●埋忠明寿【うめただみょうじゅ】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
埋忠明寿
うめただみょうじゅ
[没]寛永8(1631).京都
桃山時代末期~江戸時代初期の代表的な刀工,鐔 (つば) 工。京都西陣に住む。埋忠派の始祖。橘氏,名は重吉または宗吉,通称彦次郎。別号は鶴峰。足利義昭に仕え,豊臣秀吉,秀次,徳川秀忠などの知遇を得たと伝えられる。新刀の祖と称され,刀剣の彫り物にすぐれていた。門人に肥前国の忠吉,輝広などの名工がいる。鐔工の技術では鉄,真鍮,赤銅などの地に金銀の布目象眼,また,金,銀,赤銅,素銅などの色金を使って,彼の創案した平象眼で花樹,胡蝶などを色彩豊かに表わすのが特色。図様は宗達風。代表作『葡萄胡蝶図象眼鐔』。
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デジタル大辞泉
うめただ‐みょうじゅ〔‐ミヤウジユ〕【埋忠明寿】
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus
埋忠明寿 うめただ-みょうじゅ
永禄(えいろく)元年生まれ。金,銀などの色金(いろがね)を多用した平象眼(ひらぞうがん)の技法で,絵画的なデザインの鐔(つば)を制作しその芸術性をたかめた。新刀(慶長以降の刀剣)の祖として知られ,短刀がおおい。豊臣家,徳川家などの御用をつとめた。寛永8年5月18日死去。74歳。京都出身。名は重吉,宗吉。通称は彦次郎。
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世界大百科事典 第2版
うめただみょうじゅ【埋忠明寿】
桃山から江戸初期の刀工,鐔(たん)工。名を重吉,あるいは宗吉といい,通称を彦次郎,入道して明寿と称した。京都西陣に住んだ。埋忠家は刀の磨上,金象嵌(ぞうがん)の施入,拵(こしらえ)や金具の製作を組織的に行った工房であり,明寿はその指導的立場の人とみられ,足利義昭,豊臣家,徳川家の御用を務めたと伝えられる。刀剣においては刀身に玉追竜や不動明王などの図様を彫り,前時代にはない新生面をみせる。また門下に肥前忠吉,安芸輝広らの逸材を出して,新刀(桃山時代以降の刀)の祖といわれている。
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日本大百科全書(ニッポニカ)
埋忠明寿
うめただみょうじゅ
(1558―1631)
安土(あづち)桃山時代から江戸時代初期に活躍した京埋忠派の金工。明欽(みょうきん)の子で三条宗近(むねちか)25世の孫と埋忠系図はいうが、もとより信憑(しんぴょう)性はない。通称を彦次郎、初め重吉または宗吉といい、のち明寿と号した。刀剣を製作して新刀(慶長(けいちょう)以来の刀剣の呼称)の祖と称されているが、刀剣製作は余技的なもので、不動尊、玉追龍などの刀身彫に力を注いだものとみられる。このように実用本位の刀剣から鑑賞的なものへと意識を変えた先覚者としての役割が、新刀の祖という敬称を与えたものであろう。現存する鐔(つば)の作品は、素銅、赤銅、真鍮(しんちゅう)、鉄などさまざまな地金を用いて、それに金、銀、赤銅、素銅などの色がねを象眼(ぞうがん)して、桃山風の大胆な構図で葡萄(ぶどう)文、枇杷(びわ)文、九年母(くねんぼ)文、松竹文などの文様を表している。また鉄地には透彫りをして雷(いかずち)文などの金象眼を施したものがある。そのほか、拵(こしらえ)、鎺(はばき)の製作、刀剣の磨(すり)上げなどの仕事に従事している。
[小笠原信夫]
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精選版 日本国語大辞典
うめただ‐みょうじゅ【埋忠明寿】
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