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国際原子力機関【こくさいげんしりょくきかん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

国際原子力機関
こくさいげんしりょくきかん
International Atomic Energy Agency; IAEA
原子力の平和利用の促進,軍事的利用への転用防止を目的とする国際機構。本部オーストリアウィーン国際連合の専門機関ではないが,国連と密接な連携関係をもつ関連機関。1953年アメリカ合衆国のドワイト・D.アイゼンハワー大統領の国連総会における "Atoms for Peace"の演説がきっかけとなって,1957年7月29日 IAEA憲章が発効し,機関が発足した。原子力の平和利用のために与えられている具体的権限としては,(1) 原子力の研究,開発,実用化を奨励,援助し,加盟国間の役務の実施,物資,設備,施設などの供給について仲介者となり,また独自の活動,役務も行なう,(2) 開発途上地域における必要性を考慮しつつ物資,役務,設備,施設などを提供する,(3) 科学上,技術上の情報交換を促進する,(4) 科学者,専門家の交換,訓練を奨励する,(5) 健康上,安全上の基準を定めて適用する,(6) 軍事転用防止のために保障措置を設定・実施する,などがある。組織は総会,理事会,事務局からなり,総会は全加盟国の代表者で構成され,通常会期は毎年 1回本部で開催されるが,要請があれば特別会期も招集できる。総会の任務は理事国の選出,新加盟国の承認,予算の承認など広範にわたる。理事会は指定理事国 13ヵ国と各地域の総会選出理事国 22ヵ国の計 35ヵ国からなり,総会に対する責任を負うことを条件に IAEAのあらゆる任務を遂行する権限をもち,実質的な決定をすべて行なう。事務局は任期 4年の事務局長を筆頭に 6人の事務次長がおり,それぞれ事務管理局,原子力科学・応用局,技術協力局,保障措置局,原子力エネルギー局,原子力安全局の長として事務局長を補佐する。2005年モハメド・エルバラダイ事務局長とともにノーベル平和賞を受賞。2012年6月現在加盟国は 154。

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知恵蔵

国際原子力機関
原子力の平和利用促進と、軍事に転用されないための保障措置を実施する国際機関。国連機関ではないが、強い協力関係にある。1953年の国連総会で、アイゼンハワー米大統領が平和利用のために原子力技術を開放する「アトムズ・フォー・ピース」演説をし、設立を提唱。発足したのは57年。本部はオーストリアのウィーン。総会と理事会、事務局からなる。旧ソ連のチェルノブイリ原発事故報告書の検討と放射能汚染地域の住民健康調査、湾岸戦争後のイラク開発査察北朝鮮の核開発疑惑での査察など、世界に大きな影響を与える活動をしている。2005年には、それまでの査察などによる軍事転用防止から一歩踏み込んで、民生用のウラン濃縮とプルトニウム抽出の国際管理を提案した。また、05年度のノーベル平和賞をエルバラダイ事務局長とともに受賞した。IAEAが行ってきた核査察活動が評価されたためだが、核拡散の動きが強まる中でIAEAの今後の役目の重要性もノーベル賞委員会は授賞理由で強調した。職員数は約2300人。07年9月現在、加盟国は144カ国。
(渥美好司 朝日新聞記者 / 2008年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

こくさい‐げんしりょくきかん〔‐ゲンシリヨクキクワン〕【国際原子力機関】
国際連合の機関の一。原子力の平和利用の促進と軍事利用の防止を目的とする国際機関で、核の番人とよばれる。1957年設立、2005年にノーベル平和賞を受賞。本部はウィーン。IAEA(International Atomic Energy Agency)。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

こくさいげんしりょくきかん【国際原子力機関 International Atomic Energy Agency】
略称IAEA。アイゼンハワー米大統領の提唱などにより,1957年7月ウィーンに本部を置いて発足した国際機関。その主要な設立目的は,全世界における平和,保健および繁栄に対する原子力の貢献を促進し増大するよう努力すること,ならびに,機関自身が与える援助,機関の要請にこたえて与えられる援助,もしくは機関の管理下にある援助がいかなる軍事的目的をも助長するような方法では利用されないよう,その能力のかぎり保障することである。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

こくさいげんしりょくきかん【国際原子力機関】
原子力の平和利用を促進するために、国際連合の下に設立された国際的な協力機関。1957年発足。平和利用に関する技術情報の交換、原子力施設の運転の安全基準作成、軍事目的への転用の防止などを行う。 IAEA 。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

国際原子力機関
こくさいげんしりょくきかん
International Atomic Energy Agency

略称IAEA。原子力の軍事的利用を防止し、平和的利用を促進するために、独自の憲章(IAEA憲章)に基づいて1957年に設立された国際的協力機構。1953年の国連総会で、当時のアメリカ大統領アイゼンハワーが演説した「平和のための原子力Atoms for Peace」の提案をもとに発足した。ウィーンに本部を置き、2009年12月時点での加盟国数は151か国。世界規模で活動する専門的国際機構であるが、安全保障に深い関係がある分野を扱うことから、国連では経済社会理事会よりは安全保障理事会との関係が強い。そのために国連の専門機関とはなっていない。主要機関として総会、理事会および事務局がある。日本は設立当初より加盟しており、指定理事国となっている。

[横田洋三]

おもな業務

原子力の平和的利用のために、研究・開発・実用化の奨励、そのための役務・物質・施設の確保に対する便宜の供与、情報交換および専門家の訓練の奨励、保障措置の適用、安全基準の設定などの活動を行う。IAEAの活動のなかでもとりわけ特色があり、かつ実際上の重要性をもつのは、原子力発電所などの平和的利用施設の使用によって生ずる物質が軍事目的に転用されないようにするための保障措置safeguardsである。具体的には以下の六つの方法がとられている。

(1)IAEAと加盟国との間の2当事者間の事業実施協定に基づいて行う2当事者間保障措置。

(2)加盟国からの要求によってIAEAが行う一方的保障措置。

(3)核燃料のような原子力資材を提供するアメリカとそれらを受け取る国との間の、原子力協定に基づいてIAEAが行う3当事者間保障措置。

(4)1967年のラテンアメリカ核兵器禁止条約(トラテロルコ条約)などの、地域的多数国間条約の締約国とIAEAとの間の協定に基づいて行われる保障措置。

(5)1968年の核不拡散条約(NPT)に基づいてその締約国とIAEAとの間に協定を結んで行われる保障措置。

(6)NPT加盟の核兵器保有国(アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国)が自発的にIAEAと協定を結び、それに基づいて行われる保障措置。

[横田洋三]

1980年代以降の活動

1986年4月、ソ連邦を構成していたウクライナ共和国で発生したチェルノブイリ原子力発電所事故については、原因と影響を究明するための専門家会議を開催。同年9月の総会で原子力事故の早期通報システムの確立が協議され、「早期通報」「相互援助」の2条約が採択された。

 IAEAは1991年以降、国連安保理決議に基づきイラクの核査察を繰り返し実施した。1998年12月アメリカ、イギリス両軍によるイラク空爆によって中断していた査察は、2002年11月IAEAと国連査察委員会によって再開された。しかし2003年3月アメリカ、イギリス両軍がイラクの武装解除とフセイン政権打倒を目的にイラクに武力行使し(イラク戦争)、同年4月フセイン政権は崩壊している。

 一方、1994年6月にIAEAを脱退した北朝鮮の核問題については、同年10月の米朝高官協議で北朝鮮の核開発凍結とNPTへの完全復帰、軽水炉転換への支援などが決まり、具体的支援のため朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO(ケドー))が1995年3月に発足した。KEDOは軽水炉建設が完成するまでの間、北朝鮮に重油の提供をするとしたが、2002年10月北朝鮮が核開発計画を認めたことなどから、11月核開発を放棄しない場合は重油の提供を停止すると発表、12月提供は停止された。その後北朝鮮は核関連施設の凍結措置を解除すると宣言、駐在していたIAEA査察官を国外退去させた。2003年より核問題を含めた北朝鮮をめぐる諸問題の解決に向け、日本、アメリカ、韓国、中国、ロシア、北朝鮮の6か国で協議が進められ(六者協議。六か国協議、六者会合ともいう)、2007年2月の六者協議で北朝鮮はIAEAの査察受け入れを表明、同年6月に事務次長ハイノネンを団長とするIAEA査察団が訪朝して核施設の視察を行った。翌7月には約4年半ぶりにIAEA査察官が訪朝、六者協議で対象となった全5施設の稼動停止を確認した。

 1998年には、同年5月に核実験を行ったインドとパキスタン両国に対し、自制を求める声明を発表。1999年に起きた茨城県東海村の臨界事故に関しては、現地調査の専門家チームを派遣した。

 こうした活動が、「核エネルギーの軍事的利用を防ぎ、平和利用を可能なかぎり確実にしてきた」と評価され、2005年、IAEAとその事務局長であるエルバラダイにノーベル平和賞が授与された。

[横田洋三]

『核物質管理センター企画部編、科学技術庁原子力安全局保障措置課監修『核拡散防止用語集――IAEA保障措置関係用語の解説』(1981・核物質管理センター)』『今井隆吉著『IAEA査察と核拡散』(1994・日刊工業新聞社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

こくさい‐げんしりょくきかん ‥ゲンシリョクキクヮン【国際原子力機関】
(International Atomic Energy Agency の訳語) 原子力の平和利用を促進するための国際連合の専門機関。一九五七年発足。本部ウィーン。略称IAEA。

出典:精選版 日本国語大辞典
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旺文社世界史事典 三訂版

国際原子力機関
こくさいげんしりょくきかん
International Atomic Energy Agency
原子力の平和利用に関する国際管理機関で,国際連合の専門機関の1つ。略称IAEA
アメリカのアイゼンハウアー大統領の提案をもとに,1957年7月ウィーンで創立。総会・理事会・事務局からなり,本部はウィーン。原子力の平和利用に関する情報交換,専門家の訓練その他の活動を行う。理事会は34か国で構成されるが,アメリカ・イギリス・フランス・カナダが運営の中心となっている。

出典:旺文社世界史事典 三訂版
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