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多胎妊娠【たたいにんしん】

妊娠・子育て用語辞典

たたいにんしん【多胎妊娠】
2人以上の赤ちゃんを同時に妊娠すること。自然妊娠の場合、80分の1の確率で起こると言われています(不妊治療後の妊娠の場合は、もっと多くなります)。双子ちゃんは「双胎(そうたい)」、3人なら「品胎(ひんたい)」と呼びます。1人の場合より妊娠高血圧症候群早産などのリスクが高いので、妊婦健診はきちんと受けることが大切です。また、赤ちゃんの体重がそれぞれ少なめ(低出生体重児)になることも多いので、そうした赤ちゃんのケアをできる施設(NICUのある病院、あるいはNICUのある施設と提携ができている病院)を選ぶことも大事なポイントになります。

出典:母子衛生研究会「赤ちゃん&子育てインフォ」指導/妊娠編:中林正雄(愛育病院院長)、子育て編:多田裕(東邦大学医学部名誉教授)
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デジタル大辞泉

たたい‐にんしん【多胎妊娠】
二人以上の胎児を同時に妊娠していること。胎児のにより、双胎・品胎(ひんたい)(三児)・四胎などとよぶ。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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家庭医学館

たたいにんしん【多胎妊娠 (Multiple Pregnancy)】
排卵誘発剤(はいらんゆうはつざい)の使用により増加
 2人以上の胎児(たいじ)を同時に妊娠している状態を多胎妊娠といいます。胎児が2人の場合を双胎(そうたい)(ふたご)、3人の場合を三胎(さんたい)(品胎(ひんたい))、4人、5人の場合をそれぞれ四胎(したい)、五胎(ごたい)といいます。
 多胎妊娠は、1個の受精卵から2個以上の胚芽(はいが)が発生し発育した一卵性多胎(いちらんせいたたい)と、複数の卵子(らんし)が同時に排卵されて受精する多卵性多胎(たらんせいたたい)とに分けられます。
 また、一卵性双胎の場合で、受精後1~3日以内に卵(らん)の分離がおこったときには、二絨毛膜二羊膜性双胎(にじゅうもうまくにようまくせいそうたい)(2つの胎嚢(たいのう)の中に胎児が1人ずつ入っている)になります。これは一卵性双胎の約25~30%を占めます。
 受精後、卵(らん)の分離が3~8日以内におこると、その70~75%は一絨毛膜二羊膜性双胎(いちじゅうもうまくにようまくせいそうたい)(1つの胎嚢の中に胎児が2人、別々の羊膜に包まれて入っている)となります。
 分離が8日以降におこると、一絨毛膜一羊膜性双胎(いちじゅうもうまくいちようまくせいそうたい)(1つの胎嚢の中に2人の胎児が同じ羊膜に包まれて入っている)となり、これは約1%しかおこらず、比較的まれな双胎といえます。さらに分離が遅れ、13日以降になった場合には、結合双生児(けつごうそうせいじ)(シャム双生児(そうせいじ))となります。
 一卵性双胎の原因は不明で、遺伝性や人種間の格差はないといわれています。一方、多卵性多胎は、人種間の格差(東洋人より白人、白人より黒人に多い)や、遺伝傾向(母親が多胎だと娘も多胎になりやすい)があることがわかっています。また、高年齢で多産の女性に多いともいわれています。
 近年、不妊症研究の飛躍的進歩にともない、以前ではとうてい子どものもてなかった夫婦にも、子どもをもつことが可能になりました。しかしその反面、複数の卵を同時に成熟させる排卵誘発剤の使用や、体外受精・胚移植(IVF‐ET 採卵して体外で受精させ、分裂を始めた受精卵(胚)を子宮内にもどして着床させる方法)が普及したことにより、多卵性多胎が増加してきているのも事実です。
 通常の妊娠と比べて、排卵誘発剤の内服によるもので約5倍、排卵誘発剤の注射(hMG‐hCG療法)によるもので約25倍、IVF‐ETによるものでは約17倍の多胎妊娠が発生する、という報告もあります(青野敏博教授ら<1991年>および日本産婦人科学会生殖医学登録委員会による)。
●多胎妊娠の症状
 子宮が、単胎(たんたい)(胎児が1人の妊娠)の妊娠週数の場合に比べて大きくなり、腹部のあちこちで胎動(たいどう)が感じられるようになります。おなかに触ると、頭部が1個以上あるのがわかり、異なる場所で異なる胎児の心音を聴きとることができます。
 母体は、子宮が増大しすぎるための圧迫症状として、下肢(かし)の浮腫(ふしゅ)(むくみ)や静脈瘤(じょうみゃくりゅう)、呼吸困難、心悸亢進(しんきこうしん)(動悸(どうき))をともないやすくなります。また、貧血、妊娠高血圧症候群(にんしんこうけつあつしょうこうぐん)(妊娠中毒症(にんしんちゅうどくしょう))(「妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)」)、羊水過多(ようすいかた)(「羊水過多」 とくに一卵性双胎の場合)、前置胎盤(ぜんちたいばん)(「前置胎盤/低置胎盤」 胎盤が大きいため)なども発生しやすくなります。
 そのほか、ごくまれに内外同時妊娠(片方の胎児が子宮内、もう一方の胎児が子宮外妊娠(しきゅうがいにんしん))となり、治療を要することもあります。
 多胎妊娠では、早産(そうざん)をおこすことが多く、胎児の体重が単胎の場合と比べて少ないことがよくあります。
●妊娠中の注意
 多胎妊娠は、X線撮影または超音波断層法を行なって、2人以上の胎児が写れば確実に診断できます。
 多胎妊娠と診断されたら、なるべく安静を保ち、食事もバランスよくとるようにして、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)や早産、子宮内胎児発育遅延症などの発生を予防することが重要です。
 そのため最近では、妊娠24~26週をめどに、安静入院を勧める医師が多いようです。これは、予防的安静入院をした人たちと、社会的、家庭的な理由から予防的安静入院が不可能で、早産の徴候が現われた時点で初めて入院した人たちとを比較した場合、早産、子宮内胎児発育遅延症の発生の予防、そして週産期死亡の減少に、明らかな差がみられるとの報告があるからです。
 定期的に診察を受けて子宮収縮の程度をチェックし、早産の危険があれば、子宮収縮抑制剤の使用も必要です。
 また、二卵性双胎に比べて、一卵性双胎のほうが胎児の予後の悪いことが知られていますので、双胎の場合は妊娠初期に、超音波断層法を用いてどちらか確かめておくことが重要です。
 さらに、一絨毛膜二羊膜性双胎の場合、ほぼ100%に胎盤内の血管吻合(けっかんふんごう)(胎児どうしの血管がつながっている)があります。その約10~15%に双胎間輸血症候群(そうたいかんゆけつしょうこうぐん)(コラム「双胎間輸血症候群」)が発生するといわれています。
◎分娩(ぶんべん)は設備の整った病院で
 多胎妊娠は、子宮壁(しきゅうへき)が過度に引きのばされるため原発性微弱陣痛(げんぱつせいびじゃくじんつう)(有効な陣痛がおこらない)になりやすく、分娩時間が長くなりがちです。また、陣痛開始前の破水(はすい)(前期破水(ぜんきはすい)(「前期破水」))や、陣痛開始後、子宮口全開大(しきゅうこうぜんかいだい)前までの破水(早期破水(そうきはすい))をおこしやすく、そのため臍帯(さいたい)(へその緒(お))や四肢(しし)の脱出がおこる頻度も高くなります。
 双胎妊娠では、まれに胎児どうしの頭部や臀部(でんぶ)がひっかかって(懸鈎(けんこう))、分娩の進行が停止することがありますが、その場合は帝王切開(ていおうせっかい)を行ないます。
 双胎妊娠の場合、両方の胎児の胎盤は、ふつう第2児分娩後に同時に娩出(べんしゅつ)されます。しかし、ときには第1児娩出後に胎盤がはがれることがあり、早期剥離(そうきはくり)と同じような状態になるため、大出血をともないます。
 さらに、多胎妊娠で子宮壁が過度に引きのばされると、子宮が十分収縮できなくなり、弛緩出血(しかんしゅっけつ)(「弛緩出血」)をおこしやすくなるので、分娩後も悪露(おろ)(産褥期の注意すべき症状と対策の「産褥期のからだの変化」)の量を注意深く観察する必要があります。
 このように、単胎に比べ、多胎妊娠は母体死亡率で約2倍、胎児の死亡率は約5倍と、大きな危険をともなっています。また、早産率も高く、未熟児や低出生体重児(ていしゅっしょうたいじゅうじ)の割合も多くなります。したがって、多胎妊娠の場合には産科、小児科(とくに新生児科)、麻酔科など、それぞれの専門医によるチーム医療ができるような設備の整っている病院で分娩するほうがよいと考えられます。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

たたいにんしん【多胎妊娠】

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

知恵蔵mini

多胎妊娠
2人以上の胎児が同時に子宮内に存在する状態。双胎(双子)の場合が多い。つわりが強く、子宮の増大が速いといった症状がある。単胎妊娠に比べて、早産、妊娠高血圧症候群、貧血、子宮内発育遅延など妊婦・胎児に病気や障害の発生するリスクが高いため、妊娠中から十分な経過・体調管理が必要となる。近年は、不妊治療における体外受精や排卵誘発剤の使用による多胎妊娠が増加している。日本産科婦人科学会の調査では、2011年の1年間で一般的な不妊治療における多胎妊娠が少なくとも1000件あり、そのうちの4割が飲み薬の排卵誘発剤によるものであることが判明している。
(2013-7-10)

出典:朝日新聞出版
(C)Asahi Shimbun Publications Inc
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日本大百科全書(ニッポニカ)

多胎妊娠
たたいにんしん

2個以上の妊卵が同時に胎内に着床している状態を多胎妊娠といい、また、その胎児を多胎児という。二児の場合を双胎twinsといい、三児は品胎(ひんたい)tripletsで、四児は四胎または要胎quadruplets、五児は五胎または周胎quintupletsとよんでいる。多胎の頻度は、欧米では80n-1:1または90n-1:1(nは多胎児数)が用いられるが、日本ではだいたいその半分くらいとされる。すなわち、双胎は白人で約80例に一例、日本人では約150例に一例といわれ、以下、日本人の場合、品胎は1502(2万2500)例に一例、四胎は1503(337万5000)例に一例、五胎は1504(5億0625万)例に一例と、きわめてまれなものとなっている。しかし、近年は排卵誘発剤の使用で多胎の頻度はより高くなっており、過排卵を抑制する研究も進められている。多胎は遺伝とも関係が深く、人種的あるいは地理的差も認められている。多胎には多卵性と一卵性があり、一卵性には統計上、遺伝関係が認められないが、多卵性は明らかに遺伝によるもので、高年の初産に多い。多胎の場合、7か月ころ急に腹部が大きくなるのでそれとわかるが、近年は妊婦検診の向上と超音波断層法などの応用により分娩(ぶんべん)前、少なくとも18~20週までにはほとんどが診断されるようになった。多胎妊娠はハイリスク妊娠に属し、母子障害や低出生体重児が多く、周産児死亡率は単胎の平均約4倍といわれ、十分な産科管理が必要となる。

[新井正夫]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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六訂版 家庭医学大全科

多胎妊娠
たたいにんしん
Polycyesis
(女性の病気と妊娠・出産)

どんな状態か

 多胎妊娠とは2人以上の胎児が同時に子宮内に存在する状態をいいます。双胎(そうたい)妊娠(ふたご)には一卵性双胎と二卵性双胎とがあります。二卵性双胎は2個の受精卵から発生したもので、2個の胎盤があり、二絨毛膜(じゅうもうまく)羊膜(ようまく)となります。一卵性双胎は1個の受精卵が分裂することにより発生し、分裂の時期により二絨毛膜二羊膜、一絨毛膜二羊膜、一絨毛膜一羊膜のいずれかとなります。

 周産期死亡率は単胎妊娠の4倍になります。なかでも一絨毛膜性双胎は、二絨毛膜性双胎に比べて周産期死亡率は5倍になります。一絨毛膜性双胎の予後が不良である理由は、主として双胎間に血管吻合(ふんごう)(血管がつながっている)が認められることです。

症状の現れ方

 一般的な症状としては、つわりが強く、子宮の増大が速いことがあります。早産、妊娠高血圧症候群(にんしんこうけつあつしょうこうぐん)、貧血、子宮内発育遅延を併発しやすくなります。妊娠末期には子宮の著しい増大のため、下肢や外陰部に浮腫(ふしゅ)が起こりやすくなります。

検査と診断

 診断は超音波断層法により行われます。多胎妊娠の診断がついた場合には、胎嚢(たいのう)・羊膜の数、隔壁(かくへき)の形・厚さなどにより、膜性診断(絨毛膜および羊膜の数を調べる)を行います。妊娠早期のほうが膜性診断を行いやすくなります。

 一絨毛膜性双胎に特異的に起こる合併症として重要なのが、双胎間輸血(そうたいかんゆけつ)症候群です。胎盤に血管吻合が存在し、一方の胎児から他の胎児に血液が移動します。供血側の胎児は貧血、心臓肥大、羊水過少となり、受血児では多血、心拡大、心不全、胎児水腫羊水過多(ようすいかた)となります。この状態が長期化することにより両児の体重差が生じます。これは一絨毛膜性双胎の4~35%に起こり、周産期死亡率は60~100%とされています。

 双胎の1児が死亡した場合、二絨毛膜性双胎では胎盤循環が分離されているため健児には影響が及びません。しかし、一絨毛膜性双胎では他児の死亡もしくは脳障害が生じることが知られています。

治療の方法

 多胎妊娠の一般的な治療として重要なのは、早産と妊娠高血圧症候群の予防です。早産の発生は単胎妊娠の約9倍であり、妊娠中期からの入院安静、予防的な頸管縫縮術(けいかんほうしゅくじゅつ)(子宮頸部を輪状に縫縮する)などさまざまな早産予防のための試みがなされていますが、すべてのケースに対して行うべきであるかについてはむしろ否定的です。早産・妊娠高血圧症候群の徴候をとらえるために妊娠早期より頻回にチェックし、必要に応じ各種処置が行われるのが一般的です。

 一絨毛膜性双胎は早期より双胎間輸血症候群の発生に注意し、その徴候がある場合には入院安静とします。発生した時には胎児の生存が期待できる場合には早期娩出、そうでない場合には反復羊水除去や吻合血管焼灼(しょうしゃく)術などが行われることがあります。1児が死亡した場合には他児の状態も急変することがあるため、早期娩出が図られることがありますが、その取り扱いに関しては一定の見解は得られていません。

 経腟分娩の際には1児の娩出後に臍帯(さいたい)脱出や常位胎盤早期剥離(たいばんそうきはくり)などを起こす可能性があるので、1児娩出直後から厳重なモニタリングが必要です。

上妻 志郎

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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