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土壌汚染【どじょうおせん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

土壌汚染
どじょうおせん
soil pollution
大気中の汚染物質,水の汚濁物質,産業廃棄物農薬などが土壌中に蓄積,残存することによって進行する汚染。土壌を通じて農作物,畜産物に汚染物質が蓄積され,人の健康に被害を生じさせるほか,土壌中の微生物を変化させて,物質循環(→元素循環)に悪影響を及ぼすおそれもある。20世紀半ばまで,収集されたごみは屋外投棄されていた。投棄場所はネズミ,カ(蚊),ハエ,その他の保菌動物の繁殖場所になり,悪臭の発生,風によるごみの散乱などの被害をもたらした。
ごみの投棄は,地下水や近隣の河川,湖が汚染されるおそれもある。分解されたごみと,大量のごみの層を通過した雨水が混ざって,汚染濃度が高い浸出水が発生する。この浸出水が地下水に混入したり,地表水源に漏れだした場合,公衆衛生が脅かされ環境が破壊される。腐敗しやすい固形廃棄物の嫌気性分解(酸素を必要としない分解)により,最終的な副産物として,土壌を通過しやすい可燃性の有毒ガスであるメタンが生成される。
現代のごみ処分法としては,いわゆる衛生埋立地の整備,運用,管理があげられる。衛生埋立は,浸出水とメタンを管理し,土壌汚染のリスクを抑えるため細心の注意を払って設計された設備である。衛生埋立用地は慎重に選定され,浸出水による地下水汚染を防ぐため底面に遮水シートが設置される。ごみを平らにならして重機で圧縮し,日々ごみの上に土をかぶせる。埋立地の底には穴のあいたパイプを張りめぐらせ,浸出水を集めて施設内の処理場や公共下水道にポンプで排出する。埋立地ではメタンも回収され,安全なかたちで大気中に放出するか,バイオガス(埋立地ガス)として利用する。さらに地下水を監視するため埋立地周辺に井戸を設置し,定期的に水質調査を行なう。埋立地がごみでいっぱいになると,水の侵入を防ぐため表面を粘土層や遮水シートで覆う。さらにその上に表土を敷き,さまざまな植物を植える。使用後の埋立地は,公園や遊び場として使われることが多い。
有害廃棄物の処分には,さらに特別な注意が必要とされる。重大な病気やけがを引き起こしたり,深刻な環境汚染につながったりするおそれがあるからだ。有害廃棄物の処分法が法律で定められ実施されるまで,こうした廃棄物はむき出しの状態で山積みされたり,干潟や池,遮水シートを設置していない埋立地に投棄あるいは保管されていた。頻発する有害廃棄物の不法投棄や流出事故により,世界中で無数の工業用地が汚染されており,今日も環境を破壊し公衆衛生を脅かす深刻な脅威となっている。日本では,カドミウムヒ素による土壌汚染が,1990年で 128地域,70.5km2にのぼり,汚染地域では排土,客土,水源転換などの公害防除特別土地改良事業が実施されている(→公害)。また 1991年に土壌汚染にかかわる環境基準が設けられ,水質浄化や地下水涵養機能の観点と食料を生産する機能の観点から規制基準が定められた。(→環境破壊

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵

土壌汚染
植物や動物の生育基盤であり、人類に食料や地下水を供給している土壌が有害物質などで汚染されること。18世紀後半の産業革命以降の重化学工業の発達に伴い、重金属類により土壌が汚染されてきた。日本では、金属鉱業所が排出した重金属類により農用地が汚染され、足尾銅山(栃木県)や土呂久鉱山(宮崎県)などで鉱毒事件が発生した。1960年代に全国的に鉱山や精錬所周辺の農用地でカドミウム、銅、ヒ素などによる土壌と産米の汚染が多数発見されたため、世界に先駆けて1970年に農用地土壌汚染防止法を制定、汚染原因者負担で土壌汚染対策が実施された。一方、戦後の化学工業や電機工業の発達により、六価クロムや揮発性有機化合物(VOC)による市街地の土壌・地下水汚染が発生。東京都六価クロム鉱滓事件、米国のラブカナルの土壌汚染、シリコンバレーの地下水汚染などが発生し、80年代以降、日本でも電気・電子工場周辺で半導体や金属製品の洗浄用に使用するVOCによる土壌・地下水汚染が多発した。90年代には工場跡地などで重金属やVOCによる土壌汚染が頻発し、2003年に土壌汚染対策法が施行されたが、法対象の限定、土地所有者責任、対策の不十分など、問題点が多数指摘されている。
(畑明郎 大阪市立大学大学院経営学研究科教授 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

どじょう‐おせん〔ドジヤウヲセン〕【土壌汚染】
カドミウム砒素(ひそ)PCBポリ塩化ビフェニル)などの有害な化学物質が土壌に蓄積し、その結果、農作物の生育や人畜の健康に悪影響を与えること。

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

どじょうおせん【土壌汚染 soil pollution】
土壌汚染とは,鉱山や工場などから排出された重金属などによって,あるいは農薬散布などによって,土壌中に重金属などの特定の物質が高い濃度で集積,蓄積し,その結果,人の健康や農・畜産物などに被害が生ずることをいう。日本における土壌汚染の歴史は古く,明治初期に足尾銅山の銅などを含有する排水が渡良瀬川流域の農地を汚染し,農作物などの被害が発生していた(足尾鉱毒事件)。しかし,土壌汚染が公害の一種であると法律で規定されるようになったのは,1968年に,厚生省が〈富山県の神通川流域に発生しているイタイイタイ病は,同河川の上流にある三井金属鉱業神岡鉱山から排出されたカドミウムが水田土壌を汚染し,そこで生産された米を長期間にわたり摂取したことが主原因である〉との見解を発表した後である。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

どじょうおせん【土壌汚染】
工場からの排出物や農薬の散布などにより、土壌にカドミウム・銅などの重金属やポリ塩化ビフェニールなどの化学物質が蓄積し、その結果、人畜の健康被害や農作物の生育阻害をもたらすこと。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

土壌汚染
どじょうおせん
soil pollution
有害物質によって土壌が汚染されること。土壌は食糧生産の主要な場である。しかし1960年代に始まった高度経済成長政策に基づく急速な工業化の進展に伴って公害が発生し、鉱山や工場などから排出された有害物質が土壌中に蓄積し、その結果、人間の健康を損なうおそれがあるような農作物が生産されたり、または農作物自体が障害を受けたりする農用地の被害が発生した。
 土壌汚染は、農耕地土壌に直接農業資材を施用する場合と、産業廃棄物を土壌に投棄する場合を除けば、その大部分が大気汚染、水質汚濁などを介して人為的に発生するものである。汚染の原因物質としては、カドミウム、銅、亜鉛、鉛、水銀、ニッケル、クロムなどの重金属類や、バナジウム、ベリリウムなどの軽金属、ヒ素、アンチモン、セレン、臭素、ヨウ素などの非金属がある。また、これらの元素のほかにも、残留性の高い農薬、PCBや(ポリ塩化ビフェニル)、そのきわめて強い毒性から社会の高い関心を集めている、有機物と塩素化合物が燃焼する際に生成するダイオキシン類などの有機化合物がある。そのほか2011年(平成23)の東日本大震災の際に発生した福島第一原子力発電所の事故に伴い放出されたヨウ素131、セシウム134、および137による汚染や、原爆実験などによるストロンチウム90、セシウム137などの放射性降下物による土壌汚染があり、大きな社会問題となっている。[小山雄生]

鉱山・工場排水等による土壌汚染

富山県神通(じんづう)川流域で発生したイタイイタイ病の原因が、上流にある鉱山からの長年にわたるカドミウムを含む排水に起因することが1968年(昭和43)に判明して以来、各地の鉱山や製錬所周辺のカドミウムによる土壌汚染が全国的に問題となった。さらに1970年にはカドミウム使用工場も汚染源となることがわかり、問題はさらに拡大された。重金属による土壌汚染の恐ろしいのは、一度土壌が汚染されると半永久的に土壌中に蓄積され、その除去が事実上困難なことである。
 この対策措置として1970年「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律」(土壌汚染防止法、昭和45年法律第139号)が制定された。この法律は、特定有害物質による土壌の汚染が一定の規準を超えたとき、都道府県知事がその地域を対策地域に指定し、土壌汚染の防止、除去、農用地以外への転用など必要な対策を講ずることを骨子としたものである。同法における特定有害物質としては、カドミウムとその化合物が1971年に指定され、ついで銅、ヒ素が指定された。そのほかの重金属元素についても指定を検討中である。環境基準は、カドミウムでは米(玄米)に含まれる量が0.4ppmを超えると認められる地域またはそのおそれのある地域であり、銅では0.1規定塩酸に可溶な銅を土壌中に125ppm以上含む地域である。ヒ素では1規定塩酸に溶けるヒ素を15ppm(地域の条件によっては10~20ppm)以上土壌中に含む地域となっている。さらに1991年(平成3)にはすべての土壌についての環境基準が設定され、その対象はカドミウム、ヒ素、鉛など10項目について、1994年には10項目の有機塩素系化合物、5項目の農薬が追加されて計25項目となった。
 土壌汚染防止法に基づく農用地の対策指定地域は、カドミウムが6428ヘクタール、銅が1225ヘクタール、ヒ素が164ヘクタールである。また、対策事業等が完了した地域のうち指定解除地域は2010年度末でカドミウムが5567ヘクタール、銅が1169ヘクタール、ヒ素が84ヘクタールで重複汚染を考慮したうえでの合計は5702ヘクタールである。事業費は原因者負担が原則であるが、原因が不明の場合は国が3分の2、県などの地方自治体が3分の1を負担して行われる。これら指定地域のおもな汚染源は、休廃止鉱山が全体の9割を占め、残りが工場などである。
 カドミウムの汚染地としては富山県神通川(富山市)、群馬県碓氷(うすい)川(安中(あんなか)市)などがあり、大規模な汚染は鉱山や製錬所の排煙、排水による。このほか、めっき工場など工業廃水による汚染も多い。
 銅による汚染では群馬県渡良瀬(わたらせ)川流域の足尾銅山によるものがもっとも大規模であり、その被害面積は約5000ヘクタールといわれる。そのほか秋田県米代(よねしろ)川流域、兵庫県市川流域などいずれも休廃止鉱山による汚染である。ヒ素では宮崎県土呂久(とろく)鉱山、島根県笹ヶ谷(ささがたに)鉱山、岩手県松尾鉱山などの休廃止鉱山による汚染がよく知られている。このほか、亜鉛による土壌汚染が亜鉛鉱山、製錬所、めっき工場などで発生している。しかし亜鉛は毒性が弱いのであまり大きな問題とはなっていない。ただしカドミウムと複合汚染している場合が多いので注意しなければならない。鉛の土壌汚染は大部分が銅および亜鉛の汚染と重なっておきている。長崎県対馬(つしま)、宮城県二迫(にのはさま)川流域などがその例であり、いずれも鉱山に原因する。
 このほか、ガソリンに添加された四エチル鉛(テトラエチル鉛)による自動車の排気ガスからの汚染、多量の農薬(ボルドー液、ヒ酸鉛)が散布されてきた果樹園の表土では銅、ヒ素、鉛などの蓄積が知られている。また、水銀では、かつていもち病の防除にもっぱら使用されてきたフェニル酢酸水銀による水田土壌中の汚染が現在もわずかに認められる。[小山雄生]

土壌汚染と防止対策

カドミウムの汚染除去には、汚染土壌を除去(排土)し非汚染土壌を客土する排土客土が基本である。しかし汚染がそれほど強くない水田では、全期間湛水(たんすい)(水を張ること)や石灰、リン酸の多量施用が有効である。銅では、排土客土、石灰資材投入による水素イオン濃度(pH)の調整、堆厩肥(たいきゅうひ)などの有機物の施用が有効である。ヒ素では、水田を畑状態もしくは節水栽培、あぜ立てなどで通気性を保つことと、含鉄資材の施用が効果がある。しかし実際にはヒ素とカドミウムの複合汚染が発生しており、土壌の通気性をよくするとカドミウムが稲に吸収されやすくなるなどの問題を生ずる。ここに土壌汚染対策のむずかしさがある。またもっとも基本的な排土客土にしても、排土のもって行き場所がないという宿命的な問題がみられる。[小山雄生]

農薬などによる土壌汚染

殺虫剤、殺菌剤ならびに除草剤などの有機合成化合物が農耕地に多量に散布されている。散布された農薬は揮散、溶脱などによって一部は気圏や水圏に移行するが、多くは土壌中に入る。そして微生物による分解や化学的、物理的な分解を受けるが、残りは土壌中に残留することになる。このように土壌は農薬の蓄積の場であるが、またその分解がもっとも活発に行われている場でもある。土壌中に農薬が分解されずに残留する期間は、土壌の環境と農薬の種類で著しく違う。農薬のなかでもBHC、DDTなどの有機塩素剤は3~4年と長く土壌中に残留し、汚染された農作物が生産される可能性が高い。現在ではこれらの有機塩素系農薬と有機水銀は、食品および水域での使用が禁止または制限され、少量で効果があり残留性が少ない薬剤に切り替えられてきている。またパラチオン、マラソンなどの残留期間は1週間と短い。一般に水田よりも畑のほうが農薬が分解されにくい。
 また、ゴミ焼却炉などから発生し、大気中から降ってくるダイオキシン類は最終的に土壌に積もる。このダイオキシン類による土壌汚染を対象にした「ダイオキシン類対策特別措置法」(平成11年法律第105号)が2001年(平成13)1月に施行された。一方、工場跡地などのいわゆる市街地における土壌汚染対策については、これまでは法的な枠組みがなかったが、2002年5月「土壌汚染対策法」(平成14年法律第53号)が成立、公布された。このように日本の土壌汚染対策としては、
(1)農用地の土壌汚染を対象として1970年に制定された「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律」
(2)農用地以外のいわゆる市街地の土壌汚染を対象とした「土壌汚染対策法」
(3)ダイオキシン類による土壌汚染を対象とした「ダイオキシン類対策特別措置法」
の三つの柱で土壌汚染対策が進められている。[小山雄生]

放射性物質による土壌汚染

2011年(平成23)に起きた福島第一原発の事故により環境中に大量の放射性物質が放出され、これまでにない広範囲の土壌汚染が生じた。放出されたおもな放射性核種は放射性ヨウ素(131I)と放射性セシウム(137Cs)である。事故発生の当初は放射性ヨウ素による汚染がもっとも深刻であったが、半減期が8日と短いので現在はほとんど消滅し、半減期が30年と長い放射性セシウム(137Cs)が問題となっている。
 137Cs等の放射性物質が農作物へとり込まれるのは、大気から葉茎への沈着と、作物根による土壌からの吸収によっている。放射性物質による環境汚染が発生した初期では、沈着経路が問題であるが、時間が経過した現在では土壌からの移行経路が問題となる。土壌中の放射性物質により、そこで栽培された農作物の汚染の程度は土壌中の放射性物質の濃度と作物への移行係数に大きくかかわっている。農水省は2011年度産の稲の作付の方針を、食品の暫定値である1キログラム当り500ベクレル(当時)を超えないよう、放射性セシウム(137Cs)の移行係数を安全側の0.1とし、稲を作付する水田土壌の放射性物質濃度の上限値を1キログラム当り5000ベクレルとした。2012年4月より放射性セシウムの一般食品中の基準値は1キログラム当り100ベクレルとなったが、2012年度産の稲の作付については、前年度産米からの放射性セシウム検出状況に応じた対策をとっている。
 土壌中の放射性セシウムは、粘土鉱物と強く結び付いて土壌の表層に動きにくい形で存在しているので、移行係数は土壌の種類によって違ってくる。砂質、有機質土壌で高く、粘土質土壌で低い。
 農作物の放射能汚染を軽減する方策としては放射性セシウムを吸着・固定させるゼオライト、バーミュクライトなどの土壌改良材の施用や、セシウムとカリウムとの拮抗作用を利用したカリ肥料の施用が効果的である。また、土壌中の放射性物質を取り除く除染方法として表土のはぎ取り、水による除去、反転耕による埋め込み、高吸収植物による除染等の方策が考えられている。[小山雄生]
『小沢英明著『土壌汚染対策法』(2003・白揚社) ▽民間都市開発推進機構都市研究センター監修、資産評価政策学会・TALO都市企画編『土壌汚染、その総合的対策――調査技術、法律、鑑定、土地利用』(2003・ぎょうせい) ▽『土壌汚染浄化技術と市場』(2003・シーエムシー出版) ▽土壌環境法令研究会編『Q&A解説土壌汚染対策法 三段対照表付(法・令・規則)』(2003・東京法令出版) ▽吉村隆著『初歩から学ぶ土壌汚染と浄化技術――土壌汚染対策法に基づく調査と対策』(2003・工業調査会) ▽地盤環境技術研究会編『土壌汚染対策技術――実務者が書いた土壌汚染対策法と実用技術から最新技術まで』(2003・日科技連出版社) ▽環境マネジメント研究会編『「土壌汚染対策法」早わかり――土壌汚染対策法の背景と海外事例』(2003・同友館) ▽土壌環境法令研究会編『逐条解説土壌汚染対策法』(2003・新日本法規出版) ▽塚田祥文他「土壌――作物系における放射性核種の挙動」(『日本土壌肥料学雑誌』第82巻5号・2011・日本土壌肥料学会)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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化学辞典 第2版

土壌汚染
ドジョウオセン
soil pollution

事業活動や自然現象により,各種重金属や有毒有機物質などの有害物質によって土壌が汚染されること.土壌の汚染により,農用地では農作物の生育阻害や汚染,ヒトの居住地域では,生活環境の悪化と健康被害,さらに広くヒトや生態系への影響が問題となっている.古くは,銅(栃木県足尾銅山鉱毒事件)やカドミウム(富山県神通川流域イタイイタイ病),ヒ素,クロムなどの重金属による汚染が問題となったが,近年ではトリクロロエテンなどの有機塩素系溶剤,シマジンなどの農薬による汚染,さらにPCBやダイオキシン類による汚染が懸念されている.また,土壌汚染が地下水汚染の原因となることからその対策が急がれている.こうしたことから,汚染によるヒトの健康被害の防止を目的として,1970年に農用地の土壌の汚染防止法により,カドミウム,銅,およびヒ素が特定有害物質に指定され,市街地に対しては2003年に土壌汚染対策法が施行されている.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)

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