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天人女房【てんにんにょうぼう】

世界大百科事典 第2版

てんにんにょうぼう【天人女房】
ある男が沐浴(もくよく)している天女羽衣を隠す。それにより女をとするが,結局,異類との結婚は破局に終わるという異類女房譚の一型で,白鳥処女説話として世界的に分布している。日本では《丹後国風土記》や《近江国風土記》をはじめ数多くの文献に記され,現在でも全国各地に多様な伝承をみせている。大別すると,次の4型に分けられる。(1)始祖型 隠された羽衣を発見した天女は天上に帰る。そして天女と男の間に生まれた子どもは,帝王,地方豪族,集落創始者職業開祖となる。

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大辞林 第三版

てんにんにょうぼう【天人女房】
昔話の類型の一。異類婚姻譚。水浴中に男に羽衣を隠された天女がその男と結婚し、のち羽衣を発見して天上に帰るというもの。その後、男も天に昇り、天女の父から難題を課せられる型の話もある。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

天人女房
てんにんにょうぼう
昔話。動物と人間の男子との結婚を主題にした婚姻譚(たん)の一つ。天の世界から降りてきた天女が、衣を脱いで水浴びをしている。それを見た男が衣を隠す。衣を失った天女は空を飛ぶことができない。天女は男の妻になり、子供を産む。のちに子供が歌っている歌で衣のありかを知り、天女は天に帰る。このあとが「難題婿」の形をとり、七夕(たなばた)の由来譚になっている類話も多い。天まで伸びる不思議な植物を育てて、男は天上の妻のところへ行く。妻の父親から難題を課せられる。妻の助言で果たすが、最後に瓜(うり)の切り方を誤り、瓜から流れ出した水が天の川になる。天女と男は7月7日に年に一度だけしか会えないことになる。天女は織女(しょくじょ)星、男は牽牛(けんぎゅう)星であるという。
 古くから羽衣伝説として知られ、奈良時代以来、数多くの文献にさまざまな類話が記録されている。おもに伝説の形式をとり、一族の先祖あるいは神の由来譚になっているものが多い。物語草子の『天稚彦(あめわかひこ)物語』は、天の男と人間の女で、人物の性が逆転しているが、七夕の由来を説く「天人女房」の類話である。七夕と結び付いた類話は中国で発達しており、これらはその影響を受けている。類話は世界的に分布しているが、天女がハクチョウなど鳥の形をとっている例が多く、「白鳥処女伝説」ともよばれた。日本の「鶴(つる)女房」は「天人女房」の白い鳥の例である。「難題婿」の要素を伴う類話は、アイヌ民族、朝鮮、中国、インドネシアなどにもあるが、これと並行して、東アジアからヨーロッパへかけて、美しい妻を見た領主が横恋慕して夫に難題を課す「難題女房」の要素を含む類話が分布している。日本では「鶴女房」がそれに該当する。これは、異類との結婚には困難が伴うとする昔話の構造の表れであろう。[小島瓔

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

天人女房
てんにんにょうぼう
羽衣伝説」のページをご覧ください

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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