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士族反乱【しぞくはんらん】

大辞林 第三版

しぞくはんらん【士族反乱】
明治維新後における不平士族の明治政府に対する反乱。封建的特権を剝奪はくだつされた士族(旧武士)は、佐賀の乱・神風連の乱・秋月の乱・萩の乱・西南戦争などを通じて特権の回復や征韓を主張して蜂起したが、ことごとく鎮圧された。

出典:三省堂
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世界大百科事典 第2版

しぞくはんらん【士族反乱】
明治初年,各地でおこった明治政府批判の士族の反乱。一般には,1869年(明治2)から70年にかけておこった長州藩諸隊の反乱(脱隊騒動)から,78年5月の紀尾井坂の変(大久保利通暗殺事件)までの反乱・諸事件をさす(表参照)。しかし長州藩諸隊の反乱は,大楽(だいらく)源太郎らによる士族反乱の側面をもつものの,他の側面では当時の〈世直し〉的潮流,つまり農民一揆と結びつく要素を内包しており,その限りでは,その後の他の士族反乱とは様相を異にしていた。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

士族反乱
しぞくはんらん
明治初期の不平士族の反政府武装蜂起(ほうき)。明治政府は1869年(明治2)に版籍奉還、71年に廃藩置県を断行して旧藩体制を徹底的に解体し、地方の末端に至るまで中央政府の統治下に組み入れ、71年11月には261藩を3府72県に統合した。中央集権的官僚制が創出されるとともに、中央・地方の文武官僚に登用された約2万名以外の約40万戸の華士族は、家禄(かろく)は与えられはしたが官職から締め出され、失業に追いやられた。そのため彼らの間には新政府に対する不満が鬱積(うっせき)した。これが士族反乱の底流をなした。士族反乱は、69年の長州藩脱隊騒動、雲井竜雄(くもいたつお)らの反乱、岡崎恭助らの東京襲撃計画、71年の水野正名らの久留米(くるめ)騒動、愛宕通旭(おたぎみちてる)事件、73年の福岡士族の士族の官員取り立てと復禄要求事件など、各地での蠢動(しゅんどう)として開始された。しかし本格的で大規模な反乱は、73年10月の征韓論の決裂以後である。征韓論そのものが「内乱を冀(ねが)ひ候心を外に移し、国を興すの遠略」を方針としていた。征韓論が政府主流の岩倉具視(ともみ)、大久保利通(としみち)らによって葬られるや、西郷隆盛(さいごうたかもり)、板垣退助(いたがきたいすけ)ら征韓派参議とその腹心たちは一斉に辞職した。74年2月には佐賀士族1万余名が江藤新平(えとうしんぺい)と島義勇(しまよしたけ)を首領に仰いで、国権拡張のための征韓の即時断行と武士の特権回復を要求して蜂起した。それをきっかけとして各地に士族の結社が生まれ始め、とくに九州では中津(なかつ)、秋月(あきづき)、福岡で党が結ばれ、そして鹿児島では西郷と桐野利秋(きりのとしあき)らによって私学校党が組織された。
 政府は、1876年3月廃刀令を布告し、8月には金禄公債証書発行条例を定めて秩禄処分を強行した。この二つの措置は、士族に残されていた特権のすべてを奪い取るものであった。これを契機として76年10月には熊本神風連(しんぷうれん)が蜂起し、続いて秋月(10月)、萩(はぎ)(10月)の士族が反乱し、永岡久茂(ひさしげ)らが千葉県庁と鎮台を襲撃しようとした思案橋(しあんばし)事件(10月)が起こった。そして、77年1月にはついに西郷・桐野に率いられた鹿児島私学校党が蜂起し、熊本各地の士族や大分、宮崎、福岡の士族たちが呼応する西南戦争が戦われた。土佐の古勤王党や立志社も西郷軍に呼応しようとして動いた。戦闘は9月まで続き、ついに反乱軍は敗れ、士族反乱は終息する。これらの反乱に共通している要求は征韓断行と武士の特権の回復であり、無権利状態に置かれていた農民の救済はまったく顧みられなかった。[後藤 靖]
『後藤靖著『士族反乱の研究』(1967・青木書店) ▽我妻栄他編『日本政治裁判史録 明治・前』(1968・第一法規出版)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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