●地母神【チボシン】
デジタル大辞泉
ちぼ‐しん【地母神】
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世界大百科事典 第2版
ちぼしん【地母神 earth‐mother】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
地母神
ちぼしん
大地の豊饒(ほうじょう)、生成、繁殖力を人格化した女神。その源流は、オーリニャック期(旧石器時代末期)の象牙(ぞうげ)、骨、石などに彫られたいわゆるビーナス像にまでさかのぼるといわれ、古代文明の幾多の女神、たとえばシュメールのイナンナ、セム人のイシュタル(アシュタルテ)、ペルシアのアナヒタ、エジプトのイシス、ギリシアのゲーやレア、インドのパールバティやカリー、メキシコのコアトリクエなどがいる。これら女神の崇拝および祭祀(さいし)はとくに農耕文化と結び付いて広まったが、クレタの山の母神をはじめ、アナヒタ、キベレ、イシュタル、アルテミスなどは、もとの狩猟時代の要素が残ったために野獣の守り神とされている。またイシュタルとタンムーズ、キベレとアッティスというように、往々にしてこれらの女神はその繁殖力の源泉として若い男神を従えていた。そのため、祭祀は若い男神との性的結合やその死を象徴する流血供犠などを伴う。この大地の母神の結婚相手としては、ときに天空を人格化した男神、つまり天父(てんぷ)が登場する。中国の皇天后土(こうてんこうど)の信仰などもその例であるが、同様なものはポリネシア、北アメリカのインディアン、アフリカなどにもみられる。また地母神は、とかく死者祭祀や冥府(めいふ)と結び付くことが多いが、これは大地を死者の安住、休息の場と考えたことによるものであろう。
[松前 健]
『石田英一郎著『桃太郎の母』(1956・法政大学出版局)』▽『エリアーデ著、堀一郎訳『大地・農耕・女性』(1968・未来社)』▽『大林太良著『神話学入門』(中公新書)』
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精選版 日本国語大辞典
ちぼ‐しん【地母神】
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