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執事【しつじ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

執事
しつじ
(1) 事にあたって任務に専念する者をいう。内竪所 (ないじゅどころ) ,院司,摂関家,鎌倉幕府問注所に執事がおかれ,室町幕府では将軍を補佐する最高職を執事とし (のち管領 ) ,また政所問注所関東管領鎌倉公方などにも執事をおいた。また江戸幕府の若年寄,禅宗の役僧知事を執事と呼ぶことがある。 (2) diakonos キリスト教の教職の一つに対する日本聖公会,ルーテル教会などの訳語。カトリックの助祭,正教会の輔祭に相当するが,これらが司祭職への一過程となっているのに対して,プロテスタントの執事は,それぞれの教会で違いはあるが,多くの場合,教会財政管理面での奉仕,信徒求道者への世話,礼拝式中の司式者の補佐など積極的役割を果している。長老派,組合派,バプテスト派諸教会では,牧会の補助者として選ばれた信徒をいう。 (→牧師 )

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

しつ‐じ【執事】
貴族・富豪などの大家にあって、家事を監督する職。また、その人。

院の庁長官。執事の別当
内豎所(ないじゅどころ)進物所で別当に次ぐ職。
摂関親王家などの家司(けいし)の長官。
鎌倉幕府執権異称
㋔鎌倉幕府の政所(まんどころ)の次官。また、問注所の長官。
室町幕府初期の将軍の補佐役。また、鎌倉公方(くぼう)の補佐役。
㋖室町幕府の政所・問注所の長官。
江戸幕府若年寄の異称。
キリスト教で、主教司祭に次ぐ第3の聖職位。
貴人などへの手紙の宛名の脇付に用いる語。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

しつじ【執事 deacon】
キリスト教会の一職務。カトリック教会では助祭,正教会では輔祭。これらの教会と聖公会,ルター派では,司祭もしくは牧師に次ぐ聖職者の職務。長老派では長老と並ぶ信徒の職務,会衆派では牧師を助ける信徒職名。元来の名称diakonosは〈仕える者〉の意で,キリスト教会の初期,共同生活における食卓の奉仕者が選ばれたのに始まり,聖餐式の補助,献財の管理,それを用いての社会的活動などを本来の任務とする。【加藤 常昭】

出典:株式会社平凡社
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しつじ【執事】
日本では公家・武家などの職名としてあった。〈事をとり行う〉ことからおこり,特定の官衙や有力諸家などの事務をつかさどる職名となった。おもなものは次のとおりである。(1)平安初期嵯峨天皇の世に置かれた内豎所(ないじゆどころ)で,別当,頭に次ぐ職。(2)親王,摂政関白大臣などの政所(まんどころ)で,家政をとり行う家司(けいし)の長官。(3)院庁の長官,すなわち院別当の首席。大別当とも称せられ,しばしば大臣が兼ね,権勢ある職であった。

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大辞林 第三版

しつじ【執事】
〔古くは「しっし」とも〕
身分ある人の家にあって、庶務を執り行う人。
内豎所ないじゆどころ・進物所しんもつどころなどの庶務職員。
院司・親王家・摂関家・大臣家などの家司けいしの長。
鎌倉幕府の職名。
政所まんどころの次官。
問注所の長官。
執権しつけんの別名。
室町幕府の職名。
政所・問注所の長官。
管領かんれい・関東管領の前称。
江戸幕府の若年寄の別名。
寺社で、事務に当たる役。
〔deacon〕 キリスト教会の職務の一。聖公会では司祭、ルター派教会では牧師に次ぐ聖職者の職務。長老派・会衆派教会では信徒の職名。聖礼典の補助、会計管理などを行う。正教会では輔祭ほさいという。 → 助祭
手紙の脇付わきづけの一。貴人への手紙のあて名に添える。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

執事
しつじ
家政ないし庶務をつかさどる職名。平安初期に朝廷の内豎所(ないじゅどころ)に置かれたのをはじめ、院庁(いんのちょう)、親王(しんのう)・摂関(せっかん)・大臣などの政所(まんどころ)、鎌倉・室町幕府、大寺院などに置かれた。院庁ではその長官で、大別当(だいべっとう)ともよばれ、しばしば大臣が兼ねる要職であった。
 鎌倉幕府では、(1)執権(しっけん)の別称。(2)政所の長。政務に参画し、幕府財政などに携わる職で、政所の次官である令(りょう)を兼ねることが多かった。二階堂(にかいどう)氏が世襲。(3)問注所(もんちゅうじょ)の長。三善康信(みよしやすのぶ)が初代で、その子孫の町野(まちの)、太田(おおた)両氏から選ばれた。(4)六波羅探題(ろくはらたんだい)でも問注所の長をいった。
 室町幕府では、(1)将軍の政務を補佐する要職。足利尊氏(あしかがたかうじ)は譜代(ふだい)の重臣高師直(こうのもろなお)を任じたが、師直の死後は足利一門の仁木頼章(にきよりあき)を任じ、それ以来一門の職となり、2代将軍義詮(よしあきら)は細川清氏(きようじ)、ついで斯波義将(しばよしまさ)を任じた。幼少の3代将軍義満(よしみつ)を細川頼之(よりゆき)が補佐して執事になると職権は強まり、やがてもっぱら管領(かんれい)とよばれ、執事の呼び名は廃れた。(2)政所の長。初め二階堂氏、佐々木氏などが任ぜられたが、1379年(天授5・康暦1)以来ほぼ伊勢(いせ)氏の世襲となった。(3)問注所の長。前代に続いて町野、太田両氏から任ぜられた。(4)鎌倉公方(くぼう)を補佐する要職。初め斯波家長(いえなが)、ついで上杉、高(こう)両氏が並んで在職したが、1363年(正平18・貞治2)以来もっぱら上杉氏の職となり、やはり執事の呼び名は廃れて、関東管領が職名となった。[小川 信]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

しつ‐じ【執事】
〘名〙 (古くは「しっし」とも。「し」は「事」の漢音)
[一] 事をとり行なうこと。また、その人。〔明月記‐建久三年(1192)〕 〔周礼‐天官・大宰〕
[二]
① 局にあたって事務を執行する者。また、有力諸家の主人の近くに侍して家政をもっぱらとり行なう者。しゅじ。〔周礼‐天官・大宰〕
② 内豎所(ないじゅどころ)で別当・頭(かみ)に次ぐ職。また、進物所で別当・預(あずかり)に次ぐ職。
※侍中群要(1071か)一〇「進物所預執事等事」
③ 院庁の長官。執事の別当。大(おお)別当。〔兵範記‐仁平三年(1153)〕
④ 親王・摂政・関白・大臣の家で、家政をつかさどった家司の長官。
※山槐記‐治承三年(1179)一一月二八日「今日被関白家司・職事、〈略〉先是執事家司権右中弁光雅被補之間可尋」
⑤ 鎌倉幕府の執権(しっけん)の異称。
※将軍執権次第(1334頃か)正和五年「高時 左馬権頭、七月十日任執事」
⑥ 鎌倉幕府の政所(まんどころ)の職員。また、問注所の長官。〔吾妻鏡‐建久二年(1191)〕
⑦ 室町幕府の将軍および鎌倉府の関東公方を補佐して政務を行なう職。→管領④・関東管領②。
※園太暦‐貞和五年(1349)八月二一日「武家沙汰成敗、如元直義卿可其沙汰、執事如元師直可沙汰云々」
※壒嚢鈔(1445‐46)七「管領と申すは近比の事也。本は執事(シツシ)と云き」
⑧ 江戸幕府の若年寄(わかどしより)の異称。また、藩の用人の異称。
※松蔭日記(1710‐14頃)一「執政五人執事(シツジ)四人座つき給へり」
⑨ 寺社で、事務をとりしきり、監督の任に当たる人。
※鶴岡八幡宮寺社務職次第(1428‐41頃)「鶴岡八幡宮寺供僧次第〈略〉神主。少別当。執事」
⑩ 新羅(しらぎ)の官庁の一つ。
※続日本紀‐天平宝字八年(764)七月甲寅「大宰府報牒新羅執事
[三] キリスト教で、主教(監督)、司祭(長老)に従属し、教会の実際面の奉仕に当たる役職。また、その人。助祭。輔祭。
※引照新約全書(1880)羅馬書「教会の執事(シツジ)なる我儕の姉妹フイベを爾曹(なんぢら)に薦む」
[四] 手紙の脇付(わきづけ)として用いる語。貴人などへの手紙の宛名に添えて敬意を表わす。また、貴人の敬称。
※作文参考書(1942)〈陸軍士官学校編〉「執事 侍史 貴人又は尊長に用ふ」 〔蘇轍‐上枢密韓太尉書〕
[補注]「しゅうし」「しっし」または「しつし」と読まれた可能性があるが、中世の資料(日葡辞書など)から、古くは「しっし」と読まれたと思われる。

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