●変調【へんちょう】
デジタル大辞泉
へん‐ちょう〔‐テウ〕【変調】
1 調子が変わること。調子を変えること。また、その調子。
2 調子が狂うこと。また、その調子。「からだに
3 電信・電話・テレビなどの搬送波の振幅・周波数・パルスや位相を信号波で変化させること。
4 楽曲の調子を変えること。移調。
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世界大百科事典 第2版
へんちょう【変調 modulation】
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
変調
へんちょう
modulation
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日本大百科全書(ニッポニカ)
変調
へんちょう
modulation
通信システムにおいて、伝送しようとする信号電流の振幅にあわせて搬送波の振幅、周波数、位相などのいずれかに変化を与え、情報をもった高周波電流を発生させる過程。音声や音楽などわれわれの耳に聞こえる音は、毎秒20ヘルツから10キロヘルツの範囲の空気の振動である。この空気振動をマイクロホンのような変換装置で同じ振動数と強さの電流に変換したものを信号電流といい、これを増幅してスピーカーに加えると元の音声や音楽が再現される。いまラジオを594キロヘルツにあわせるとすると、関東周辺ではNHKの第一放送が聞こえてくる。しかし594キロヘルツという高い周波数が耳に聞こえるはずはないから、この594キロヘルツの電波に20ヘルツから10キロヘルツの範囲にある信号がのって伝搬してきたと考えなくてはならない。この意味で信号をのせてくる電波を搬送波とよび、この搬送波に信号をのせる過程を変調という。搬送波は信号を伝送するための媒体で、信号の周波数より非常に高い周波数である。
信号を伝送するためにどうして高い周波数を変調する必要があるかというと、信号の周波数は低すぎて直接電波として放射させるには適さないからである。たとえば、音声信号のもっとも高い周波数成分である10キロヘルツの波長は30キロメートルで、4分の1波長のアンテナを用いても長さが7.5キロメートルとなる。送信や受信にこのような長さのアンテナを用いることは実際問題として不可能である。
この信号を、たとえば594キロヘルツの搬送波にのせて送信することができれば4分の1波長のアンテナの長さは約125メートルとなるから実用可能となる。さらに10メガヘルツの短波を搬送波として使用することになれば、2分の1波長のアンテナでも15メートルで足りることになる。これに伴って送信機や受信機を構成するコイルやコンデンサーも小型化され、通信システム全体が効率的なものになるのである。
変調には主として三つの方法がある。搬送波の振幅を信号電流の振幅に応じて変化させる方法を振幅変調、搬送波の周波数を変化させるものを周波数変調、搬送波の位相を変化させるものを位相変調という。搬送波が変調を受けると、搬送波を中心としてスペクトラム上で左右対称な側波帯が生じ、この側波帯と搬送波との合成されたものが、搬送波の振幅や周波数や位相の変化となるのである。
高い周波数を搬送波に使えば、より高い周波数の信号で変調することができる。これを利用して幅の広い信号周波数帯のスペクトラムを一定幅に分割して、その一つ一つに別の信号を与えて変調を行うと、一つの搬送波で周波数分割多重伝送を行うことができる。また、パルス技術を駆使して信号を符号化し、時間軸を個々の信号ごとに分割してパルスの流れをつくり、これを一つの信号と考えて搬送波を変調すれば、時分割多重伝送を行うことができる。前者は振幅変調に適し、後者は位相変調に適している。また、振幅変調は比較的簡易な通信システムに適し、周波数変調は必要な周波数帯幅に広げることによって周波数特性のよい高品質な信号の伝送に適する。位相変調はデジタル信号の誤りない高速伝送にもっとも適している点を利用してデータ伝送に用いられている。
また、光線やレーザーなどの強度を信号電流の振幅にあわせて変化させる過程、ならびにテレビのブラウン管などで走査画像を形成させるために、受信信号電流の強弱にあわせて画素に明暗を与える過程も変調という。
[石島 巖]
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精選版 日本国語大辞典
へん‐ちょう ‥テウ【変調】
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化学辞典 第2版
変調
ヘンチョウ
modulation
通信用の搬送波に信号に対応する変化を与えることで,これによって信号が搬送波にのって運ばれる.もっとも一般的な変調は振幅変調で,これは図のように一定振幅Aである搬送波の振幅が,信号の形に変化されるものである.
そのほか,搬送波の周波数を信号に応じて変化させる周波数変調があり,これはマイクロ波や雑音の少ない通信に用いられる.また,位相をかえる位相変調や,パルスを中間変調波とするパルス変調などがある.
出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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