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土葬【どそう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

土葬
どそう
interment; burial
ともいう。遺体土中に埋めて葬る葬法で,湿葬の一種。葬法のなかでは最も一般的であるが,死者を縛って屈葬にしたり,伸展葬の場合にもその上を厳重に石でおおうことがあるのは,単に死体を隠すだけでなく,死者の霊魂が地上に出現して,生者に災厄をもたらすことを恐れる態度の現れと理解される。土葬は旧石器時代のネアンデルタール人の間にもみられ,新石器時代では初期エジプトのターサ遺跡メリムデ遺跡にみられる。今日でもイスラム教文化圏,キリスト教文化圏をはじめ多くの社会で最も一般的に行われる葬法である。マレー半島セマン族では,側室を設けた壁龕 (へきがん) 葬 (→洞窟葬 ) が行われ,インドネシアでは洗骨随伴しない単純埋葬や,甕棺 (かめかん) による埋葬が行われる。メラネシア南部の原始農耕民では,土葬も必ず屈位で,期間を経たのち発掘して洗骨する。日本では弥生時代以降に遺体を箱式石棺,または甕棺に納めて土葬にする例がみられ,近代まで一般的な葬法であった。奄美,沖縄諸島では,埋葬ののち,改葬,あるいは洗骨による遺骨複葬が行われる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ど‐そう〔‐サウ〕【土葬】
[名](スル)死骸を焼かずに土中に埋葬すること。また、その葬法。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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世界大百科事典 第2版

どそう【土葬】
地中に穴を掘って死体を埋める葬法。世界中に分布しており,各種の葬法のなかでも非常に古くから行われていたものである。一方で,キリスト教やイスラムのような世界宗教も土葬を採用しているため,現在最も広く見られる葬法でもある。地下に石室を設けて遺体を納める葬法(例えば南アフリカズールー族)は純粋な土葬とは区別すべきである。納棺の後に埋めるにせよ,遺体をそのまま埋めるにせよ,死体を自然の腐敗過程にまかせてしまうため,死体の処理に関しては,完全火葬とならんでその無化をはかる葬法だといってよい。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

どそう【土葬】
スル
死体を土の中へ埋めて葬ること。また、その葬法。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

土葬
どそう
死体を土の中に埋める葬法で、普通は埋葬といっている。埋葬は、葬制のなかでも非常に古い歴史をもつ。ヨーロッパではすでに中期旧石器時代から行われていて、ネアンデルタール人は赤色の酸化土で死体を覆って埋葬していた。埋葬の姿勢には違いがあり、眠るときの姿勢で膝(ひざ)を軽く曲げ、横向きに置く伸展葬、しゃがんだ形に手足を折り曲げる屈葬あるいは座葬ともよばれる葬法などがある。屈葬にする理由は、死者が戻ってくるのを恐れるから、または、屈葬は母胎内の胎児の姿勢をかたどったもので、死者は母なる大地に胎児の形で送り返され、そこから再生すると考えたから、などの理由が考えられる。埋葬の方法としては、このほかに死体を棺に納めて土中に埋めるやり方もかなり古い。また、ただ一度の埋葬のみで完了せず、改葬を伴う複葬の形態をとることもしばしばある。複葬には、台上葬ののち埋葬するもの、火葬ののち埋葬するもの、一度埋葬したのち、取り出して骨化した遺骸(いがい)をさらに埋葬しなおすものなどさまざまな形態がある。埋葬は、現在でも採集狩猟民をはじめ、農耕民や牧畜民の間にも広がっている。さらにキリスト教、イスラム教のような組織宗教も、葬法として埋葬を採用しており、これらの宗教の布教活動とともに埋葬は世界各地に広がった。
 中国、朝鮮でも埋葬が行われるが、この地域では、風水(ふうすい)によって墓地の場所を決め、吉地に墓をたてると子孫が繁殖し、一人の栄華がもたらされると信じられている。朝鮮では仏教の盛んであった新羅(しらぎ)、高麗(こうらい)の時代は、火葬の風が貴族社会に流行したが、朱子学の興隆とともに火葬は不仁不孝の至りとされて衰え、風水信仰の普及とともに土葬が広がって定着した。日本では、縄文時代には屈葬が、弥生(やよい)時代には石棺や甕棺(かめかん)を用いた埋葬があったことが知られている。[清水 純]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ど‐そう ‥サウ【土葬】
〘名〙 葬制の一つ。死体をそのまま土中に埋葬すること。土埋(どまい)
※権記‐寛弘八年(1011)七月二〇日「去九日早旦、於山作所丞相云、土葬、并法皇御陵側可置之由、御存生所仰也」
※読本・椿説弓張月(1807‐11)続「このときまでは、琉球国に、土葬火葬の葬式なく、水葬のみをもはらとせしかば」 〔南史‐夷貊伝上・扶南国〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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