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【かべ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典


かべ
wall; partition
建物の仕切りとなる平板状の部分をいう。室内と外界との境にある壁を外壁といい,建物内の各室あるいは部屋と廊下などの間を仕切る壁を内壁または間仕切り壁と呼ぶ。普通の建築構造では,建物を支えるのはや梁 (はり) であって,壁は柱の間にはめこまれて耐力には関係しないことが多いが,石造,煉瓦造,鉄筋コンクリート造の建物では,壁自体が建物の構造体となって屋根を支えている場合もある。木造の場合は,柱の間に壁をはめこんで柱が外部から見える真壁造 (従来の土壁は大部分これに属する) と,洋風住宅にみられるように,柱を内装外装で包み柱を見せない大壁造とがある。最近の建物では,柱や梁で構造体を造り,壁には仕切るだけの役目を負わせて,工場で生産された壁をはめこむだけの工法が多くとられている。これを一般にカーテンウォールと呼ぶ。壁に要求される性能は,外壁については室内を外界から守るという役目があり,断熱性,遮音性,水密性,気密性,防火性などが必要である。また物が衝突したときすぐ破壊しないための耐衝撃性や,外のきびしい気象に対する耐候性なども要求される。内壁については,遮音,防水,よごれにくいなどの性能のほか,視覚的に美しく感触もよいなど,感覚的な性能も大切である。材料には,土,板,煉瓦,コンクリートのほか,化粧合板,石膏ボード,石綿セメント板などの新建材,サンドウィッチパネルが広く用いられるようになった。外壁の外部に接する面には,化粧合板の代りに石綿スレート,化粧鋼板などの不燃性材料を用いたパネルが多く用いられる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

かべ【壁】
建物の外周の部分。また、部屋などを仕切るもの。木舞(こまい)を芯に練った土を塗ったり、板を張ったり、石・煉瓦(れんが)を積んだりして作る。
前進を阻むもの。進展の妨げとなるもの。障害。「記録のを破る」「開発がにぶつかる」
登山用語で、直立する岩壁。
《壁を「塗る」に「寝(ぬ)る」を掛けて》夢のこと。
「まどろまぬ―にも人を見つるかな正(まさ)しからなむ春の夜の夢」〈後撰・恋一〉
《白壁に似ているところから》豆腐をいう女房詞。おかべ
[補説]書名別項。→
[下接語]荒壁石壁板壁大壁御(お)壁小壁錆(さび)壁白(しら)壁真(しん)壁砂壁袖(そで)壁外壁土壁生(なま)壁海鼠(なまこ)壁鼠(ねずみ)壁塗り壁掃(は)き付け壁控え壁

出典:小学館
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へき【壁】
かべ。かきね。しきり。
「官軍にても此―の輙(たやす)く敗り難きを知りてや」〈染崎延房・近世紀聞〉
二十八宿の一。北方の第七宿。アンドロメダ座のα(アルファ)星とペガスス座のγ(ガンマ)星をさす。なまめぼし。壁宿。

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へき【壁】[漢字項目]
常用漢字] [音]ヘキ(漢) [訓]かべ
〈ヘキ〉
かべ。「壁画壁面外壁内壁面壁
土べい。かき。仕切りとして設けた建造物。「隔壁障壁牆壁(しょうへき)城壁鉄壁防壁
かべのように平らな面。「胃壁腹壁
かべのように切り立った所。がけ。「岸壁岩壁絶壁氷壁・北壁」
〈かべ〉「壁紙壁土壁新聞荒壁白壁
[難読]戈壁(ゴビ)壁蝨(だに)

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かべ【壁】[書名]
安部公房の小説。3部からなる。昭和26年(1951)発表、第1部の「S・カルマ氏の犯罪」は同年芥川賞を受賞。
岡松和夫の小説。昭和34年(1959)、文学界新人賞受賞。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

かべ【壁 wall】
建物の内と外を区画したり,建物内部の空間を区画するために鉛直またはそれに近い角度で設けられる構築物をいう。屋根,天井なども同じく空間を区画するものであるが,空間の容積を決定するうえでは壁のほうがはるかに重要であり,建築設計においても壁の配置計画から始めることが多い。 壁はその考えている対象によって,空間の仕切りとして壁全体を指す場合と,片側の壁面だけを指す場合の二つの見方がある。前者見地に立てば,二つの外部空間を仕切る外部壁,外部空間と内部空間とを仕切る外周壁,二つの内部空間を仕切る間仕切壁,間仕切壁のうちとくに共同住宅などで二つの住戸間を仕切る戸境(こざかい)壁(界壁ともいう)などの分類が可能である。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

家とインテリアの用語がわかる辞典

かべ【壁】
建築物の外周部、または建物の内部を仕切る垂直な面。室内から柱の見える真壁(しんかべ)と、柱を見せない大壁(おおかべ)がある。

出典:講談社
(C)Kodansha 2011.
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日本大百科全書(ニッポニカ)


かべ
wall

建物の周囲に用いて外界から居住空間を区画し、およびその空間を建物の使用目的に応じ適宜に分割する固定した仕切りの総称であり、前者を外壁、後者を間仕切り壁という。なお地盤または床面から高さ90センチメートル程度のところまでを腰壁、窓から上の部分を小壁(こかべ)とよぶことがある。また、壁面に柱などの建築部材の露出しているものを真壁(しんかべ)、そうでないものを大壁(おおかべ)という。

 壁は構造的に耐力壁と非耐力壁とに分かれる。耐力壁は建築構造上必要不可欠の部位として床、屋根その他の荷重を負担するもので、その崩壊はただちに建物全体の崩壊につながる。一般に組積式(石造、れんが造、ブロック造など)構造や壁式構造をもつ鉄筋コンクリート造の壁がこれに属する。非耐力壁は柱、梁(はり)などによって組まれた軸組(躯体(くたい))の間をふさぐもので、荷重は原則として軸組が負担する(このような構造を架構式という)ので、壁の崩壊はかならずしも建物全体の崩壊にはつながらない。わが国の木造建築(校倉(あぜくら)式のものを除く)の壁はすべてこれに属し、なお鉄骨造や普通の鉄筋コンクリート造でもおおむねこれに準じる。ただし非耐力壁であっても、これを多く設けたものほど結果的に安定した建物となる。耐力壁のうちとくに地震力に対抗する目的で設けられるものを耐震壁(へき)という。この壁を有効に設ければ、柱、梁などの負担を軽減することができる。高層建築において、最下階から最上階まで連続するエレベーター室、階段室などを囲む壁がしばしばその目的で活用される。

 耐力壁は荷重を負担するという性格上、強度の削減につながる広い開口(窓、出入口など)をつくることは困難である。非耐力壁ではそれが自由につくられ、極端な場合、柱と柱の間をすべて開口にとることすら可能である。酷熱または酷寒の地域では、厳しい外気から屋内を隔離するため、窓は比較的小さくつくられる。耐力壁的発想による組積式はこのような所に発達し、北欧などで、れんが造や石造による重厚な壁の目だつ建物の多いのはこの理由による。しかし多湿の風土では、屋内の通風が重視されるから、窓を大きくとれる非耐力壁を用いる架構式のほうが適している。とくにわが国のように多湿に加えて地震の頻発するような所では、建物強度と通風の両立しない組積式は不適当である。良質の森林資源に恵まれていたわが国の建築が木造架構式に終始してきたのもそのためで、明治時代、文明開化の象徴として積極的に導入された赤れんが建築が関東大震災(1923)以来、事実上建てられなくなり、それまでこの種の構造をとっていた建物が鉄筋コンクリート造に置き換えられていったのも同じ理由による。なお世界的にみれば、硬葉樹林地帯では耐力壁をもつ建物が、照葉樹林地帯に非耐力壁をもつ建物が、それぞれ多く分布しているといわれる。

[山田幸一]

壁の機能と構成

耐力壁において強度の必要なことはいうまでもないが、非耐力壁をも含めて壁にはなお次のような機能が要求される。(1)視線の遮断、(2)耐火、(3)耐水、(4)断熱、(5)遮音、(6)吸音、(7)破壊力に対する抵抗、などである。これら諸機能をすべて具備するものが優れた壁であるが、現実にはそのようなものは得がたく、建物の目的に応じて必要な機能をもつ壁がつくられる。

 以上のうち(1)(2)はあらゆる建物に要求されるが、たとえば酷熱、酷寒の地域では(4)が、城塞(じょうさい)や倉庫では(7)がとくに重視されるなど、それぞれに適合した壁が用いられる。

 壁の構成は壁面と壁体に分けて考えると理解しやすい。壁面とは壁の表面の状態をいい、壁体とは表面を含めた壁の全層をいう。組積式構造やコンクリート造では壁体の素地をそのまま壁面とするものもあるが(赤れんが積みやコンクリート打放しの壁がこれにあたる)、一般には別の材料で壁面に仕上げ(化粧)を施すことが多い。架構式では躯体を骨格として壁下地を組み、それに壁材料を取り付けて壁体をつくるのが普通である。しかし下地を組むかわりにコンクリートブロック、れんが、ALC(発泡コンクリート)版、PC(プレキャストコンクリート)版などを積み上げることもある。ここでのブロック積みなどは、形は組積式であっても、非耐力壁として扱われることはいうまでもない。

[山田幸一]

壁工法と材料

左官工事は、壁下地を組み壁体を構成する場合でも、コンクリートなどの素地を化粧する場合でも、古今東西を通じて壁の構成にもっとも広く採用されてきた工法である。それは、小舞(こまい)下地土壁のように一見もろく弱い仕様でも、非耐力壁ないし化粧用としては十分な力をもち、なお前述の諸機能をひととおり備えているからで、日本でも法隆寺遺構以来現在まで豊富に用いられてきた。左官工事は、それ自身多様な仕上げが可能であるが、なお材料を選ぶことによって、さらにその壁面を下地として壁画、塗装、吹付け、タイル(モザイクタイルを含む)、壁装(壁紙やクロス張り)などの化粧を施せる。また近年はコンクリート型枠の精度が向上しているので、その壁面に左官工事を省略して塗装以下の仕上げを行うこともある。

 壁下地に木や石(擬石を含む)の板あるいは各種成型板(合板、合成樹脂板、ボード、金属板など)などの乾式材を取り付け壁体をつくり、あるいはコンクリート壁面などを化粧することもある。これらは左官工事に比べて工期が早く、かつ仕上げの均一性を確保しやすい利点がある。反面、乾式材はある特定の機能に対しては優れていても、他の機能をほとんどもたないものが多く、左官工事ほどの汎用(はんよう)性はない。たとえば、金属板は化粧材としての美しさはあっても断熱性や遮音性はないに等しく、少なくとも断熱材を併用した複合材料として用いなければならない。

[山田幸一]

特殊な壁

(1)防火壁、(2)吸音壁、(3)透光壁、(4)耐酸壁、(5)耐食壁、(6)放射線遮蔽(しゃへい)壁など、特殊な用途にあてられる壁がある。(1)は多人数を収容する建物または一定規模以上の建物で防火区画を必要とするところに、(2)は奏楽室などで残響時間の調整を必要とするところに、(3)は一般の壁とは異なり光の透過を必要とするところに、(4)(5)は薬品を扱うところに、(6)は放射性物質を扱うところ(医療機関や原子力発電所など)に、それぞれ用いられるもので、いずれもその目的に見合った特殊な構成となる。たとえば(1)は壁体全層を不燃材料で構成し、もし開口をとる場合は防火戸で随時密閉できるようにしておかなければならず、その仕様は建築基準法に規定されている。

 壁という語は、また文芸作品で「塗る」と「寝る」をかけて夢の異称として用いられることもある。例「ねぬ夢にむかしのかへを見つるよりうつゝにものそかなしかりけり」(『後撰(ごせん)和歌集』)。また女房詞(ことば)の「おかべ」は豆腐の異称で、豆腐を白壁に見立てて、いいかえたものである。

[山田幸一]

『山田幸一著『壁』(1981・法政大学出版局)』『山田幸一編『日本の壁』(1982・駸々堂)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

かべ【壁】
〘名〙
① 建物の周囲、または内部を区切る仕切り。草や板などでも作るが、多くは土を用いて作る。〔十巻本和名抄(934頃)〕
※源氏(1001‐14頃)帚木「火ほのかにかべにそむけ、なえたる衣どもの、厚肥えたる、大いなる籠にうちかけて」
② 豆腐をいう女房詞。おかべ。〔海人藻芥(1420)〕
③ (壁を塗(ぬ)るの「ぬる」を「寝(ぬ)る」にかけて) 夢をいう。主に和歌に用いられる。
※後撰(951‐953頃)恋一・五〇九「まどろまぬかべにも人を見つるかなまさしからなん春の夜の夢〈駿河〉」
④ 遊郭で、張見世の末席の異称。①を背にしてすわったところからいう。新造女郎などが席を占めた。
※雑俳・柳多留拾遺(1801)巻一二下「壁に耳あって引け四つ聞きつける」
⑤ 登山で直立した岩壁をいう。
⑥ (比喩的に) 障害。じゃま。困難。
※招かれて見た中共(1956)〈橘善守〉中共は天国か、地獄か?「それにもかかわらず強い権力の壁が必ずある」
⑦ 軽蔑されるべき者。愚か者。→壁と見る
※洒落本・一目土堤(1788)「『野暮(やぼ)を壁とは偖いかに』『女郎もかわず夜あるきせず。内に居るを野暮といふ。家のほとりをぶら付くを則家辺と申也』」
⑧ 囲碁で、外側に勢力を張っている連続した石。

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へき【壁】
[1] 〘名〙 かべ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉一二「此壁(ヘキ)の輙(たやす)く敗り難き」 〔釈名‐釈宮室〕
[2] 二十八宿の一つ。北方に位するもの。ぺガスス座のガンマ星付近の星宿。壁宿。なまめぼし。

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