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多宝塔【たほうとう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

多宝塔
たほうとう
多宝如来を安置する。多宝仏塔ともいう。基壇上に二重の屋を構築し,最上部に相輪を設置した塔をいう。『法華経宝塔品にある一文によって造営された。日本では朱鳥1 (686) 年に奈良長谷寺の僧道明の造刻による多宝塔が始りと伝えられる。現存する最古遺構石山寺の多宝塔で,12世紀建立。

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デジタル大辞泉

たほう‐とう〔‐タフ〕【多宝塔】
仏塔の一形式。本来は多宝如来を安置する塔をさす。日本では上層円形下層方形とした塔身の二重塔をいい、下層屋根上の亀腹(かめばら)が特徴。現存最古の例として鎌倉時代初頭の石山寺のものがある。

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世界大百科事典 第2版

たほうとう【多宝塔】
日本で建立された仏塔のうち,下重方形,上重円形の平面をもつ二重形式の塔をいう。この塔形は日本へ仏塔を伝えた中国,朝鮮半島にはなく,日本で創始されたと思われる。平安時代初め,空海は高野山で大日如来の三昧耶形(さまやぎよう)をモデルにして毘盧遮那法界体性塔(びるしやなほつかいたいしようとう)を建立したが,この塔は三昧耶形そのままの宝塔形式(円形平面の一重塔)に裳階(もこし)()を付けた二重の形式で,下重は方5間で内部には円形に並ぶ12本の柱列が2通りあったらしい。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

多宝塔
たほうとう

仏塔の一種。円筒状の塔身に宝形(ほうぎょう)の屋根をのせた宝塔の周囲に裳層(もこし)をつけた形式の建物。裳層内部に円形の塔身部が認められるものを大塔(だいとう)ともいう。塔身上部の白漆食(しっくい)塗りの部分を亀腹(かめばら)という。平安時代に密教が最澄・空海によって伝えられてから出現した建築である。天台宗では、初め『法華経(ほけきょう)』を法舎利(ほうしゃり)とし、それに胎蔵(たいぞう)界の五仏を祀(まつ)った多宝塔を建立、真言(しんごん)宗では大日如来(だいにちにょらい)を祀る建物として多宝塔(大塔)が建設されている。

 多宝塔の名のおこりについては、重層宝塔からとする説と、『法華経』見宝塔品(けんほうとうほん)に説く多宝如来と釈迦(しゃか)如来の二仏並座の塔をいうとする説がある。後者の塔は奈良県長谷寺(はせでら)所蔵の銅板法華説相図にみえる。686年(朱鳥1)に製作されたもので、中央に多宝・釈迦並座の多宝塔が六角三重塔として浮彫りされている。前者のいわゆる多宝塔は大日如来を本尊とするので、後者の多宝塔とは明らかに異なっている。現存する古い多宝塔は滋賀県・石山寺多宝塔(国宝、鎌倉時代)であり、内部には四天柱が立つだけである。大塔形式の古いものには和歌山県・根来寺(ねごろじ)大塔(国宝、室町時代)がある。

[工藤圭章]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

たほう‐とう ‥タフ【多宝塔】
〘名〙 仏語。多宝如来を安置した塔。釈迦が法華経を説いたとき、空中に七宝の塔が現われ、塔中の多宝仏が釈迦を讚嘆して半座を分けたと説かれることに基づいて作られた。上部が円形、下部が方形の覆鉢形二重の塔が一般的。多宝の塔。
※日本紀略‐天慶八年(945)二月二七日「皇太后於法性寺養多宝塔・一切経等」 〔宋之問‐奉和九月九日登慈恩寺浮屠応制詩〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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