@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

多神教【たしんきょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

多神教
たしんきょう
polytheism
信仰ともいい,宗教学上同時に多数の神を認める信仰態度。一神教と対比されるが,その区別は実際には必ずしも明確ではない。一般に文明の影響をあまり受けていない,伝統的生活をおくる民族の信仰は多神教的であり,そこから一神教に発展すると考えられていたが,それらの民族のなかにも原始的な一神教とみられるものもある。多神のうち,最高神が交替する交替神教,また一神を最高神として他を従属神とする単一神教などは,その中間形態と考えられる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

たしん‐きょう〔‐ケウ〕【多神教】
多数の神々を信じ礼拝する宗教。それぞれの神が固有の活動領域をもつ。古代ギリシャ・ローマの宗教など。→一神教

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

たしんきょう【多神教 polytheism】
複数の神々を同時に崇拝する宗教をいい,一神教と対比される。万物に精霊が宿るとするアニミズム一種の多神教といえるが,一般には,自然現象の人格化や人間生活の投影によってさまざまな個性や形姿を付与された神々に対する信仰をいう。一神教が砂漠の宗教であるのに対して多神教は農耕社会に多くみられ,配偶神や親子神のように地上的・現世的な性格を多分にもっている。日本の記紀神話にあらわれる八百万神(やおよろずのかみ)の世界も多神教の一種であるが,その神々は古代ギリシアの宗教やインドのヒンドゥー教における多神教とは異なって,肉体的な特徴や個性をもたず,目にみえない存在であった。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)

多神教
たしんきょう
polytheism

宗教を崇拝対象の数によって分類するとき、複数の神々を同時に崇拝対象としている宗教形態がある。これを多神教とよぶ。日本の神道、インド、古代オリエント、古代ギリシア・ローマの宗教などがこれにあたる。部族社会やいわゆる未開社会では、諸霊力、精霊、獣神、祖霊などが崇(あが)められる多霊信仰の傾向が強いが、多神教はこの多霊信仰を底辺に温存していることが少なくない。これらの霊的存在がおのおの個性を備えた人格的存在として崇拝の対象になるとき、多神教が成立する。

 歴史的にみると、おのおの守護神をいただく部族や、初期都市国家の間に、政治的、経済的交渉が盛んになるにつれて、元来他の部族や都市の神であったものが受容され、複数の神々が同時に崇拝される場合が少なくない。あるいは一有力部族の長が近隣諸部族を征服、統合することによって、新たな政治的秩序社会(王制など)が登場し、それに伴って神々の世界も再編成されることがある。そして王権の性格と範囲、祭司階級の組織化や社会各層の分化の度合いなどの社会的要因および自然の要因によって、神々の機能分担の範囲、格差が定められてパンテオンpantheon(万神廟)が成立し、それにまつわる神話、儀礼体系も整備される。多神教に特有なパンテオンは、こうして主神の下に自然・文化諸現象を機能的に分担する神々が階層的に統合されることによって成立するのである。そこにはその社会の構造や秩序がなんらかに投影されている。

 なお、多くの神々のなかでとくに主要三神がトリオを形成する例が少なくない。エジプトのオシリス、イシス、ホルス(父、母、子)、古代バビロニアのアヌ、エンリル、エア(天、空、地)などがそうである。さらに印欧語族には元来、祭祀(さいし)、軍事、豊饒(ほうじょう)の三機能神体系があったという意見もあり、この三機能神体系が日本の天照大神(あまてらすおおみかみ)、素戔嗚尊(すさのおのみこと)、大国主命(おおくにぬしのみこと)の三神にも反映していると考える学者もいる。

 多神教的世界を背景としながら、そのうちの一神が集中的に崇拝される場合があり、これを単一神教henotheismとよび、この一神が随時交替する場合は交替一神教kathenotheismとよぶ。しかし多神教からかならずしも直線的に一神教monotheismに進化するわけではない。一神教の成立には、それなりの根源と啓示、宗教闘争、神学的反省といった種々の過程が考えられる。

[月本昭男]

『岸本英夫編『世界の宗教』(1965・大明堂)』『G・ファン・デル・レーウ著、田丸徳善・大竹みよ子訳『宗教現象学入門』(1979・東京大学出版会)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

たしん‐きょう ‥ケウ【多神教】
〘名〙 多数の神の存在を認め、これを崇拝する宗教体系。原始宗教や古代宗教の形態は大多数がこれに属する。諸神はそれぞれに個体的性格をもち、文化が進むにつれて職能神として明確に意識され、また神々の関係も整理され、パンテオン(万神廟)を形成することが多い。→一神教。〔哲学字彙(1881)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

旺文社世界史事典 三訂版

多神教
たしんきょう
polytheism
多数の神・精霊をまつり崇拝する宗教
一神教に対する言葉。天神・雨神・雷神風神地神水神・海神・火神・日神・月神などの自然神のほか,出産神・農耕神・戦神・死神のような人事主宰神,祖先神などがある。古代社会に多くみられた。

出典:旺文社世界史事典 三訂版
執筆者一覧(50音順)
小豆畑和之 石井栄二 今泉博 仮屋園巌 津野田興一 三木健詞
 
Copyright Obunsha Co.,Ltd. All Rights Reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

多神教」の用語解説はコトバンクが提供しています。

多神教の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation