ごしんえい)」は、国家神道の事実上の聖像として礼拝の対象となった。1900年(明治33)内務省に神社局が設置され、神社行政と宗教行政が分離された。
 明治後期には、皇室祭祀を基準として神社祭式が定められ、神官神職は待遇官吏として公的身分を与えられた。神社の経営には、国および道府県市町村から供進金が支出された。国家神道のもとで、国内をはじめ植民地、占領地などに靖国(やすくに)神社、橿原(かしはら)神宮、明治神宮、朝鮮神宮、建国神廟(びょう)などの神社が相次いで創建された。国民は天皇崇拝と神社信仰を義務として課せられ地元の神社の氏子に組織された。1940年(昭和15)「紀元二千六百年」を機に神社局は神祇院に昇格し、戦争の激化とともに、国体の教義が鼓吹された。日本は万世一系の天皇が統治する万邦無比の神国とされ、世界征服を意味する八紘一宇(はっこういちう)が「聖戦」のスローガンとなった。
 敗戦直後の1945年(昭和20)12月、GHQ(連合国最高司令部)は神道指令を発して、国家神道の廃止と政治と宗教の分離を命じた。神社神道は国家的公的性格を失って、民間の宗教として再出発することとなり、47年神社本庁が設立された。[村上重良]
『村上重良著『国家神道』(岩波新書) ▽神道文化会編・刊『明治維新神道百年史』全5巻(1966~68) ▽藤谷俊雄著『神道信仰と民衆・天皇制』(1980・法律文化社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

こっか‐しんとう コクカシンタウ【国家神道】
〘名〙 明治以後国家権力の保護の下で、国教的性格を持っていた神社神道。天皇を現人神(あらひとがみ)と崇(あが)め祭事を行なう神道。昭和二〇年(一九四五)一二月、GHQ(連合国最高司令部)の指令により廃止。

出典:精選版 日本国語大辞典
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旺文社日本史事典 三訂版

国家神道
こっかしんとう
近代の国教としての神道
神道を政治に利用することはすでに江戸時代から行われているが,近代に入ると平田派の国学者らによって,1870年大教宣布が行われ,神社神道を国教化することが進められた。その後神道は近代天皇制の思想的支柱となり,軍国主義イデオロギーの推進力となった。しかし第二次世界大戦に敗れた結果,1945年国家と神道の分離が行われた。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
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