●土石流
朝日新聞掲載「キーワード」
土石流
(2013-10-28 朝日新聞 朝刊 2社会)
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デジタル大辞泉
どせき‐りゅう〔‐リウ〕【土石流】
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世界大百科事典 第2版
どせきりゅう【土石流 debris flow】
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
土石流
どせきりゅう
debris flow
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日本大百科全書(ニッポニカ)
土石流
どせきりゅう
急勾配(きゅうこうばい)の渓流に発生する土砂や石礫(せきれき)と水とが混合して一体となった流れ。流水の作用によって砂礫を輸送するものとは性質がかなり異なる。多量の土石が急激に流下し、強大な破壊力をもつため、家屋の全壊や人命の犠牲を伴うことが多い。日本では豪雨時に毎年どこかで発生しており、社会的にも注目されている。土石流には巨石や砂礫を多く含むものから、泥流を主体とするものまで各種の形態があり、それぞれ流れの特徴を異にする。巨石や砂礫を多く含む土石流は一般に先端部に巨礫や石礫が集まって段波状を呈し、高濃度の土砂流や泥流が後続流として続く。先端部の巨礫による衝撃力は大きな破壊力をもっている。泥流を主体とする土石流では先端部にはかならずしも石礫を有しないが、段波状を呈することが多い。土石流の到達前の流水量は普通非常に少なく、土石流は津波のように押し寄せるので山津波ともいわれる。
土石流の発生は、勾配が15~30度くらいの渓床に存在する堆積(たいせき)物に、豪雨などにより多量の水が供給されて表面流が生じ堆積物が安定性を失うことによるが、崩壊した土砂礫が引き続いて土石流に発展する場合もある。土石流の発生には短時間の強雨が関係する。土石流は勾配が10度程度以下になると減速、堆積過程に入り、石礫は勾配が10~3度程度の所で停止するが、この付近が土石流による被害が集中する場所である。後続流(土砂流)はさらに流下して堆積し、これまた災害の原因となる。微細土砂を多く含む泥流は、第三紀(新・古)層の地域や活火山地帯に多く発生し、流動性が高く流下速度が速い。土石流の堆積物は大粒径から小粒径まで混合して層状を呈しないのに対して、流水の作用によって輸送される土砂の堆積物では層状を呈するため区別しやすい。実際の土石流では一般に高濃度の土砂流を伴い、両者相まって災害の原因となっている。
土石流対策として、従来から用いられてきた砂防ダムのほかに、平時の小出水による砂礫は通下させ、土石流による土砂だけを止めるスリットや格子形式の透過型ダムが環境保全と土石流をくいとめる容量の維持という利点から増加している。泥流などに対しては流路工(護岸・床固めなどの工事)や導流工(土石流を安全に流下させて海など安全な場所まで導く渓流保全工事や導流堤など)も有効である。土石流の危険区域は数多く、このような直接的な方法のみでは対応できず、危険区域の予測、発生の予知などに基づく避難予警報も重要であって、国土交通省や地方自治体を中心としてそれらの努力が払われている。
[芦田和男・水山高久]
『芦田和男著『河川の土砂災害と対策――流砂・土石流・ダム堆砂・河床変動』(1983・森北出版)』▽『大浦ふみ子著『土石流』(1994・光陽出版社)』▽『池谷浩著『土石流災害』(岩波新書)』
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精選版 日本国語大辞典
どせき‐りゅう ‥リウ【土石流】
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岩石学辞典
土石流
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