●国連貿易開発会議【こくれんぼうえきかいはつかいぎ】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
国連貿易開発会議
こくれんぼうえきかいはつかいぎ
United Nations Conference on Trade and Development; UNCTAD
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知恵蔵
国連貿易開発会議
(室井義雄 専修大学教授 / 2008年)
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世界大百科事典 第2版
こくれんぼうえきかいはつかいぎ【国連貿易開発会議】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
国連貿易開発会議
こくれんぼうえきかいはつかいぎ
United Nations Conference on Trade and Development
略称UNCTAD(アンクタッド)。開発途上国の経済開発と貿易の促進を目的として設立された国際連合総会の補助機関。1960年ごろより国連の内外において、いわゆる「南北問題」に対する関心が高まり、国連は1961年の第16回国連総会において、1960年代を「国連開発の10年」と指定し、国連加盟国および国連関係機関が協力して途上国の経済開発にあたることを確認した。同時に途上国の要求に基づき国際貿易・開発問題に関する国際会議開催を検討する決議を採択した。途上国も1962年7月、同会議の早期開催を求める「カイロ宣言」を採択した。これにこたえて1962年7月の国連経済社会理事会および同年秋の第17回国連総会で、UNCTADの開催が正式に決定された。第1回UNCTAD総会は1964年3月にジュネーブで開催され、同年秋の第19回国連総会においてUNCTADを国連総会の常設補助機関とすることが承認された。
UNCTADの加盟国は2014年1月時点で194か国である。これらは各国の開発段階に応じて、Aグループ(アジア・アフリカ諸国)、Bグループ(西側先進諸国)、Cグループ(中南米諸国)、Dグループ(東欧諸国)に分かれており、A、Cグループはいわゆる「77か国グループ」を形成する。UNCTADの会議においては、これらのグループ間交渉が行われるのが特徴である。
UNCTADの主要機関は総会、貿易開発理事会Trade and Development Board(TDB)、常設委員会、事務局である。総会は最高決定機関で、少なくとも4年に1回開催される。TDBはUNCTADの中核的機関で、年1回開催され、各種の南北問題の討議および会議の諸勧告の実施状況の検討を行い、必要な措置をとる。TDBの下部機関として貿易開発委員会と投資・企業・開発委員会の二つの常設委員会が設置されている。事務局は国連事務総長によって任命される事務局長以下、約450人(2013年1月時点)のスタッフで構成され、ジュネーブに本部が置かれている。
UNCTADは、本質的に、各国が集まって途上国の貿易と開発に関する諸問題を討議し、関係国や関係国際機関がとるべき行動を提案する場である。したがって、強い拘束力のある決定を行って加盟国の行動を拘束する機関ではない。対話を基本とするUNCTADにおいて、討議テーマが、当初の一次産品問題、一般特恵、経済協力から、開発金融、国際通貨、累積債務、サービス貿易、保護主義、構造調整、後発開発途上国(LDC)援助、途上国間経済協力、貿易効率プログラムなどの諸問題に拡張されており、その国際的調整はますます困難になりつつある。同時に、これらのUNCTADのテーマが実施段階に入ってくるにつれて、発展段階、産業構造、政治体制、資源政策などの相違に基づき、各途上国の南北問題への対応方法自体に格差が目だつようになり、UNCTADは先進国と途上国との相互依存問題に加えて、重層的分化を進めつつある途上国相互間における利害関係の調整という困難な課題に直面している。
[横川 新]
『『UNCTADと日本』(1983・外務省情報文化局国内広報課)』
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旺文社世界史事典 三訂版
国連貿易開発会議
こくれんぼうえきかいはつかいぎ
United Nations Conference on Trade and Development
1964年3月,発展途上国の立場から貿易と経済開発の改善をはかるため,ジュネーヴで119か国による国際会議が開かれ,同年秋の国連総会の決議で常設機関となった。4年に一度会議を開くが,1976年のナイロビ総会まで,発展途上国は一貫して先進国との所得格差是正のため,第1次産品の価格安定の制度的保証を迫っている。
出典:旺文社世界史事典 三訂版
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デジタル大辞泉
こくれん‐ぼうえきかいはつかいぎ〔‐ボウエキカイハツクワイギ〕【国連貿易開発会議】
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